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アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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南アルプス国立公園 南アルプス

137件の記事があります。

2020年07月07日北岳へ防鹿柵の設置確認に行ってきました

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

6月下旬に北岳に設置されている防鹿柵の現場確認に行ってきました。

北岳では草すべりや右俣にて、ニホンジカの採食圧の影響が見られ、早急に保全を図らなければ植生が衰退する恐れがあるとされています。その中でも草すべりや二俣登山道沿いの斜面に広がるお花畑は北岳の重要な景観を構成している場所です。お花畑の保護を図るため、平成23年度より防鹿柵を設置しています。¨この防鹿柵、見たことがある!¨という方も多いのではないでしょうか。

△草すべりにある防鹿柵

防鹿柵の中ではシナノキンバイやキバナノコマノツメなどが咲き、つぼみの株もありました。私はニホンジカの被害を受けている北岳のお花畑しか知らず、それでも¨お花がたくさんある¨という印象ですが、昔から登られている方の多くが「ここにはもっとお花があったんだよ」と教えてくださいます。柵を設置すればすぐにお花が戻るというわけではないですが、私も当時の素晴らしいお花畑を見てみたいです。

写真の通り、今回の行程では青空は一度も出ることはなく、雨が降りずっとガスで真っ白でした。足元や目先を見てみると、ミネザクラが咲いていたり、初夏を漂わせるタカネグンナイフウロが咲いていました。

△ミネザクラ

△タカネグンナイフウロ

他にもゴゼンタチバナやショウジョウバカマなど、この時期らしい高山植物が元気に咲いていました。

例年ですとこの時期はたくさんの登山者で賑わいますが、今年は山小屋休業や公共交通機関の運休によって登山者がいない静かな北岳でした。その一方で、樹皮剥ぎや登山道脇の斜面や雪渓にはニホンジカの足跡があったりと、ニホンジカの動きは活発なようです。南アルプスが誇る高山植物を守るため、防鹿柵の設置などの対策に今年も積極的に取り組みたいと思います。南アルプスへの入山ができるようになりましたら、皆さんにも南アルプスの高山植物を楽しんでいただきたいと思います。

なお、令和2年度は、北岳は閉山状態となることが決まりましたので、ご注意ください。先日、山梨県および南アルプス市、早川町から登山道の利用禁止やマイカー規制を行わず通行止めとすること等関する情報が発表されました。詳しくは下記URLをご覧ください。

山梨県HPhttps://www.pref.yamanashi.jp/kankou-sgn/50915161945.html

南アルプス市HPhttps://www.city.minami-alps.yamanashi.jp/docs/8468.html

早川町HPhttps://www.town.hayakawa.yamanashi.jp/tour/traffic-info/regulation.html

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2020年07月02日仙丈ヶ岳 馬の背で防鹿柵立ち上げ作業

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

6月下旬に仙丈ヶ岳の馬の背周辺にて防鹿柵立ち上げ作業を行いました。南アルプス国立公園の中でも仙丈ヶ岳の馬の背はお花畑が広がる場所でしたが、ニホンジカによる植生の衰退や踏圧による裸地化が進んでしまいました。このことから、南アルプス自然保護官事務所では、平成20年度から防鹿柵を設置しています。

前日は大雨。作業ができるかどうか不安に駆られましたが、当日はどんより曇り空スタート。今回は同じ馬の背に防鹿柵を設置している南アルプス食害対策協議会のみなさんと一緒に登りました。馬の背までのルートは大平山荘より藪沢経由で登ります。どんどん標高をあげていくと、、、

雪!雪渓です。もう7月になるというのに雪に出会えました。下界ではもう夏のような暑さですが、時折風が吹き、雪渓の上は涼しさを感じました。

雪だー!と喜んでいるのもつかの間。雪渓のあちこちにニホンジカの足跡がしっかりありました。

6月上旬にこの藪沢を通過し、馬の背周辺を訪れているニホンジカの足跡でしょうか。今回の行程ではニホンジカの姿を見ることはできませんでしたが、雪が多く残るこの時期でも高標高まで登ってきているということを再認識しました。

防鹿柵の設置現場に到着し、作業開始。


仙丈ヶ岳に設置している防鹿柵は夏季(初夏から晩秋のみ)に設置する季節型の防鹿柵です。お馴染みの杭にポールを差し込み、ネットをくくりかける作業です。前回の三伏峠の作業時はポールの高い部分に手が届かず、作業への貢献ができずじまいだったわたしですが、今回は手が届いたので、一生懸命頑張りました!(おかげで腕が筋肉痛になりました)

△シナノキンバイ

△ヒメイチゲ

防鹿柵の中にはシナノキンバイやヒメイチゲ、キバナノコマノツメが咲いていました。一時は部分的に裸地化し、高山植物があまり咲いていない状態でしたが、防鹿柵設置後は種数が増え、現在は植物の高さが回復してきています。環境省が馬の背に防鹿柵を設置してから12年ほど経ちますが、驚くほどの変化は見られずとも、少しずつ変化を感じられるようになっています。「花の仙丈」の愛称で多くの方に親しまれている仙丈ヶ岳。いつの日かその愛称の通り、高山植物が咲き乱れる仙丈ヶ岳に戻るといいですね。

どんより雲り空で始まった今回の防鹿柵立ち上げ作業ですが、下山時には青空が広がり、栗沢山を見ることができました!

このあと、栗沢山にはガスがかかってしまいましたが、ほんの一瞬、山からご褒美をもらった気持ちになりました♪

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2020年06月25日三伏峠で植生復元活動

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

先日、静岡県と南アルプス高山植物ボランティアネットワークが中心となり、ボランティアの方々と行っている三伏峠の植生復元活動に参加しました。19日に都道府県をまたぐ移動が緩和されたとはいえ、直近2週間不要な外出をしない、体温測定を行い、体調管理を行う、当活動には5年以上の参加歴があり登山道を把握している等の制約をクリアされている方のみの参加となりました。

今回の主な作業は夏季(初夏から晩秋のみ)に設置する季節型の防鹿柵の立ち上げと常設されている金属製柵のメンテナンスです。(各柵の説明についてはこちら

防鹿柵設置の作業は時折、防鹿柵の中に入っての作業になります。

植生に大きな踏圧がかからないようにするために、登山靴から地下足袋に履き替えます。

参加されたボランティアの方々はベテランさんばかり。



ポールを支柱に差し込み、ネットをかけるという作業を行いました。すごく簡単そうに思われるかと思いますが、ポールにネットをかける作業はなかなか大変なのです。防鹿柵の高さが1.8メートルほどあり、背の低い私はなかなか手が届かず・・・。経験豊富なボランティアの方々によってあっという間に柵の立ち上げ及び補修が行われました!来年は手が届くように身長を伸ばせるように頑張ります。

作業中は青空が一瞬見えたり、一面霧になったり。なかなか安定しない天候ではありましたが、防鹿柵の中にはシナノキンバイやサンカヨウ、ミヤマクロユリなどが咲いていました。

△シナノキンバイ

△サンカヨウ

三伏峠はシカの食圧により、一時は草原化したものの、平成19年、20年、24年に設置した防鹿柵の成果もあり、緑の濃さや植物の高さなど、徐々に植生が復元しています。

△ミヤマクロユリ

中でも、ミヤマクロユリの株数は設置当時に比べてかなり多くなっているようです。自然のバランスは1度崩れてしまうと、元の状態に回復するのには長い時間が必要になります。時間はかかってしまっても、徐々に植生が回復しているようすを見ると、防鹿柵の設置、撤去の地道な作業もやり甲斐を感じます。いつの日か、ニホンジカの食害を受ける前のお花畑が戻ってきてくれることを祈りながら、今後の植生復元活動に取り組んでいこうと思います。

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2020年06月18日静かな北沢峠での出会い

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

6月上旬に長野県伊那市を経由で北沢峠周辺の現地確認に行ってきました。下界は30度前後でとても暑かったようですが、標高2,000mほどある北沢峠はなんと16度!とても快適でした。

林道を車で走っていると、ある動物に出会いました。

立ち止まってこっちを見ている子

こちらに気づいて一生懸命逃げている子

人がいても逃げることなく、毛づくろいをしている子

多くの方がなんの動物なのかお分かりかと思いますが、ニホンジカです。今年は積雪量が少なく、林道バスが運休していて人の出入りがないことから、ニホンジカにとっては楽園のような状態になっています。ニホンジカ対策に取り組んでいる関係機関のデータによると、6月上旬くらいに仙丈ヶ岳の標高2,500m地点のあたりまで登っている個体がいるようです。6月下旬に仙丈ヶ岳の防鹿柵の立上げ作業を行いますが、高山植物が食害に遭っていないことを心から祈ります。

今回はニホンジカとの遭遇が多かったですが、他にもこんなステキな出会いがありました。

【コミヤマカタバミ】

コミヤマカタバミは花びらに脈が帯び、人間の血管のように見えます。小葉は夜になると閉じて、睡眠運動をします。花びらに人間のような血管模様があって睡眠運動する。・・・勝手に親近感を感じています。ちょこんと足元に咲いていることが多いので、踏んでしまわないように気を付けなければなりません。

【ザゼンソウ】

ザゼンソウと聞くと、尾瀬などの湿原で見られるイメージがあり、南アルプスでは見ることができないだろうといつも諦めていたのですが、なんと!見ることができました!生まれて初めて見るザゼンソウ。感動しました。ザゼンソウは座禅を組んだ僧の姿に見えることが由来になっています。そういわれると、そう見えてきますね。

今年度の北沢峠周辺ではバスが運休、山小屋が休業になり、各市町村から入山自粛が求められています。元気に咲いている高山植物をみなさんに現地で見ていただくことができず、とても残念ですが、このアクティブ・レンジャー日記を通して、現地の様子をお伝えしていきたいと思っています。

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2020年06月10日塩見岳、標高改定!

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

今年1月、国土地理院が塩見岳の標高を改めました。塩見岳は長野県と静岡県にまたがっていて、南アルプスの北部と南部の真ん中に位置する山です。

塩見岳は西峰と東峰に分かれている¨双耳峰¨です。西峰の標高は3,047メートル、東峰は3,052メートル。東峰のほうが高いですが、三角点があるのは少し低い西峰。そのため、国土地理院はこれまでは西峰の3,047メートルを塩見岳の標高としていましたが、最近の調査資料を基に確認したところ、今年1月に東峰の標高3,052メートルに改められたとのことです!

参考:https://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/kihonjohochousa41189.html

この写真は西峰より東峰を撮影したものです。東峰のほうが高いということは多くの登山者に認識されているため、大体の方は東峰で記念写真を撮られます。ご覧の通り、多くの登山者で賑わっています。

ここで3,052メートルの東峰から見られる景色を紹介します!なんといっても南アルプスの北部と南部の真ん中に位置する塩見岳。天気がいい日には南アルプスオールスターの大展望が広がります!

写っているのは北部方面です。仙丈ヶ岳や間ノ岳、農鳥岳、奥には小さく甲斐駒ヶ岳も見えます。目の前に見える稜線は北岳や仙丈ヶ岳へ向かう「仙塩尾根」です。「仙塩尾根」は仙丈ヶ岳と塩見岳を結ぶ稜線で、それぞれ頭1文字をとっています。登山者が少ないルートで、南アルプスの山深さを感じられる稜線です。

こちらは南部方面です。目の前に見える大きな山は悪沢岳(東岳)、中岳、前岳の三山から成る荒川岳です。後ろに見える山は聖岳、兎岳です。この写真を見ているだけで次はどの山に行こうかな?とワクワクしちゃいます。

目の前には・・・

富士山も見えちゃいます!!!南アルプスの山々と富士山が一望できるのはなんとも贅沢です。昨年、塩見岳に登ったときは写真のように天気が良く、下山するのがもったいないくらいでした。

塩見岳は南アルプス(中央構造線エリア)ジオパークにも含まれており、展望だけでなく地質の観点からも楽しめます。山頂や天狗岩付近では赤石山脈の由来にもなっている赤色チャートや緑色岩を見ることができます。

南アルプス(中央構造線エリア)ジオパーク

→ https://minamialps-geopark.jp/

日本ジオパークネットワーク

→ https://geopark.jp/geopark/m_alps/

南アルプスの成り立ちや日本各地のジオについて知ることができます。あまり興味がない方でも見てみると新しい発見があったりと、おもしろいと思います♪

◇ ◇ ◇ 塩見岳および周辺の山へ登山計画されている方へ ◇ ◇ ◇

今年度はコロナウイルスの影響により、伊那市、大鹿村、静岡県は登山の自粛を求めています。各登山道、山小屋、および伊那バスによる鳥倉線(松川インターから鳥倉登山口)は休業・運休となっていますので、入山の計画をされている方は、ご注意ください。

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2020年06月01日#STAYHOME 6月1日は何の日?

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

みなさんにとって61日はなんの日ですか?大切な人の誕生日だったり、何かの記念日だったり。わたしにとっての61日は、『南アルプスが国立公園に指定された日』です。今日で指定から56年を迎えました!

南アルプス国立公園は1964(昭和39)年61日に北海道の知床国立公園とともに23番目の国立公園として指定されました。

南北に長い形をしており、国内高峰第2位の北岳、3位の間ノ岳をはじめ、3,000m級の山々が10座以上ある日本有数の山岳公園です。また、とても水が豊富なで大井川、天竜川、富士川の源流になっています。中部山岳国立公園は¨北アルプス¨という名称で親しまれていますが、南アルプス国立公園は¨南アルプス¨がそのまま国立公園の名称になっています。

面積は35.752ヘクタールで、日本の国立公園としては広い方ではありません。関東管内の国立公園と比較してみると、わかりやすいですね。

(クリックすると大きな画面で見られます)

南アルプスは他の山域に比べ、アクセスが長く、人の手があまり入らず開発が進まなかったことから、自然林やそれに近い状態の森林が広く残されています。

ここで、南アルプス国立公園に関わる歴史を振り返ってみたいと思います。

19502月 「南アルプス国立公園指定促進協議会」発足

山梨、長野、静岡の3県が主体となり、南アルプス地域を国立公園に指定することを目指して発足。

196461日 「南アルプス国立公園」誕生

3県が中心となって行われた度重なる現地調査や地道な関係機関との調整により、南アルプス国立公園誕生!

19763月 「大井川源流部原生自然環境保全地域」指定。

(クリックすると大きな画面で見られます)

大井川源流部の光岳周辺が原生自然環境保全地域に指定され、同時に、南アルプス国立公園の一部が国立公園区域から原生自然環境保全地域に編入される。

詳しくはこちら

199412月 「キタダケソウ生育保護区」指定

北岳の山頂直下のみに生育するキタダケソウの保護を図るため、38.5ヘクタールを生育保護区に指定。

20046月から 広河原までの区間におけるマイカー規制

安全な通行と自然環境の保全を図るため、2004年から芦安-広河原間で、2005年から奈良田-広河原間でマイカー規制を開始。マイカー規制開始はずいぶん前のことに思われがちですが、意外と最近なのです。

200810月 南アルプス自然保護官事務所開設

自然保護官事務所が開設され、専任の自然保護官が着任

20096月 「南アルプス高山植物等保全対策連絡会」発足

荒川岳東カール(標高2,920m付近)のセンサーカメラに写るニホンジカ

1998年頃からニホンジカが稜線でも見られるようになりました。高山帯を彩っていたお花畑がニホンジカによる食害や踏圧等により深刻な影響を受け、関係する15機関による広域でのニホンジカ対策の連携・情報共有の場として発足。

20106月 野呂川広河原インフォメーションセンター開設

山梨県南アルプス市芦安にある環境省直轄施設です。南アルプス北部の玄関口になっており、夏期にはたくさんの人で賑わいます。登山道情報や山好きにはたまらない古い文庫が揃っています。※今年はコロナウイルスの影響により、開館日は未定

20113月 「南アルプス国立公園ニホンジカ対策方針」策定

南アルプス高山植物等保全等対策連絡会において、主に高山植物保護を目的としたニホンジカ対策についての方針を策定。9月には環境省と農林水産省が「南アルプス国立公園生態系維持回復事業計画」というニホンジカ対策についての計画を策定。

201461日 南アルプス国立公園が指定50年を迎える

50周年記念事業として、式典や講演会、南アルプス国立公園のシンボルマークの公募などのイベントを実施しました。南アルプス国立公園のシンボルマークは缶バッチにもなっており、現在でも人気があるオリジナルグッズです。

●2014年6月 「南アルプスユネスコエコパーク」登録

生態系の保全と持続可能な利活用の調和を目的として登録されました。原生的な自然環境や貴重な動植物が生育・生息している核心地域、環境教育や野外活動、レジャーに利用できる緩衝地域、人が生活して自然と調和した農業や観光が行われている移行地域の3つのエリアに分かれています。

今年で56年目を迎える南アルプス国立公園。これまで関わってくださった方々のおかげで国内外問わず、その存在と価値を知っていただけていると思います。今回、南アルプス国立公園のこれまでの歴史を振り返ってみて、歴史と共にたくさんの魅力が詰まっているこの南アルプス国立公園をもっと多くの方に知ってもらいたい!と私自身強く思いました。60年、70年とこれから先もずっとこの素晴らしい自然が後世へ受け継がれていくことを切に願います。

 

 

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2020年05月28日#STAYHOME 南アルプスのアクティブレンジャー業務

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

今回は南アルプス自然保護官事務所のアクティブ・レンジャーの業務について書きたいと思います。

■南アルプス国立公園の巡視および写真撮影、利用者指導

山梨県、長野県、静岡県の3県にまたがる南北に広い国立公園です。ご存じの通り、山深くひとつひとつの山がとても大きいので巡視にはとてもやり甲斐を感じます。亜高山、高山帯の巡視は6月から始まります。

雪渓を歩いたり、倒木をどかしたり、防鹿柵の作業を行ったり。ただ歩くだけではなく、ゴミ拾いや高山植物の開花状況の確認、ニホンジカの食害を見ながら歩きます。利用者(登山者)からはコースタイムを聞かれることが多く、会話する中で、「○○からの景色がすごくよかった!」、「また南アルプスに登りたい!」などの声をいただくこともあり、嬉しい気持ちになります。

■ホームページ等を活用した情報発信

このアクティブ・レンジャー日記や南アルプス国立公園ホームページ、国立公園SNS、野呂川広河原インフォメーションセンターの展示などがあります。

南アルプス国立公園ホームページ:http://www.env.go.jp/park/minamialps/

国立公園Instagramhttps://www.instagram.com/nationalpark_japan/?hl=ja

国立公園Facebook https://www.facebook.com/NationalParksOfJapan/

アクティブ・レンジャー写真展もツールの1つです。この写真展はアクティブ・レンジャーが主体となり、関東地方環境事務所管内の国立公園の景色や生き物を多くの方に紹介し、自然の素晴らしさや大切さを伝え、自然保護と適切な利用、国立公園、アクティブ・レンジャーの普及啓発を目的に行っています。昨年度は夏に野呂川広河原インフォメーションセンターで、冬は南アルプス市芦安支所で開催しました。

野呂川広河原インフォメーションセンターでの開催時には、北海道や九州など、県内外問わず多くの方にご覧いただきました。南アルプス市芦安支所での開催時には、地元の方が来られ、直接、写真の説明やエピソードなどお話ししました。来場者の反応を直に感じることができ、有意義な時間でした。どちらも南アルプス国立公園およびアクティブ・レンジャーの普及啓発になったと思います。

また、昨年はサントリーさんと連携し、「冒険手帳」を作成しました。

南アルプスは山深く、地元に住んでいても登ったことがない子どもが多いため、現地に行かずとも南アルプスの魅力が伝わるようにし、かつ子どもたちにも興味を持ってもらえるよう工夫しました。高山植物や地質・地形、ニホンジカ対策など幅広い内容を取り扱い、分かりやすく説明しています。水に濡れても破けない素材を使用しているので野外でも使えます♪

その他にもこんな業務があります。

北岳周辺で行われているライチョウ保護増殖事業の取り組みの1つ、「捕食者対策」で捕獲されたテンを下ろす業務、山梨県および長野県で行われているニホンジカ個体数調整のわな設置・見回りの同行、希少生物の違法捕獲パトロール、物品購入などの事務作業、季節ごとに行われる開山祭やイベントの対応など。

関東事務所では他にも20名ほどのアクティブレンジャーがおり、事務所ごとに業務の内容が異なります。ぜひ、他地域のアクティブ・レンジャー日記もご覧ください♪

アクティブ・レンジャー日記〈関東地区〉http://kanto.env.go.jp/blog/index.html

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2020年05月19日【お知らせ】南アルプスの山小屋等情報(5月19日)

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

コロナへの対応に伴う山小屋等施設の休止について519日現在の情報をお伝えします。最新情報につきましては各機関へお問い合わせください。

【環境省 直轄施設】

○野呂川広河原インフォメーションセンター

722日(水)まで休館。トイレやロッカー等の使用できません。

○北沢峠休憩所

<山梨県側>

201910月台風19号で発生した土砂崩れによって広河原-北沢峠間が通行止めにつき、開所しません。

<長野県側>

未定

問い合わせ先:南アルプス自然保護官事務所

【白峰三山周辺】

北岳山荘 広河原山荘 白根御池小屋 長衛小屋 両俣小屋

722日(水)まで休業

北岳肩ノ小屋

722日(水)まで休業

大門沢小屋

未定

農鳥小屋につきましては直接お問い合わせください。

【甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山】

七丈小屋

524日(日)まで休業

薬師岳小屋、南御室小屋

531日(日)まで休業

鳳凰小屋

610日(水)まで休業

夜叉神峠小屋、夜叉神ヒュッテにつきましては直接お問い合わせください。

【仙丈ヶ岳、塩見小屋】

馬の背ヒュッテ

2020年度休業

仙丈小屋、塩見小屋、北沢峠こもれび山荘

今後の方針は未確定

三伏峠小屋につきましては直接お問い合わせください。

【荒川岳、赤石岳、熊の平小屋】

千枚小屋、荒川小屋、赤石小屋、小河内岳避難小屋、中岳避難小屋、赤石岳避難小屋、熊の平小屋、百間洞山の家、高山裏避難小屋、椹島ロッヂ

2020年度休業

【茶臼岳、聖岳】

茶臼小屋、聖平小屋、横窪沢小屋

2020年度休業

【光岳】

光岳小屋

2020年度休業

小屋によってはテント場の利用も不可となっております。事前に確認するようにしてください。コロナウイルス感染拡大防止に協力し、みなさんに南アルプス国立公園を楽しんでいただけける日が少しでも早く訪れることを願っています。

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2020年05月12日#STAYHOME 山梨百名山って?

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

みなさんは山梨百名山をご存じですか?平成9年2月にできたもので、大菩薩・道志山系、南アルプス山系、富士・御坂山系、八ヶ岳・秩父山系の4エリアに分け、そのうちの100山を山梨県が選定したもので、南アルプス山系では27座が選定されています。今回はその一部を紹介します。

■日向山(ひなたやま) <標高 1,660m

樹林帯ではセンジュガンピやイワカガミなどの植物を楽しみながら、山頂では想像もしていなかった、一面に広がる砂浜!山にいるのに海に来たような気持ちになれます!山麓から見ると夏でも雪を被っているように白く見えます。甲斐駒ヶ岳や鳳凰三山と同様、花崗岩が風化したできた白砂が広がり、甲斐駒ヶ岳や八ヶ岳が一望できます。

■櫛形山(くしがたやま) <標高 2,052m

髪をとかす¨くし¨の形に似ていることから櫛形山と呼ばれるようになりました。主に北尾根、中尾根、南尾根、池の茶屋の4つの登山口があります。夏期はアヤメやマツムシソウなど数多くの高山植物が咲きます。コメツガやサルオガセなどが自生し、「これぞ、南アルプス!」といった雰囲気を楽しめます。また、富士山や白峰三山、甲府盆地などの眺望も楽しむことができます。

■アサヨ峰 <標高 2,799m


名前の由来は朝日が当たる峰から来ているのだとか。栗沢山と鳳凰三山を結ぶ早川尾根上にあり、甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳、北岳の展望を横目に2,700mの稜線歩きを楽しむことができます。南アルプス北部の主峰に囲まれながら歩く、なんとも贅沢ですね♪登山者があまり多くないエリアなので、静かな山歩きを楽しむことができます。

■北岳 <標高 3,193m

南アルプス国立公園を代表する高山、北岳。富士山に次ぎ、2番目に高い山として知られています。北岳にしか咲かないキタダケソウや南アルプス固有種のタカネマンテマやタカネビランジなどたくさんの高山植物が咲きます。また、ライチョウの生息地にもなっています。

他にも前衛峰では雨乞岳、甘利山、山伏、南アルプス国立公園内では鳳凰三山、間ノ岳、鋸岳などが選ばれています。選定されている27座の中には南アルプス国立公園はもちろん、南アルプスユネスコエコパーク内の山もあります。山梨百名山 詳しくはこちらから!

山梨百名山の他にも長野県では信州百名山、静岡県では静岡の百山などそれぞれで百山を選定しているようです(必ずしも県が選定しているわけではありません)。コロナウイルス感染拡大防止の為のため登山が困難な地域も多いなか、お住まいの県の百名山を調べるのも面白いですね。

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2020年05月07日#STAYHOME ニホンジカ被害状況確認 in 夜叉神峠

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

今回は先日の夜叉神峠巡視で確認したニホンジカの被害をお伝えします。普段の巡視はわたし一人ですが、今回は生態系保全等専門員の金丸さんと。専門的な知識をお持ちの金丸さんと巡視できることはとても心強いです。

登山道を歩き始めてすぐに新芽の食害を確認。状況把握のため、登山道を少し外れてみるとあちこちに糞を見つけ、金丸さんがニホンジカを発見!かなり遠くにいたので撮影はできませんでしたが、「ピィー、ピィー」と警戒音を出していました。

再び歩き始めると状況がかなりひどい樹皮剥ぎを見つけました。樹皮剥ぎをするのはだいたいクマかニホンジカのどちらかです。クマ剥ぎかシカ剥ぎかを見分けるポイントがあります。

●クマ剥ぎ

剥いだ樹皮と樹木が繋がっていること、樹木に残っている跡が垂直

●シカ剥ぎ

(今回発見した樹皮剥ぎ)

剥いだ樹皮が地面に散らばっている、いろんな方向に剥がれている、つるつるしている

南アルプス山域でよく見られるのはシカ剥ぎです。森や山に入るとき、探してみてください。

今回夜叉神峠の感想を金丸さんに聞いてみました。



今年は暖冬で雪が少ないと言われており、暖かい日が続いているので高山での残雪量が気になるところです。残雪量が少ないと植物の開花が早くなります。そして、ニホンジカが高山へ登っていく時期も早くなります。そうなると、ニホンジカに植物が食べられてしまう割合が多くなるかもしれません。場所によっては防鹿柵の設置も行っていますが、人間による作業のため、安全確保ができていないと作業が実施できません。大きな課題です。残雪量が少なくても高山へは登らず、里山でのんびりしていて欲しいものです。

◇ ◇ ◇ 芦安ニュースレターに掲載されました! ◇ ◇ ◇

芦安地域おこし協力隊の佐藤さんと芦安集落支援員の加賀美さんが作成しているこの芦安ニュースレター。芦安地域のイベントや地域おこし協力隊の活動についてなど芦安の情報がたっぷり詰まっています。4月号に南アルプス自然保護官事務所の職員や仕事内容について掲載していただきました。あまり人に直接会えない状況の中での地域おこし隊就任となったため、せめて紙面で地域の方に情報を発信したいという想いで今回作成されたそうです。

(クリックすると大きい画面で見られます♪)

南アルプスの山々への玄関口に位置する芦安の住民はこうした情報を知っておくべきだと感じたので、なるべく図や写真を多くしてわかりやすく表現することを心がけて作成されたそうです。説明がなかなか難しい国立公園の¨保護¨と¨利用¨についてとても分かりやすいですね!他にも2代目芦安地域おこし協力隊の佐藤さんの紹介や手作りマスクの作り方などが掲載されていますので、ぜひご覧ください。2020年4月 芦安ニュースレターはこちら!(容量が大きいのでご注意ください)

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