ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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富士箱根伊豆国立公園 沼津

195件の記事があります。

2020年09月07日『滑沢渓谷』で森林浴

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

最近は、夕暮れ時に吹く風の涼しさに少し秋を感じる日があります。とは言うものの、日中の暑さはまだまだ厳しい沼津です。

前回、夏でも涼しい「浄蓮の滝」を紹介しましたが、今回はどの季節に行っても森と清流の美しさに目を奪われ、癒し効果抜群の「滑沢渓谷」を紹介したいと思います。

滑沢渓谷は、天城峠の北側にある苔と樹木に包まれた渓谷です。谷を埋め立てた安山岩の上を流れる清流が、長い年月をかけて岩肌を削り滑らかで美しい一枚岩を作りました。渓谷沿いにはわさび田があり、スジグロシロチョウが舞っている姿を目にします。この場所は井上靖の「猟銃」のモチーフになった場所で、滑沢橋を渡ると林道の入口に井上靖文学碑があります。そして、渓谷沿いにある太郎杉歩道と林道を上流へ進んでいくと、天然記念物の樹齢推定450年の巨木「太郎杉」まで行く事ができます。(※歩道を進むと最終的に林道と合流するので、林道のみを進んでも太郎杉まで行く事ができます。)

【 滑沢渓谷 】

林道の途中には滑沢火山の噴火によって出来たバームクーヘンのような、火山性の土石流の地層を見ることが出来ます。渓谷だけでなくこの辺り一帯が溶岩台地の森だと感じられます。

【 バームクーヘンのような地層 】

林道をしばらく進むと右側に木製階段が見えてきます。階段の先にあるのが「太郎杉」です。昭和39年に静岡県の天然記念物に指定され、樹齢はおよそ450年、高さは53メートルと天城周辺では一番大きい杉です。枝ぶりも立派で、雨の多いこの場所に何百年も生き続けていると思うと感慨深いです。

【 太郎杉 】

下の写真は「竜姿(りゅうし)の滝」です。滑沢川と本谷川が合流した場所にあります。滝の左側の岩が、川に入った竜が体をひねり鼻先を滝の方へ向けているように見えるということで、この名前がついたそうです。渓谷の水の透明度を感じられ、春夏は新緑、秋は紅葉も美しい場所です。


【 竜姿の滝 】

新緑、紅葉、冬には年に数回見られる雪の滑沢渓谷も楽しむ事が出来ます。どの季節に行っても忘れられない景色が広がっています。水のせせらぎ、風の音、木漏れ日、森の空気をたくさん体に吸収し、暑い夏で少し疲れた体を森林浴で癒やして下さい。

▼静岡県伊豆市に来訪される方へのお願い

【新型コロナウイルス感染防止対策について(伊豆市)】

http://kanko.city.izu.shizuoka.jp/form1.html?c1=12&c2=2&pid=5228

▼伊豆市観光情報サイト

http://kanko.city.izu.shizuoka.jp/form1.html?pid=2511

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2020年08月14日清涼を求め『浄蓮の滝』へ

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

ついに長かった梅雨が明けましたね。暑い夏は四季の中で得意ではない私も、今年の長すぎる梅雨の中、この時を待ちわびていましたが、梅雨明けした途端にこの暑さ、、、外に出るとサウナの中にいるようで体に堪えますね。それでも青い空と、夏らしい雲は見ていて気持ちがいいです。

今回は、歌手石川さゆりさんの「天城越え」の歌詞に登場する、『浄蓮の滝』を紹介したいと思います。

浄蓮の滝は、静岡県伊豆市湯ヶ島にある落差25m、幅7mの「日本の滝100選」に選定された伊豆最大級の名瀑です。伊豆東部火山群の鉢窪山と丸山から1万7千年前に噴火した溶岩が本谷川に流れ込み、溶岩台地と浄蓮の滝を作りました。昨年、駐車場の目の前に展望デッキが新設され、滝壺までの急な階段を降りずデッキから滝を眺めることが出来るようになりました。

【 展望デッキ 】

滝の近くまで行くと、滝のしぶきが自然のミストシャワーのようにひんやりしていて気持ちがいいです。岩肌に見える六角形の石は柱状節理です。噴火によって流れてきた溶岩がゆっくりと冷え固まって規則正しい割れ目を作りました。この辺りが溶岩台地だということを実感できる美しい自然の芸術です。

そして、滝横の崖には、静岡県天然記念物の「ハイコモチシダ」が自生しています。九州の南部と伊豆半島のみ分布していて、国内で初めてこの場所で発見されたことから、別名「ジョウレンシダ」とも呼ばれているそうです。

【 浄蓮の滝(8月4日撮影) 】

滝の水量は、雨量で大きく変わります。先月巡視に行った際は、長梅雨の影響を受けて、水量が普段の倍以上になっていました。滝壺の目の前の展望スペースまで、小雨のような滝のしぶきが飛んできてすごい迫力でした。

【 浄蓮の滝(7月15日撮影) 】

滝の下流沿いにはわさび田があり、黄緑色の絨毯が美しいです。栽培方法の「静岡水わさび伝統栽培」は世界農業遺産に認定されています。この辺りの主要道路脇にもわさび田があり、この土地で開発された畳石式わさび田を見ることもできます。わさびは食欲増進作用や、多くのビタミンが含まれていると言われていますので、夏にピッタリの食べ物ですね。

【 渓流沿いのわさび田 】

暑い夏も滝の周辺は涼しく、滝から流れてくるひんやりと湿った空気と川のせせらぎ、わさびやシダの緑が心と体を癒やしてくれます。暑さが厳しい夏ですが、日記を読んで清涼な空気を少しでも感じてもらえたら嬉しいです。

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2020年08月03日白糸の滝と富士山

富士箱根伊豆国立公園 義高樹

皆様はじめまして。5月より沼津管理官事務所に着任しました、義高と申します。山形より富士箱根伊豆国立公園にやって参りました。着任よりはや三ヶ月。静岡の暖かな気候と、雄大な富士山のおかげでとても充実した日々を過ごしています。

私がこの度取り上げさせて頂くのは、マイナスイオンの降り注ぐ夏に涼しげなスポット、白糸の滝です。静岡県富士宮市にある白糸の滝は富士山の世界文化遺産の構成資産のひとつとなっています。

白糸の滝はその殆どが富士山の湧水であるという驚きの特徴を持っています。実は富士宮市や富士山麓エリアは湧水がとても豊富なのです。それは富士山の溶岩地層が雨水を吸収し、長い時間をかけて濾過するためです。いわば富士山が大きなスポンジとフィルターの役割を果たしているわけですね。白糸の滝はそんな富士山のメカニズムによって生み出された自然現象の一つです。実際に目にすれば、信じられないほど透き通った湧水に思わず息を飲む筈ですよ!

白糸の滝、正面

お鬢水

見ているだけで涼しい気分になってきますね。

さて、白糸の滝はその美しさから多くの人に親しまれています。しかし、美しさだけでなく、富士信仰に纏わる由緒正しい歴史も持っているのです。

富士山は霊山として古くから崇められてきました。だからこそ数々の富士信仰が発展し、浅間大社を代表とする神社などが設けられました。確かに、遠くに富士山が見えたら有り難い気持ちになりますものね。そんな富士信仰の中でも、江戸時代より一大ムーブメントを起こした富士講。白糸の滝はその修行場としても利用されました。富士講の開祖である長谷川角行をはじめ、様々な人々がこの地で修行を行い、富士山への信仰をより強固なものにしました。そんな経緯を知っていると、滝を見る目が少し変わってくると思います。

さらに近年、白糸の滝は景観や利便性といった側面で進歩がありました。静岡県が推進する無電柱化計画により、周辺地域では電線が地中に埋設され、すっきりとした青空と富士山を眺望できるようになりました。観光案内所や公衆トイレ、お店もリニューアル&バリアフリー化したことにより、美しく、多くの人にとって利用し易い園地となっています。

 

観光案内所とお土産店

新型コロナウイルスが依然として流行している昨今。白糸の滝を訪れる際は、感染予防をしっかりされた上でお楽しみ頂きますようお願いします。

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2020年07月03日森に住む『モリアオガエル』の産卵

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

最近、近所の田んぼの周辺では小さな二ホンアマガエルをよく見かけます。小さな体で元気よく跳ねています。7月に入りそろそろ梅雨明けでしょうか。暑い夏が始まりますね。

今回は、ニホンアマガエルではなく、猫越(ねっこ)岳山頂の池で見つけた『モリアオガエル』の産卵を紹介したいと思います。

猫越岳山頂の池は、伊豆山稜線歩道沿いの仁科峠から天城峠へ向かった途中にある池です。

池の近くまで行くと、聞きなれない音(声)が聞こえてきました。

猫が喉を鳴らす音のような、、、さまざまな音階のコロコロコロ、、、コロコロコロ、、、普段聞いたことのない音、モリアオガエルの鳴き声です。一般的なカエルの合唱とは違い何とも不思議な大合唱です。

しばらく聞いていると、急に静まり返り、指揮者が指揮棒を振ったかのように再び大合唱が始まります。どんなタイミングで鳴いているのでしょうか。しばらく聞き入ってしまいました。

おもに森林に生息するモリアオガエルですが、産卵の時期(4月~7月)は水辺に集まってきます。成体の体長はオスが4㎝~6㎝、メスは6㎝~8㎝で、メスはとても大きいです。夜行性なので、昼間はあまり活動していませんが、鳴き声の先にオスのモリアオガエルの姿を確認出来るかもしれません。

【 モリアオガエル 】

皆さんはカエルの卵というと、田んぼの水の中にあるカエルの卵を想像するのではないでしょうか。ほとんどのカエルが水中で産卵しますが、モリアオガエルは水面の上にせり出した木の枝や、草の上などで産卵します。写真の樹上にある白い繭のようなものが卵塊です。

【 樹上のモリアオガエルの卵 】

樹上の卵はオタマジャクシを狙う鳥や動物から身を守るためと言われています。また産卵の時期は梅雨で雨が多いため、水のない樹上でも卵塊の乾燥を防ぐことが出来ます。卵塊の中で孵化したオタマジャクシは、水面に落下し1ヶ月程でカエルの姿に成長し森へ帰っていきます。

卵塊の位置を見て分かる通り、何メートルも木登りをして産卵しています。1枚目のモリアオガエル写真の長い脚と大きな手の吸盤を見るとなんだか納得出来ます。


【 モリアオガエルの卵 】

上の卵塊の写真は、伊豆半島の別の場所で撮影したものですが、水辺のない場所に産卵していて近くで撮影することが出来ました。もしかすると、産卵時は卵塊の下に水たまりがあったのかもしれません。触ってみると粘着質で弾力のあるメレンゲのような泡でした。

モリアオガエルはどうやって水辺の上にある枝を選んでいるのでしょうか?カエルは動くものを捕らえる能力が高いので、風に波立つ水面の動きを見て、水辺の上だと判断していたとしたら面白いですね。想像が膨らみます。

突然ですがここで、『モリアオガエルを探せ!!』です。下の写真の中にモリアオガエルがいます。どこにいるでしょうか?

【 モリアオガエルを探せ!! 】※クリックすると写真が大きくなります。

ヒント、真ん中の辺り、、、目を凝らしてよく見て下さい!!

見つけられましたか?

【 枝の上のモリアオガエル 】

正解は、写真中央の枝のくぼみにいました。かわいいです。

雨の多いこの時期に出会えるモリアオガエルは不思議がいっぱいでした。

この日は日中でしたが、池の上の枝で産卵を始めたペアがいて、近づく事は出来ないので遠くから少し観察させてもらいました。モリアオガエルは一度の産卵で300~600個ほどの卵を産むと言われています。たくさんのモリアオガエルが無事に森に帰れることを願いたいです。

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2020年06月17日城ケ崎海岸の『奇石』

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

沼津では梅雨入りしてジメジメした日が続いています。梅雨の蒸し暑さは得意ではないですが、この時期に見かける紫陽花はとても好きな花なので、巡視の途中で見かけるようになった紫陽花を楽しみながら梅雨を乗り切ろうと思っています。

今回は、静岡県伊東市の城ヶ崎海岸にある奇石を3つ紹介したいと思います。

城ヶ崎海岸は、およそ4000年前の大室山の噴火によって流れ出した溶岩が、海水で冷え固まりできた全長約9㎞にわたる溶岩岩石海岸です。

海岸沿いには、ハイキングコースが整備されていて、季節の花や、つり橋、灯台など見どころ満載なのですが、そちらはまた後日紹介したいと思います。

まず一つ目は「いがいが根」です。名前の通りいがいがした岩が続く岬です。見た目はテーブル状で歩きやすそうですが、実際歩いてみると足の裏に岩がチクチク刺さるような感じです。この岩はクリンカーと呼ばれ、噴火で先に流れた溶岩が冷えて固まり、その固まった溶岩の表面の殻が熱い溶岩におされバラバラに砕かれ出来るそうです。

溶岩が流れ出し、冷えては砕かれながらこの場所が出来たことを想像すると、4000年前の伊豆半島の成り立ちに少し触れられた気持ちになりました。

【 いがいが根 】

次は「ポットホール」です。ポットホール自体は他にも見られる場所がありますが、城ヶ崎海岸のポットホールの中には大きな球体の岩が残っています。

ポットホールとは、岸壁の亀裂に入った岩が、打ち寄せる波によって転がり、周りの岩が削られ円形の穴になります。城ヶ崎海岸のポットホールの中の岩は、とっても美しい球体で、自然と波が作り出した奇石(奇跡)です。

【 かんのん浜のポットホール 】

※ポットホールは波打ち際の崖の下にあり遊歩道などがありません。見学の際はガイドツアー等、安全な方法で見学してください。

▼伊豆半島ジオガイド協会

https://www.izugeoguide.org/model.html

最後は「柱状節理」です。城ヶ崎海岸沿いの遊歩道を歩いていると、断崖に見事な柱状節理を多く見かけますが、大淀・小淀と呼ばれるこの場所は、柱状節理の頭の部分です。

階段で海岸に降りると、亀甲模様の磯が見えてきて、その上を歩くことが出来ます。この場所にはいくつか汐溜りがあり、天然の海水プールとして親しまれているようです。

【大淀・小淀】

紹介した以外にも、「俎(まないた)岩」や、「クジラ岩」、他にも面白い形に見える岩があるので、巡視の際に何か見つけたらまたご紹介したいと思います。


【 城ヶ崎海岸の断崖 】

海岸にある岩からたくさんの歴史を知ることが出来ました。いつも行く身近な場所も見方を変えると、その場所の様々な歴史を知ることが出来るかもしれません。

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2020年05月20日富士山は何色?

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

沼津では連日夏日が続いています。先日、日の出直後に外に出ると冷たく澄んだ空気に包まれ、初夏の朝の空気を感じました。季節はいつの間にか夏に向かっていますね。

さて突然ですが、皆さんは山の絵を描くとき何色で書きますか?新緑の緑、紅葉の赤や黄色を使う方もいると思います。では、富士山はどうですか?青色で描く人が多いのではないでしょうか。

富士山富士宮口五合目から富士山を見てみましょう。

【 富士山富士宮口五合目からの富士山 】

少しも青くないですね。富士山は約1万年前に100回以上の噴火を繰り返して、今の富士山の形になったと言われています。登山道も、それ以外の場所も火山噴出物の一種である黒いスコリア(細かい穴の空いた軽石)に覆われています。ですから五合目から山頂を見上げると見渡す限り黒い山です。とは言っても、富士山の五合目より上にまったく植物がないわけではありません。写真を見ても分かる通り植物は生息していますが、山肌を緑に染めるほどの植物や木はありません。

では、富士山からの直線距離が約50キロ以上離れた恋人岬、達磨山から見た富士山はどうでしょうか?

【 達磨山から積雪前の富士山 】

【 恋人岬から積雪後の富士山 】

 

どちらの写真も青く見えますね。

同じ富士山を見ているのに、黒色に見えたり、青色に見えたり、なぜこのような現象が起きるのでしょうか?秘密は距離にあるようです。

富士山と自分との距離が離れることで、その間にはたくさんの空気が存在していることになります。

空気中には、水蒸気やチリなどの粒子がたくさん含まれています。太陽光は、青く見える波長の短いものから、赤く見える波長の長いものが混じりあっていますが、この中の波長の短い光は、空気中の粒子とぶつかりやすく、ぶつかることで光が四方八方へ屈折する特徴があります。

これにより、空気中の粒子にぶつかった波長の短い光が散乱し空いっぱいに広がることで、自分と富士山との間に青色のカーテンのようなものが見えているのです。

今の時期の富士山は、まだ山頂付近が雪深く真っ白な富士山です。夏の朝日に照らされた「赤富士」、真冬の朝夕に白い山肌に光が照らされて紅色に染まる「紅富士」など、季節や時間、天気によって、さまざまな色の富士山を見る事が出来ます。雲のかかり方によっても色んな顔を見せてくれるので、ぜひ色々な場所から富士山を眺めて比べてみて下さい。皆さんのお気に入りの富士山が見つかるはずです。

【 田貫湖から逆さ富士 】

現在、田貫湖ふれあい自然塾は新型コロナウイルスの感染拡大防止の為、施設の休館をしております。イベントを楽しみにされていた方もたくさんいらっしゃると思いますが、安心して遊べる環境が整うまでもうしばらくお待ちください。詳しくは田貫湖ふれあい自然塾HPにてご確認下さい。

▼田貫湖ふれあい自然塾

http://www.tanuki-ko.gr.jp/

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2020年04月21日伊豆山稜線歩道に咲く『マメザクラ』

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。 沼津管理官事務所の山田です。

すっかり春ですね。少し前まで事務所の屋根のほうから聞こえていた鳥の雛の声も聞こえなくなり、無事に巣立ったようです。いい季節になりお出掛けしたいですが、もうしばらく我慢の日々が続きそうですね。沼津管理官事務所も先週からテレワークが始まり、交代で出勤、巡視は観光地以外の場所で行っています。初めてのことで慣れない事も多いですが、今は出来ることをやっていこうと努めています。

外出自粛で、今年はお花見ができなかった方が多いと思いますので、沼津管内でも見頃を迎えている「マメザクラ」を紹介したいと思います。暗い気持ちになりがちですが、枝一面に咲く桜を見て少しでも気持ちが晴れたら嬉しいです。そして来年のお出掛けの参考にしていただければと思います。

【 富士山とマメザクラ(金冠山山頂)】

伊豆半島の桜の開花は、以前日記で少し紹介しましたが、年明けすぐ始まります。

まず、日本で一番早く咲くといわれてる「土肥桜」から始まり、「河津桜」、「城ケ崎桜」などなど、次々に開花していきます。そして、ソメイヨシノが葉桜になった頃に、「マメザクラ」が開花します。

【 マメザクラの花とつぼみ 】

マメザクラは、名前の通り、他の桜に比べると樹高が低く、花弁も小さい桜です。花全体でも1㎝から2㎝くらいの大きさです。伊豆半島、富士山周辺や、箱根付近に多く自生していて、別名、「フジザクラ」や「ハコネザクラ」と呼ばれています。他の桜より非常に寒さに強いと言われています。雪深い、富士山麓や箱根に自生している理由が分かります。小ぶりの木に白い花を下向きに咲かせる姿は、雪が積もった木や、霧氷のようで、とても可憐で美しいです。「マメザクラ」の花言葉は、優れた美人だそうです。思わず目を奪われる姿に納得の花言葉です。


【 雪が積もった木のように見えるマメザクラ 】

      

そして、沼津管理官事務所と同じ富士箱根伊豆国立公園管内にある、伊豆諸島管理官事務所の竹下アクティブレンジャーが先日公開したで、『オオシマザクラ満開』の便りが届きました。まさに伊豆山稜線歩道でもマメザクラの木の隣で、オオシマザクラが満開を迎えていました。

以前も伊豆半島にある伊豆山稜線歩道と、海を隔てた伊豆大島で、同じ時期に同じ花が開花してすごく近くに感じましたが、今回も同じ管内の別の場所で、管内の仲間が同じ花を見ていると思うと、なんだかとても元気になり、私もがんばろう!という気持ちになりました。

【 伊豆山稜線歩道でも満開のオオシマザクラ 】

先が見えず不安な気持ちになることがありますが、一日も早く新型コロナウイルスが終息することを祈っています。そして、出来る範囲の中で、沼津管内の様子をお知らせしていきたいと思います。

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2020年03月13日期間限定!!黒い『大室山』

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

もう3月ですね。沼津管理官事務所に来て1年が過ぎようとしています。

今日は先日紹介した『小室山』に引き続き、旬な話題が豊富な『大室山』を紹介したいと思います。

大室山は静岡県伊東市にある標高580mの火山で、およそ4000年前の噴火によって作られた伊豆東部火山群の中で最も大きいスコリア丘です。山全体が国の天然記念物に指定されていて、山体を守るため、登山は禁止されており、山頂に行くにはリフトを使用します。

この景観を守るため、毎年2月の第2日曜日に行われている(今年は天候不良により3回延期され、2月24日に実施されました)伝統行事「大室山山焼き」が、先日催されました。この行事は700年以上の歴史があり、麓に点火された炎が勢いよく山頂に駆け上がり、山をまるごと焼き上げる光景は圧巻です。毎年この時期になると全国から多くの見物客が訪れて賑わいます。山焼きの後は、冬の枯草色の山体が、真っ黒になります。真っ黒の山体が見られるのはこの時期限定です。下の写真を比べると分かりますが、約2ヶ月後には新緑が山を覆い始めます。

【 山焼き後の大室山(3月9日撮影) 】  山焼きから約2ヶ月後  → 【 昨年の418日撮影 】

山頂の噴火口を周回する約1㎞30分程の遊歩道は、周りに遮る物もなく、まるで空に続く道のようです。遊歩道からは、火山が作った伊東の大地、真っ青な相模灘、伊豆七島、房総半島、そして富士山と360°の大パノラマを楽しめます。大室山山頂は"富士山がある風景100"に選定された場所の一つにもなっています。

火口跡へ続く遊歩道の中腹には「浅間神社」があります。全国各地にある浅間神社と、総本宮「富士山本宮浅間大社」のご祭神は、木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)です。しかし、ここ大室山浅間神社のご祭神だけは、姉の磐長姫命(いわながひめのみこと)なのです。なぜ大室山のご祭神が他の浅間神社と異なるのか、それには悲しい神話がありました。

この姉妹はとても仲の良い姉妹でしたが、ある日、若い男の神様、瓊々杵尊(ににぎのみこと)が、容姿の美しい木花咲耶姫に一目惚れして姉妹の父親に結婚を願い出たそうです。父親は、姉妹2人一緒なら許すと、容姿の醜い磐長姫と一緒に嫁がせることになりました。ところが、瓊々杵尊は木花咲耶姫ばかり溺愛し、磐長姫は子を身籠もったものの、父親のもとへ返されてしまったそうです。磐長姫は嫉妬から、木花咲耶姫に恨みをもってしまったとか。

とても仲が良かった姉妹が恨み合うことになり、今も磐長姫(大室山)と木花咲耶姫 (富士山)は、にらみ合っていると言われています。そんな神話からか、大室山から富士山が美しく見えても褒めてはいけないという言い伝えが残っています。ちなみに、この神社は、安産、縁結び、不老長寿などのご利益があるそうです。


【 山頂遊歩道の様子 】

そして、先日発表されました、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」(第6版)では、大室山が1つ星を獲得しました!!覆面調査員が現地を訪れ、9つの選定基準を評価して選定されるそうです。その結果、豊かな自然や多彩な文化遺産に触れることが出来る場所として評価され紹介されています。この本を通して、たくさんの国の人が、お椀を伏せたような不思議な形をしている大室山を知るきっかけになってくれたら嬉しいです。

四季によって、山体の色を変える大室山は、どの季節に訪れてもその存在感に圧倒されるはずです。

【 満開の城ヶ崎桜と大室山 】

隣接するさくらの里では、40種類、3000本の桜がほぼ1年中(9月~5)咲いていると言われています。桜と大室山の共演を楽しめます。現在は城ヶ崎桜が満開になっていました。今月開催予定の夜桜鑑賞会は、伊東市の新型コロナウイルス感染症に係わるイベント等の開催指針に則り、残念ながら中止になりました。1日も早く終息することを願うばかりです。季節が進み、種類の違う桜の開花が楽しみです。

▼伊東市観光情報 

https://itospa.com/spot/detail_54003.html

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2020年02月27日噴火で出来た『小室山』の絶景

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

暖かい冬で過ごしやすいですね。家の庭先で春の花が次々と咲き始め、庭が明るくなりうれしい反面、日本ならではの四季の変化が崩れているようで複雑な気持ちになる今日この頃です。既に花粉もかなり飛散しているようなので、今年は長期間苦しみそうな予感です。

今日は先日巡視に行った『小室山』を紹介したいと思います。

小室山は静岡県伊東市にある、およそ1万5000年前の噴火によって作られた伊豆東部火山群に属する標高321mの火山です。お椀をひっくり返したような円すい状の形をしていて、スコリアと呼ばれる穴のあいたごつごつした軽石がつもって出来たスコリア丘です。標高の低い山なのに絶景なんて?と思われる方がいるかもしれませんが、侮るなかれ、中腹から山頂にかけてすばらしい景色が広がっています。山頂は"富士山がある風景100選"に選定された場所の一つです。

【 梅と小室山 】

小室山の山頂に行くには、リフトを使用するか、歩いて登るか選べます。リフトは一人乗り用ですが、小型犬(10㎏未満)は一緒に乗車することが出来ます。

歩いて登る場合は、歩道の途中に恐竜の遊具がある恐竜広場と、言葉通り展望がすばらしい展望広場を通りながら山頂まで30分程度で登ることが出来ます。展望広場はとても広く遊具のほかにも休憩スペースやベンチなどもありますので、お弁当を持参して訪れるのもおすすめです。巡視の際は見ごろを終えた早咲きの桜の花びらが風に舞っていました。この桜は1月の下旬頃咲き始めるので、新年早々、広場でお花見も楽しめそうです。

展望広場の眼下には相模灘が広がり、正面には伊豆大島、南西には三宅島をはじめとした伊豆七島を望むことが出来ます。真っ青な海に浮かぶ伊豆の島々を前に、つい時間を忘れてカメラのシャッターを切ってしまいました。

【 展望広場から見える伊豆大島 】

山頂には眺望デッキがあり、デッキの先端まで行くと目の前には見渡す限り海が広がっています。北に富士山や伊東の街を望め、少し東に目を向けると房総半島まで見渡すことが出来ます。写真では雲がかかっていて分かりにくいですが、肉眼では丹沢山地や箱根山を確認出来ました。また、南には小室山と同じスコリア丘の大室山や、天城山(万二郎岳)を眺められ360度自然の大パノラマに囲まれています。また、火山の歴史を知る、火山灰の地層のはぎ取り標本がリフト乗り場横に展示してあり、伊豆東部火山群4万年間の歴史に触れることが出来ます。


【 眺望デッキから見える相模灘 】


【 山頂から見える北東方面の眺望 】

麓のつばき園では、現在見ごろを迎えている1000種類ほどのつばきを楽しむことが出来ます。4月の下旬には、つつじ園で10万本のつつじが咲きほこり一面を真っ赤に彩ります。春の小室山には感動がいっぱいです。

▼伊東市観光情報 

https://itospa.com/spot/detail_54008.html

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2020年02月04日長者ヶ岳・田貫湖で富士山撮影!

富士箱根伊豆国立公園 松岡宏明

皆さまこんにちは!

まだまだ寒いですが、2月になってだんだんと日も長くなってきましたね。

沼津管理官事務所の松岡宏明でございます。

 先日の1月31日(金)に長者ヶ岳と天子ヶ岳を巡視してきました。長者ヶ岳と天子ヶ岳は、富士山の西側に位置していて、富士山を目の前に見ることが出来る場所です。また、田貫湖が近いことから「富士山と湖」という良い構図の写真を撮れるスポットです。今回は長者ヶ岳と田貫湖で撮影した写真を紹介しつつ、その魅力をPRしたいと思います!

 早速ですが、長者ヶ岳山頂へ至る登山道途中の休憩スペースと山頂から撮影した写真が下の2枚です。

▲登山道途中の休憩スペースから撮影した富士山と田貫湖(手前の湖)

▲長者ヶ岳山頂から撮影した富士山と田貫湖(手前の湖)

 今の時期は空気が澄んでいて、富士山の輪郭がくっきりと見える日が比較的多いので、撮影をしに行くなら、オススメの時期です。山を登って眼前に富士山が見える風景は圧巻で、いつもその風景に癒されています。普段の巡視でこのような風景に出会えるので、綺麗な富士山を現場でみると沼津管理官事務所で働けてよかったー!と心から思えます。

▲長者ヶ岳山頂付近の残雪状況(131日撮影)

 また、今の時期に気になるのは残雪状況だと思います。1月31日の段階では、雪は山頂付近や中腹の日陰の部分に少しあるぐらいで、登るのは難しくありませんでした。

 登るのは難しくないとはいえ、下山は用心が必要です。午前中に気温が上がり、雪が融けて冷たい空気に晒されれば、夕方から早朝にかけてはその部分が凍ってツルツルと滑ります。雪道に慣れていない方や心配な方はチェーンスパイクや軽アイゼンを持っておくと、転倒などの事故を防げると思います。自然の中に入ることは非常に楽しいことですが、常にリスクも伴っていることを認識して、より良い時間を過ごしてくださいね!

 加えて、田貫湖畔の展望デッキから見える富士山も非常に綺麗だったので、それも載せておこうと思います。

▲田貫湖展望デッキからの富士山

 この展望デッキは、田貫湖の南側にあり、富士山の有名な撮影スポットになっています。4月下旬か8月中旬ごろには、「ダブルダイヤモンド富士」(富士山頂から昇る朝日が光輝く様子が湖面にも映し出されることから、ダブルダイヤモンド富士と呼ばれている)が見られるので、その時期もオススメです。

 なお、撮影するために展望デッキ上に三脚等を放置し、場所取りをするような人も見受けられます。このような行為は他の方の迷惑になりますので、ご遠慮いただくようにお願いします。

 最後に、長者ヶ岳や田貫湖は富士山を撮影するには非常にいいスポットで、これらは「富士山がある風景100選」(http://kanto.env.go.jp/to_2017/post_94.html)に選定されている場所になります。他にも様々な場所が上記のWebサイトで紹介されているので、気になる方はチェックしてみるといいかもしれません!

皆さんが素敵な富士山の写真が撮れることを願っています!

沼津管理官事務所 松岡宏明(まつおか・ひろあき)

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