ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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富士箱根伊豆国立公園

268件の記事があります。

2020年09月07日『滑沢渓谷』で森林浴

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

最近は、夕暮れ時に吹く風の涼しさに少し秋を感じる日があります。とは言うものの、日中の暑さはまだまだ厳しい沼津です。

前回、夏でも涼しい「浄蓮の滝」を紹介しましたが、今回はどの季節に行っても森と清流の美しさに目を奪われ、癒し効果抜群の「滑沢渓谷」を紹介したいと思います。

滑沢渓谷は、天城峠の北側にある苔と樹木に包まれた渓谷です。谷を埋め立てた安山岩の上を流れる清流が、長い年月をかけて岩肌を削り滑らかで美しい一枚岩を作りました。渓谷沿いにはわさび田があり、スジグロシロチョウが舞っている姿を目にします。この場所は井上靖の「猟銃」のモチーフになった場所で、滑沢橋を渡ると林道の入口に井上靖文学碑があります。そして、渓谷沿いにある太郎杉歩道と林道を上流へ進んでいくと、天然記念物の樹齢推定450年の巨木「太郎杉」まで行く事ができます。(※歩道を進むと最終的に林道と合流するので、林道のみを進んでも太郎杉まで行く事ができます。)

【 滑沢渓谷 】

林道の途中には滑沢火山の噴火によって出来たバームクーヘンのような、火山性の土石流の地層を見ることが出来ます。渓谷だけでなくこの辺り一帯が溶岩台地の森だと感じられます。

【 バームクーヘンのような地層 】

林道をしばらく進むと右側に木製階段が見えてきます。階段の先にあるのが「太郎杉」です。昭和39年に静岡県の天然記念物に指定され、樹齢はおよそ450年、高さは53メートルと天城周辺では一番大きい杉です。枝ぶりも立派で、雨の多いこの場所に何百年も生き続けていると思うと感慨深いです。

【 太郎杉 】

下の写真は「竜姿(りゅうし)の滝」です。滑沢川と本谷川が合流した場所にあります。滝の左側の岩が、川に入った竜が体をひねり鼻先を滝の方へ向けているように見えるということで、この名前がついたそうです。渓谷の水の透明度を感じられ、春夏は新緑、秋は紅葉も美しい場所です。


【 竜姿の滝 】

新緑、紅葉、冬には年に数回見られる雪の滑沢渓谷も楽しむ事が出来ます。どの季節に行っても忘れられない景色が広がっています。水のせせらぎ、風の音、木漏れ日、森の空気をたくさん体に吸収し、暑い夏で少し疲れた体を森林浴で癒やして下さい。

▼静岡県伊豆市に来訪される方へのお願い

【新型コロナウイルス感染防止対策について(伊豆市)】

http://kanko.city.izu.shizuoka.jp/form1.html?c1=12&c2=2&pid=5228

▼伊豆市観光情報サイト

http://kanko.city.izu.shizuoka.jp/form1.html?pid=2511

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2020年09月02日箱根の植物発見(8月)

富士箱根伊豆国立公園 高木俊哉

AR日記をご覧の皆様、こんにちは。

箱根事務所の高木です。

今回は、8月の巡視の中で見つけた目を引く植物たちの紹介をしていこうと思います。

ツチアケビ

まずは、ツチアケビです。

初めてこの植物を見たときは、真っ赤な唐辛子かウインナーかのような姿にとても驚きました。

箱根では、広葉樹林のうっそうとした環境で目にする印象です。

真っ赤な部分は果実で、結実する前は対照的にやや地味な黄色い花を見ることが出来ます。

ヤマユリ

次に、ヤマユリです。

花の直径は20㎝程の大きさにもなり、箱根地域でも道路沿いや登山道など比較的多くの場所で目につきます。

高さも1m程になるので、とても目立ちますね。

花も真っ白な色に淡い黄色い線がとても綺麗です。

ヤマホタルブクロ

最後に、ヤマホタルブクロです。

ホタルブクロの変種で、花の色がやや濃いことや「がく」の間の反り返りがないことで同定できるようです。

花びらが分かれていない合弁花で、ふっくらとしていて可愛げがある花です。

箱根では、登山道沿いや道路沿いでも見ることができます。

箱根地域では、これから秋に向けて、夏とは違ったさまざまな植物を見ることが出来ると思います。

ぜひ涼しい箱根で、3密には気をつけつつ秋を堪能してみてください。

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2020年08月31日2020年の富士山の楽しみ方①「御中道」

富士箱根伊豆国立公園 小西 美緒

まだまだ暑い日が続きますが、夏の短い富士五湖エリアでは、例年であれば富士山の夏の山じまいのお祭りである日本三大奇祭の「吉田の火祭り」(毎年8月26日・27日開催)の時期が過ぎ(今年は新型コロナウィルスの影響で中止になってしまいました、)、秋の気配を感じ始めています。

ススキやトンボも目立つようになってきました

(山中湖パノラマ台周辺 2020年8月29日撮影)

富士山が「閉山」という前代未聞の夏でしたが、そんな2020年の富士山の楽しみ方をご紹介したいと思います。

ご紹介するのは「御中道」です。

御中道は富士山を信仰する「富士講」の修行の道としても使われていた五合目付近を一周する約25kmの古道で、富士山に3回登った経験のある人しか巡ることが許されなかった、とも言われています。途中崩落し危険な箇所もあるため、現在では富士スバルライン五合目~御庭までの約2.5kmが通行可能です。

今年は2300m付近にあるこの御中道が山頂に一番近づくことのできる歩道です!!

森林限界より上に向かって行く山頂までの登山道と比べ、四季折々様々な植物を見ることができ、いつも

『今日はどんな植物に出会えるかな?』

とワクワクします。

最近はコケモモの実が赤くなりつつあります(採取は禁じられています)。また、溶岩や雪崩の跡、火口など富士山の自然を存分に感じられる私が大好きなルートです。アップダウンも少なく気軽にハイキングを楽しめます。

赤く色づいたコケモモの実

10月上旬頃からは紅葉が楽しめるようになります。特に例年10月中旬~下旬頃、カラマツが黄金に染まる景色は必見です。

初冠雪の富士山と黄金色に染まったカラマツ(2017年10月26日撮影)

モデルコース①


もう少し歩きたいという方は、モデルコース①のアレンジで、三合目のバス停で下り、精進口登山道をスバルライン五合目まで歩く(約120分)コースをプラスし、17:08のバスで下山というのもおすすめです。

なお、9月10日まで運行している富士山パーキングと五合目間を往復しているシャトルバスについては途中乗降ができないようですのでご注意ください。

また、上記モデルプランのバスの時刻については9月10日までのダイヤのため、変更になる可能性がありますので、最新情報は下記HPにてご確認ください。

富士急行バス(富士山駅・河口湖駅~富士山五合目 [富士スバルライン五合目]) 

【参考情報】

 奥庭・御中道トレッキングマップ(鳴沢村)[PDF 1.86MB].pdf


*御中道 標識設置工事のお知らせ*

環境省では9月中旬より御中道に標識工事を実施いたします。工事に伴う通行止め等はございませんが、工事期間中ご迷惑をおかけいたします。ご理解とご協力をお願いいたします。

設置後は植物や自然についての解説が充実します。より富士山のことを知りながら散策ができるようになると思いますので、お楽しみに!

富士登山オフィシャルサイト(御中道工事のお知らせ)


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2020年08月28日白浜巡視清掃

富士箱根伊豆国立公園 山口光子

皆さん、こんにちは。

富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。

お盆は過ぎたというのに、日本列島各所で酷暑が続いていますね。

それでも、箱根事務所は室内にいると涼しく、扇風機でこの夏を過ごしています。

さて、箱根には芦ノ湖という湖があり、その湖畔に「白浜」という場所があるのをご存じでしょうか。

【芦ノ湖 白浜】

【白浜看板】

芦ノ湖西岸コース散策路の近くにあり、休憩するには素敵な水辺です。

対岸の駒ヶ岳という山を、きれいに見ることが出来ます。

カヌーのアクティビティに地元の観光ガイドさんたちが利用していたりもします。

先日はこの白浜の清掃に行ってきました。

BBQゴミの放置が全国で問題となっている昨今、この白浜でも出てしまいました...。

【置き去りのごみ】

BBQのごみ以外にも、釣りの道具が放置されていました。

(この糸に絡んだり、針を飲み込んだりして、水鳥が命を落としてしまいます。)

白浜は、国立公園の特別地域に指定されており、このような地域では自然公園法により、

テント設営には事前に許可を得る必要があります。(宿泊を目的としたテント設営は禁止です。)

また、火気の使用もBBQを含めて禁止となっています。

ですが、この白浜では最近そのような利用が増えているようです。

全部禁止と看板を設置したら、このような利用は無くなるのでしょうか?

でもそのような看板だらけの白浜は、果たして美しいといえるのでしょうか?

そして、本当にゴミの放置をやめてもらえるのでしょうか?

使う人たちのマナーが問われます。

美しい自然を保全しながらの使用を、皆さんに心がけてもらえると嬉しいです。

掃除をし終えると、ご褒美のようにカワセミが飛んできてくれました。

これはうれしい!芦ノ湖に喜んでもらえた気分です。

【カワセミ】

今後も定期的に、巡視清掃をしていきます。

自然の中で遊んだ後は、お弁当も水筒も、持ってきたものすべてを必ず持ち帰ってください。

何かを持ち込むのではなく、そこにある自然そのものを堪能してはいかがでしょうか。

きれいな白浜を、きれいなままで、誰もがずっと利用できますように。

マナーを守って自然と上手に付き合い、喜びや感動を分けてもらいましょう。

【清掃後の白浜】

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2020年08月21日今崎海岸 三宅島(伊豆諸島地域)

富士箱根伊豆国立公園 竹下実生

こんにちは。伊豆諸島管理官事務所の竹下です。

暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。

7月上旬、梅雨の合間を縫って三宅島へ行きました。

気づけば一ヶ月以上経ってしまいましたが、巡視中に撮影した三宅島の景色を紹介したいと思います。

今崎海岸の海食洞

▲今崎海岸

今崎海岸は、三宅島の西側、阿古地区にある、溶岩流でできた海岸です。

写真右側の岬の下に、ぽっかりと穴が空いているのが見えるでしょうか。

長い年月の間に波が溶岩を削ってできた、アーチ状の海食洞です。

溶岩流を覆う植生とハマカンゾウ

▲溶岩流を覆う植生とハマカンゾウ

陸側へ目を向けると、溶岩流の上にたくさんのハマカンゾウが咲いていました。

こうして少しずつ、植生に覆われていくのだな、と感じます。

さて、ここでクイズです。

溶岩流でできている今崎海岸ですが、この溶岩流が実際に火口から流れ出したのは、今から何年前でしょうか?波の浸食や、植生の回復の度合いをヒントに考えてみてください。

①約20年前

②約80年前

③約400年前

答え:③約400年前

1643年(江戸時代)、今崎海岸の背後の火口で噴火が起き、大量の溶岩が流れ出して今崎海岸ができました。この時の噴火口は現在も残っていて、「コシキの穴」と呼ばれています。三宅島観光協会のホームページから写真を見ることができます。気になった方は、ぜひ検索してみてください。

【三宅島の観光情報】

三宅島観光協会

https://www.miyakejima.gr.jp/

・新型コロナウイルス感染症対策に関する情報 ※三宅島観光協会提供

新型コロナウイルス感染症に関する情報(三宅島観光協会提供)

三宅島における新型コロナウイルス感染症に関する詳しい情報はこちらをご覧ください。

https://www.miyakejima.gr.jp/info/covid-19_information/

【三宅島の自然の情報】

アカコッコからの手紙 三宅島自然ふれあいセンターアカコッコ館

http://park10.wakwak.com/~miyakejima/

【ご注意ください】

令和2年5月25日に新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が解除となりました。伊豆諸島では、自治体ごとに来島のガイドラインを掲げ、島内での感染拡大防止への協力を求めています(令和2年8月20日現在)。伊豆諸島へ旅行を計画されている方は、自治体のホームページで来島のガイドラインをよく読み、最新の情報を必ず確認してください。

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2020年08月14日清涼を求め『浄蓮の滝』へ

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

ついに長かった梅雨が明けましたね。暑い夏は四季の中で得意ではない私も、今年の長すぎる梅雨の中、この時を待ちわびていましたが、梅雨明けした途端にこの暑さ、、、外に出るとサウナの中にいるようで体に堪えますね。それでも青い空と、夏らしい雲は見ていて気持ちがいいです。

今回は、歌手石川さゆりさんの「天城越え」の歌詞に登場する、『浄蓮の滝』を紹介したいと思います。

浄蓮の滝は、静岡県伊豆市湯ヶ島にある落差25m、幅7mの「日本の滝100選」に選定された伊豆最大級の名瀑です。伊豆東部火山群の鉢窪山と丸山から1万7千年前に噴火した溶岩が本谷川に流れ込み、溶岩台地と浄蓮の滝を作りました。昨年、駐車場の目の前に展望デッキが新設され、滝壺までの急な階段を降りずデッキから滝を眺めることが出来るようになりました。

【 展望デッキ 】

滝の近くまで行くと、滝のしぶきが自然のミストシャワーのようにひんやりしていて気持ちがいいです。岩肌に見える六角形の石は柱状節理です。噴火によって流れてきた溶岩がゆっくりと冷え固まって規則正しい割れ目を作りました。この辺りが溶岩台地だということを実感できる美しい自然の芸術です。

そして、滝横の崖には、静岡県天然記念物の「ハイコモチシダ」が自生しています。九州の南部と伊豆半島のみ分布していて、国内で初めてこの場所で発見されたことから、別名「ジョウレンシダ」とも呼ばれているそうです。

【 浄蓮の滝(8月4日撮影) 】

滝の水量は、雨量で大きく変わります。先月巡視に行った際は、長梅雨の影響を受けて、水量が普段の倍以上になっていました。滝壺の目の前の展望スペースまで、小雨のような滝のしぶきが飛んできてすごい迫力でした。

【 浄蓮の滝(7月15日撮影) 】

滝の下流沿いにはわさび田があり、黄緑色の絨毯が美しいです。栽培方法の「静岡水わさび伝統栽培」は世界農業遺産に認定されています。この辺りの主要道路脇にもわさび田があり、この土地で開発された畳石式わさび田を見ることもできます。わさびは食欲増進作用や、多くのビタミンが含まれていると言われていますので、夏にピッタリの食べ物ですね。

【 渓流沿いのわさび田 】

暑い夏も滝の周辺は涼しく、滝から流れてくるひんやりと湿った空気と川のせせらぎ、わさびやシダの緑が心と体を癒やしてくれます。暑さが厳しい夏ですが、日記を読んで清涼な空気を少しでも感じてもらえたら嬉しいです。

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2020年08月11日箱根に夏到来

富士箱根伊豆国立公園 山口光子

皆さん、こんにちは。

富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。

今年の長かった梅雨が終わりましたね。そして梅雨明けと共に、暑い夏がやってきました。

7月31日、偶然ですが芦ノ湖で毎年行われる湖水祭に遭遇しました。

【屏風山と芦ノ湖に浮かぶ御供船】

箱根の夏の催事として、例年行われる湖水祭 は1263回目。

今年は小規模開催となり、通常は船の数が3隻ですが、今年は1隻での開催です。

芦ノ湖の守り神である九頭龍明神を崇めるお祭りだそうです。

箱根ビジターセンター周辺や仙石原湿原も、植物の様子が様変わりしています。

【仙石原湿原周辺】

先日まで咲いていたオカトラノオに変わり、ヌマトラノオが咲き始めました。

そこに様々な種類のチョウが乱舞していますよ。

【ビジターセンター周辺】

ビジターセンター周辺では、タマアジサイが咲き始めました。

小さなタマのようなつぼみがはじけると、アジサイらしい花が観察できます。

園芸品種のアジサイとはまた、別の趣がありますね。

タマアジサイは日本の固有種だそうです。

また、最近ビジターセンター周辺では草刈りを行いました。

この草刈り、実はただ刈るだけではありません。作業者の皆さんや各所の公園関係者が協力して、希少な植物たちを守りながら、実施されています。箱根湖尻地域にお越しの際は、ビジターセンター周辺の園地ものぞいてみてください。

引き続き、新型コロナウイルス感染症対策を継続中です。箱根がある神奈川県は、現在警戒アラートが発令中ですので、ソーシャルディスタンスを保って、公園の利用にご協力ください。

※今年度の箱根地域における環境省主催「自然に親しむ運動」イベントは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を踏まえすべて中止の運びとなりました。何卒ご了承ください。

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2020年08月03日白糸の滝と富士山

富士箱根伊豆国立公園 義高樹

皆様はじめまして。5月より沼津管理官事務所に着任しました、義高と申します。山形より富士箱根伊豆国立公園にやって参りました。着任よりはや三ヶ月。静岡の暖かな気候と、雄大な富士山のおかげでとても充実した日々を過ごしています。

私がこの度取り上げさせて頂くのは、マイナスイオンの降り注ぐ夏に涼しげなスポット、白糸の滝です。静岡県富士宮市にある白糸の滝は富士山の世界文化遺産の構成資産のひとつとなっています。

白糸の滝はその殆どが富士山の湧水であるという驚きの特徴を持っています。実は富士宮市や富士山麓エリアは湧水がとても豊富なのです。それは富士山の溶岩地層が雨水を吸収し、長い時間をかけて濾過するためです。いわば富士山が大きなスポンジとフィルターの役割を果たしているわけですね。白糸の滝はそんな富士山のメカニズムによって生み出された自然現象の一つです。実際に目にすれば、信じられないほど透き通った湧水に思わず息を飲む筈ですよ!

白糸の滝、正面

お鬢水

見ているだけで涼しい気分になってきますね。

さて、白糸の滝はその美しさから多くの人に親しまれています。しかし、美しさだけでなく、富士信仰に纏わる由緒正しい歴史も持っているのです。

富士山は霊山として古くから崇められてきました。だからこそ数々の富士信仰が発展し、浅間大社を代表とする神社などが設けられました。確かに、遠くに富士山が見えたら有り難い気持ちになりますものね。そんな富士信仰の中でも、江戸時代より一大ムーブメントを起こした富士講。白糸の滝はその修行場としても利用されました。富士講の開祖である長谷川角行をはじめ、様々な人々がこの地で修行を行い、富士山への信仰をより強固なものにしました。そんな経緯を知っていると、滝を見る目が少し変わってくると思います。

さらに近年、白糸の滝は景観や利便性といった側面で進歩がありました。静岡県が推進する無電柱化計画により、周辺地域では電線が地中に埋設され、すっきりとした青空と富士山を眺望できるようになりました。観光案内所や公衆トイレ、お店もリニューアル&バリアフリー化したことにより、美しく、多くの人にとって利用し易い園地となっています。

 

観光案内所とお土産店

新型コロナウイルスが依然として流行している昨今。白糸の滝を訪れる際は、感染予防をしっかりされた上でお楽しみ頂きますようお願いします。

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2020年07月30日富士山の麓に9年ぶりの自然現象!

富士箱根伊豆国立公園 小西 美緒

こんにちは。富士山周辺の例年の梅雨明けは7月20日前後ですが、なかなか梅雨が明けません。雨にも飽きてきたので、そろそろ青空の下に映える富士山を拝みたいです。


ただ、この大雨、長雨のお陰で富士山の麓に2011年以来9年ぶりの自然現象を見ることができました!


富士山の山梨県側には「富士五湖」と呼ばれる5つの湖の湖(山中湖、河口湖、西湖、精進湖、本栖湖)があることはご存知の方も多いと思いますが、その精進湖の近くに「幻の赤池」が出現しました!富士五湖に続く「第六の湖」とも呼ばれています。

国道139号線瀬々波橋から見下ろした赤池(7月21日撮影)

樹々の中にひっそりと現れた幻の池(上に見えているのが瀬々波橋です)(7月21日撮影)

この赤池は地下で精進湖とつながっていると言われていて、大雨が降り精進湖の水位が上昇しないと出現しません。2012年に富士五湖で仕事を始めてからずっと見てみたいと思っていたので、長雨に耐えたご褒美をいただいた気持ちです。

赤池のイメージ図

精進湖自体、かつて1万5千年ほど前にできたと言われている「せの湖」という大きな湖が噴火で流れ出た溶岩流によって3つに分断されてできた湖の一つです。そのため、西湖、精進湖、本栖湖も地下でつながっていると言われていて標高が同じです。湖の周りには火山活動の痕跡であるゴツゴツした溶岩を見ることができます。


日々過ごしていると富士五湖の自然の多くは富士山の火山活動よってつくられた、ということをつい忘れてしまいがちですが、今回の赤池の出現が思い出させてくれました。


赤池は7月中旬に出現し、少しずつ小さくなっているので、見られたらラッキーかも?

7月16日には棒(赤矢印)付近まで水があったそうです(7月21日撮影)


*池の近くに行く際に、「キャンプあかいけ(TEL:0555-87-2885)」に駐車される際には施設に一言お声がけください

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2020年07月13日梅雨の箱根植物

富士箱根伊豆国立公園 山口光子

皆さん、こんにちは。

富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。

今年の梅雨は、本当によく降りますね。箱根もかなりの雨量です。

この雨による被害が少ないと良いのですが。

なかなか巡視にもいけず、もやもやする日々が続いています。

さてそんな中、箱根パークボランティアさんたちは、新型コロナウイルス感染予防の観点から中止していた活動を一部再開しています。先日7月10日金曜日にも、ビジターセンター周辺の「自然情報収集活動」が行われていました。感染症予防の対策をしっかりと行い、皆さんそれぞれ密を避けて、自然情報を収集しています。その結果が、ビジターセンター内の一角に貼り出され、お客様たちへの情報提供となっています。

この日の成果を直接聞いて、私も思わず公園内へ観察に行ってみました。

パークボランティアさん方に、丁寧に場所を教えて頂けたので、すぐに出会うことが出来ました。

【オカトラノオとウラギンヒョウモン】

雨の止み間に、給蜜に来ていました。

どちらも珍しい植物・蝶というわけではありませんが、この季節らしい旬の生き物です。

【カキラン】

この時期に柿色の可愛らしい花をつけることから、この名が付いています。

神奈川県では絶滅危惧IB類になっているラン科の植物です。

私は初めて目にすることが出来ました。

【木性ベンチの側面が、不思議な赤色に】

こちらをよく見てみると・・・

【イオウゴケ】

通常はもう少し、硫黄が噴出するような火山帯にあるはずの地衣類です。

大涌谷という火山帯が近いので、箱根ビジターセンターでも観察できてしまったようです。

別名モンローリップ、マリリンモンローのようなセクシーな唇という名を持つ生き物です。

こちらも私は初観察でした。

パークボランティアさん方の「自然情報収集活動」のおかげで、私も簡単に季節の生き物たちに出会うことが出来ています。こういった案内は重要ですね。梅雨の季節でも、箱根ビジターセンターでは誰もが気軽に散策を楽しめる工夫がされています。近くを通った際には、是非一度立ち寄ってみてください。新しい発見があるかもしれません。

「湖尻」にある箱根ビジターセンターHP →http://hakonevc.sunnyday.jp/

今後の親しむ運動イベント情報 →http://hakonevc.sunnyday.jp/shitashimuundou.html

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