アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
地元の人が代々守る土地
2015年04月21日
富士五湖
春が遅い富士五湖でも標高が低い所から段々とソメイヨシノが散り始め、
フジザクラやミツバツツジが見頃を迎えています。
日曜日に「火入れ」を見に行って来ました。
火入れというと、箱根仙石原のススキの野焼きが有名ですが、
富士五湖地域でもいくつかの場所で行われています。
代表的なものが、自衛隊北富士演習場内の火入れです。
演習場内の大半は国立公園外ですが、一部が国立公園に含まれています。
この地域は厳しい気候と火山灰に覆われた痩せた土地のため
農耕に適さず人々は昔から厳しい生活を送ってきました。
その中で、北麓の林野がもたらす山菜、キノコ、カヤなどの林産物は
地元住民の生活に欠かすことのできないものであり、これらの土地は
地元の共有財産である入会地として大切に利用されてきました。
演習場となった今でも、昭和40年頃から林産物の育成や増産を図るために
下草を焼く火入れが地元住民によって続けられています。
約3,500人の地元住民が参加しました。
いざ点火です!
このように人間が手を入れ続けていることによって、
日本国内で減りつつある草原環境を維持し、
そこに住む貴重な動植物の生息の場を守ることにもなっています。
これからも守り続けていきたい環境です。