アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
この足跡は誰??
2020年03月09日みなさん、こんにちは。
南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
雪が積もった登山道を歩いていると動物の足跡を見かけることがあると思います。土や落ち葉が見えている時期は足跡の識別がとても難しいですが、雪の上ではとても分かりやすくなります。今回は南アルプス山域で見られた足跡をセンサーカメラに写る足跡の持ち主とともに解説します。積雪量が少なくて動物の足跡なんてもう見られない!という場所もあるかと思いますが、、、お付き合いいただけると幸いです。
さて、クイズです!これは誰の足跡でしょうか?一列になってまるでモデルさんのような歩き方ですね。
答えはキツネです!
なぜ一直線の足跡がつくのでしょう?そのワケは、前足をついたところに後ろ足を重ねてつくため、前足の足跡は後ろ足の足跡で消されてしまうからなのです!!駆け足の場合は前足と後ろ足が対に並びます。足跡によってそのときの状況が分かりますね。
次はこちらです。『分かるよ!』という方が多いかと思います。こちらもキツネのように一直線に足跡が付いています。
みなさんご存じの通り、ノウサギです。
小さい足跡が前足、細長い足跡が後ろ足です。ノウサギは後ろ足が前に出る足跡が特徴的です。前足をついた後に後ろ足を広げて前に出るので、後ろ足が前に出ちゃうのです。にしても後ろ足、細長く大きいですね。リスも同じような足跡をつけます。先日、山で人生初のノウサギを見ました。あちらのほうが私よりも先に気づいたようですぐ逃げてしまいましたが、野生のウサギを見ることができて嬉しい気持ちになりました♪
最後はこの足跡!南アルプス山域に限らず、よく見かけるこの足跡。最近では昼夜問わず見られる動物になってきました。
ニホンジカです。
カモシカと似ているので区別がしづらいですが、カモシカは先端が若干丸みおびています。子鹿だと足跡の大きさは一回りほど小さくなります。個体数がキツネやノウサギよりも圧倒的に多いので、足跡は雪の上でなくても土の上や水たまりが乾いた泥の上でもよく見られます。
他にも南アルプス山域にはたくさんの動物が生息しています。四足歩行する動物だけでなく、鳥類の可愛らしい小さな足跡もまれに見ることができます。足跡の向きを観察すると登っているのか、下っているのかが分かり、その動物の生活のようすが見えてきます。よ~く注目して観察してみてください!!