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アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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富士箱根伊豆国立公園 下田

61件の記事があります。

2021年09月30日伊豆半島で出会える秋の昆虫たち -トンボ科編 ①-

富士箱根伊豆国立公園 下田 齋田滉大

みなさん、こんにちは。足早に進んでいく季節の移ろいに消化器系がまったく追いつかない齋田です。

急激な気温の低下による体調不良というわけではなく、目まぐるしく変化する旬の食べものを最も美味しいタイミングでお腹いっぱい味わっておかないと、といった具合なので至って元気です。

さて、前回の日記に引き続き、晩夏に見られる生き物をご紹介しようと考えていたのですが、撮影日和を待つうちに伊豆半島の長い夏は終わりを迎えたようで、夕暮れ時には秋の声が静かに響き始めました。

今回からは、不要不急の外出を自粛している生き物好きのみなさんのために、巡視(国立公園を構成する施設の点検や利用状況の把握等を行う業務)の際に見かけた"秋の"昆虫たちをタイムリーにご紹介します。

まずはこちら、げじげじ眉毛やちょび髭のように見える黒班が特徴的な「マユタテアカネ」です。

【マユタテアカネ】

そのビジュアルに親近感を覚えざるを得ないマユタテアカネ。撮影時にはアキアカネやミヤマアカネが周囲を飛び回っていましたが、吸い寄せられるようにマユタテアカネだけにカメラを向けていました。

下田管理官事務所が管轄する伊豆半島地域でこそ普通種ですが、他のアカネ属と同様に湿地環境の悪化に極端に弱く、富士箱根伊豆国立公園の箱根地域(神奈川県)ではレッドリストの指定を受けるほど個体密度が低下しています。

そのため、最近ではマユタテアカネやアキアカネ等の止水性種の生息環境を保全するための試みが全国的に広がりを見せており、一部の地域ではそれらの個体数がやや回復傾向にあるようです。

ちなみに、「富士山がある風景100選」に選定された伊豆半島地域の「石部棚田」も例に漏れず、水田を利用する生物の保全に力を入れています。とても興味深い取り組みですが、それらの事例についてはまた別の機会にゆっくりとご説明できればと思います。

伊豆半島では、水田や湿地、池沼等を中心に11月下旬頃まで観察することができます。

続いて、なんだか白いごはんが食べたくなる名前の「シオカラトンボ」です。

【シオカラトンボ】

雄は成熟すると腹部に厚く白粉を吹くことからその名が付いたシオカラトンボ。トンボといえば真っ先に本種が連想されるほど、みなさんにとって馴染みの深いトンボではないでしょうか。

さて、「夏によく見るけれど、秋の昆虫として紹介するの?」と疑問を感じた方も多いと思います。しかし、名前の由来となった青白く成熟した個体が最も多く観察できるのはこの季節なのです。意外に思われるかもしれませんが、未成熟の雄の体色は雌と同じく黄褐色です(希に成熟した雄のような体色をもつ雄型雌も見られます。そのような個体では副性器の有無や尾部付属器の形態等による雌雄の判別が可能です)

ちなみに、よく似た種類にコフキトンボやオオシオカラトンボ、シオヤトンボ等がいます。私は静止した状態でないと同定(生き物の種類を特定すること)ができませんが、陸上昆虫類等の調査に従事されているトンボ屋さんの多くは、周囲の環境や飛び方、草木へのとまりかた等の特徴から遠目でもある程度の判断が付くとのことです。

伊豆半島では、河川のワンドや池沼等の止水域を中心に12月中旬頃まで観察することができます。

今回は、秋の季節に富士箱根伊豆国立公園伊豆半島地域にて観察できるトンボ科の昆虫のうち、最も普通に見られる「マユタテアカネ」と「シオカラトンボ」についてご紹介しました。

この日記を通じて伊豆半島の秋や生き物たちの魅力を感じて頂ければうれしく思います。

次回も伊豆半島で出会った昆虫たちを紹介します!塩辛にはごはん派の方も日本酒派の方もお楽しみに!

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2021年08月26日伊豆半島で出会える夏の昆虫たち -アゲハチョウ科編 ②-

富士箱根伊豆国立公園 下田 齋田滉大

みなさん、こんにちは。線香花火の玉を落とさないことに定評のある齋田です。

そんなに集中してじっと動かずにいるのが楽しいのかと聞かれると、それはちょっと答えづらいです。

さて、伊豆半島の長い夏も終盤に差し掛かり、国立公園内では動植物が観察しやすい季節となりました。

山や河川、草原や湿地、どこへ行っても生き物たちと出会うことのできる、自然観察にはもってこいの季節ではありますが、コロナ禍が続くなか泣く泣く外出を自粛している方も多いのではないでしょうか?

そんな生き物好きのみなさんに伊豆半島の夏の雰囲気をお伝えするべく、前回の日記に引き続き、巡視(国立公園を構成する施設の点検や利用状況の把握等を行う業務)の際に見かけた昆虫たちをご紹介します。

まずはこちら、どことなくスポーティな印象を受ける「アオスジアゲハ」です。

【アオスジアゲハ】

名前の由来となった水色の帯が可愛らしいアオスジアゲハ。細かい動きで俊敏に飛ぶため、めったに写真を撮らせてくれません。この日は機嫌が良いのか数秒ほどのシャッターチャンスを貰うことができました。

幼虫はクスノキ科の植物を食べて育つため、都市部のみなさんは公園や街路樹にて見かけることがほとんどかと思いますが、本来の生息地は平地から低山地等の照葉樹林とされています。

雄は吸水性が強く、降雨後に雨水が地面を流れる箇所や温泉水が流れ込む河原周辺にて集団吸水を観察することができます。アゲハチョウ科の雄にとってナトリウム塩の摂取が配偶行動に重要な役割を持つことは有名ですが、吸水行動によって得られたアンモニアを窒素源として筋肉や精子の生産に役立てていることを証明する論文もあるようです。興味のある方は、オープンアクセスの文献等で調べてみると面白いかと思います。

照葉樹林が多く見られる伊豆半島では、低山地を中心に広いエリアにて観察することができます。

続いて、あまりの大きさに画角からはみ出してしまう「モンキアゲハ」です。

【モンキアゲハ】

その名の通り、黄白色の斑紋が特徴的なモンキアゲハ。夏型の雌は特に大きく、日本最大級のチョウと言われています。元々は南方系の種類ですが、最近は関東・北陸地方にも生息域を広げているようです。

千葉県に長く住んでいた私にとって、伊豆半島で暮らし始めるまではあまり馴染みのないチョウでした。その大きさにまだ慣れていないせいか、写真に撮るといつもどこかがはみ出してしまいます。

幼虫はカラスザンショウやミカン類といったミカン科の植物を食べて育ち、成虫はウツギ類やヒガンバナ等を中心に様々な花を訪れます。

成虫の活動期は他のアゲハチョウよりもやや長く、羽化は9月の中旬頃まで断続的に見られます。しかし、どういうわけか夏の終わりに出会うモンキアゲハは写真のようにスレていることが多い印象です。羽化のタイミングによって成虫の発生個体数や生存率等が異なるのでしょうか。羽化直後に見られる傷一つ無い姿も美しいのですが、過酷な野生下を生き抜いた証である痛んだ翅にはそれとは違った美しさを感じますね。

栽培ミカン類が豊富な伊豆半島では、人家や農地を中心に広いエリアにて観察することができます。

今回は、夏の季節に富士箱根伊豆国立公園にて観察できるアゲハチョウ科の昆虫のうち、撮影に協力してくれた「アオスジアゲハ」と「モンキアゲハ」についてご紹介しました。この他にも、カラスアゲハやキアゲハ等が多く見られるのですが、彼らについてはまた別の機会に解説できればと思います。

緊急事態宣言の対象区域が拡大され、地域によっては一層の外出自粛が呼びかけられていますが、この日記を通じて少しでも伊豆半島の夏を感じて頂ければうれしいです。

次回も伊豆半島で出会った昆虫たちを紹介します!虫好きの方もそうでない方もお楽しみに!

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2021年08月18日伊豆半島で出会える夏の昆虫たち -アゲハチョウ科編 ①-

富士箱根伊豆国立公園 下田 齋田滉大

みなさん、こんにちは。どういうわけかパクチーにはまっているパクチニストの齋田です。

最近は通勤中に出会うキアゲハたちにただならない親近感を覚えてしまい、まあまあ困惑しています。

さて、伊豆半島の夏も後半戦に差し掛かり、国立公園内では多くの動植物が観察できる季節となりました。

山や河川、草原や湿地、どこへ行っても生き物たちと出会うことのできる、自然観察にはもってこいの季節ではありますが、コロナ禍が続くなか泣く泣く外出を自粛している方も多いのではないでしょうか?

そんな生き物好きのみなさんに伊豆半島の夏の雰囲気をお伝えするべく、前回の日記に引き続き、巡視(国立公園を構成する施設の点検や利用状況の把握等を行う業務)の際に見かけた昆虫たちをご紹介します。

まずはこちら、アゲハチョウ科といえばこのチョウ「ナミアゲハ」です。

【ナミアゲハ】

翅脈に沿った黒色模様がオシャレなナミアゲハ。名前の「ナミ(並)」の通り、最も普通に見られる種類です。

幼虫はミカン科の植物を食べて育ち、成虫はアザミ類やヤブガラシ等を中心に様々な花を訪れます。

人家の庭木等やベランダでも見られることが多く、都市部のみなさんにも馴染みの深いチョウだと思います。

楽曲のタイトルや歌詞、小説の題材、俳句の季語等、夏の象徴として扱われることの多いナミアゲハ(揚羽蝶)ですが、夏と呼ぶにはまだ早い3~4月頃にも発生し、それぞれ「春型」・「夏型」と区別されます。季節型によって体サイズや模様が若干異なるため、写真を撮って見比べてみるのも面白いかもしれません。

伊豆半島では、人家や農地を中心に海岸部から低山地までの広いエリアにて観察することができます。

続いて、ゆらゆらと妖しく踊る「ジャコウアゲハ」です。

【ジャコウアゲハ】

黒いレースのような翅が美しいジャコウアゲハ。雄成虫の腹端から発生する匂いが麝香(じゃこう)に似ているため、その名が付きました。

幼虫は毒草として有名なウマノスズクサやオオバウマノスズクサといったウマノスズクサ科の植物を食べて育ちます。これらの植物はアルカロイド系のアリストロキア酸によって昆虫たちによる食害から身を守っていますが、なんとジャコウアゲハの幼虫には通用しません。それどころか、幼虫はウマノスズクサ科の有毒成分を積極的に体内に取り入れ、天敵からの防御に利用しているのです。

ちなみに、ジャコウアゲハによく似た種類にクロアゲハやオナガアゲハ等がいますが、いずれも無毒です。面白いことに、彼らは有毒であるジャコウアゲハに姿形を似せることで身を守っているようです。このような擬態様式はベイツ型擬態と呼ばれ、アゲハチョウ科の仲間ではベニモンアゲハ(有毒)に擬態するシロオビアゲハ(無毒)が有名です。

伊豆半島では、ウマノスズクサ科が生育する農地や樹林地にてスポット的に観察することができます。薄暗い林縁部を優雅に舞う姿はドレスを纏った魔女のようで、出会うと不思議な気分にさせられますよ。

今回は、夏の季節に富士箱根伊豆国立公園にて観察できるアゲハチョウ科の昆虫のうち、撮影に協力してくれた「ナミアゲハ」と「ジャコウアゲハ」についてご紹介しました。

食害を防ぐために毒を持つウマノスズクサ、ウマノスズクサの毒を体内に蓄積させることで捕食者から身を守るジャコウアゲハ、ジャコウアゲハに姿を似せることで天敵を欺くクロアゲハ。生き物たちの世界はとても興味深く、知れば知るほど面白いですね。

今週より緊急事態宣言の対象区域が拡大され、一層の外出自粛が呼びかけられていますが、この日記を通じて伊豆半島の夏やそこで暮らす生き物たちの魅力を感じて頂ければうれしく思います。

次回も伊豆半島で出会った昆虫たちをご紹介します!虫好きの方もそうでない方もお楽しみに!

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2021年08月13日伊豆半島で出会える夏の昆虫たち -カワトンボ科編-

富士箱根伊豆国立公園 下田 齋田滉大

みなさん、こんにちは。私が作った竹とんぼだけ上手く飛ばない齋田です。

さて、伊豆半島の夏も後半戦に差し掛かり、国立公園内では多くの動植物が観察できる季節となりました。

山や河川、草原や湿地、どこへ行っても生き物たちと出会うことのできる、自然観察にはもってこいの季節ではありますが、コロナ禍が続くなか泣く泣く外出を自粛している方も多いのではないでしょうか?

そんな生き物好きのみなさんに伊豆半島の夏の雰囲気をお伝えするべく、前回の日記に引き続き、巡視(国立公園を構成する施設の点検や利用状況の把握等を行う業務)の際に見かけた昆虫たちをご紹介します。

まずはこちら、河津七滝から浄蓮の滝を結ぶ踊子歩道で出会った「ミヤマカワトンボ」です。

【ミヤマカワトンボ】

写真ではとても小さく見えてしまいますが、腹長60mm前後と大きく(みなさんが都市部で見かけるハグロトンボは45mm前後)、カワトンボ科の中では世界でも屈指の大きさを誇るトンボです。

後翅の濃い褐色帯や体サイズ等の特徴から、遠目でも識別しやすく、比較的覚えやすい種類かと思います。

富士箱根伊豆国立公園では、山地の樹林に囲まれた渓流を中心に多くのエリアにて観察することができます。

初めて出会う方は、腹部を碧く光らせながら渓流沿いを優雅に飛ぶ姿に思わず見とれてしまうことでしょう。

続いて、こちらも同じく踊子歩道で出会った「アサヒナカワトンボ」です。

【アサヒナカワトンボ(伊豆個体群)】

写真を見て「ニホンカワトンボに見えるけど?アサヒナカワトンボの色とはちょっと違うよなあ」と思ったみなさんは流石です。そこそこのトンボ好きですね。

たしかにニホンカワトンボの橙色翅型に酷似していますが、残念ながら伊豆半島には生息していません。

ちなみに、アサヒナカワトンボとニホンカワトンボの間では両者の中間的特徴を持つ種間雑種が知られていますが、文献によると伊豆(単独生息域)個体群はニホンカワトンボとの雑種由来集団と考えられているようです。

さて、気になる見分け方ですが、アサヒナカワトンボの胸部はニホンカワトンボのそれよりもわずかに小さいらしく、一般的には「頭でっかち(頭部が相対的に大きく見える)がアサヒナ」と言われています。トンボ屋の友人に貰った様々な写真を見比べましたが、私はあまりピンときませんでした。

富士箱根伊豆国立公園では、踊子歩道や伊豆山稜線歩道等の渓流や細流にて観察することができます。

今回は、夏の季節に富士箱根伊豆国立公園にて観察できるカワトンボ科の昆虫のうち、代表的な2種について紹介しました。

先週よりまん延防止等重点措置の実施区域が拡大され、地域によっては一層の外出自粛が呼びかけられていますが、この日記を通じて少しでも伊豆半島の夏を感じて頂ければうれしく思います。

次回も伊豆半島で出会った昆虫たちを紹介します!虫好きの方もそうでない方もお楽しみに!

※外出の際には、咳エチケットの徹底やソーシャルディスタンスの確保等の基本的な感染症対策に努めましょう。また、各自治体のガイドライン等によく目を通し、責任ある行動を心掛けましょう。

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2021年08月06日伊豆半島で出会える夏の昆虫たち -カミキリムシ科編-

富士箱根伊豆国立公園 下田 齋田滉大

みなさん、こんにちは。仰向けに転がった蝉が突如として動き出すとびっくりする齋田です。

巷ではこの現象を「セミファイナル」と呼ぶそうですね。半ば/蝉「semi」と最後「final」を掛けた言葉遊びでしょうか。

さて、伊豆半島の夏も後半戦に差し掛かり、国立公園内では多くの動植物が観察できる季節となりました。

自然観察にはもってこいの季節ではありますが、コロナ禍が続くなか、外出を自粛している方も多いのではないでしょうか?

今回の日記では、みなさんに伊豆半島の夏を感じて頂ければと、巡視(国立公園を構成する施設の点検や利用状況の把握等を行う業務)の際に見かけた昆虫たちをご紹介します。

まずはこちら、バームクーヘンでおなじみの恵比須島にて出会った「ホシベニカミキリ」です。

【ホシベニカミキリ】

関東以西の温暖な地域で見られる南方系のカミキリムシ。どことなく南国チックな風貌をしていますね。

富士箱根伊豆国立公園では、海岸線付近の極相林やその周辺にて観察することができます。

真っ赤なボディにアシンメトリーの黒斑を持つオシャレさんですが、防潮林として植えられたタブノキを食べてしまうやっかいものとしても知られています。

続いて、河津七滝を通る踊子歩道にて出会った「シロスジカミキリ」です。

【シロスジカミキリ】

山間部で見られる大型のカミキリムシ。人差し指と比較すると大きさがイメージできるかと思います。

その圧倒的な体サイズからなる迫力もさることながら、筆で描いたような白い模様に目が引かれますね。

富士箱根伊豆国立公園では、クリやコナラの二次林を中心に多くのエリアで観察することができます。

「カブトムシを探しに行ったらでっかいカミキリムシを見かけた」という場合は本種であることが多いです。

今回の日記では、夏の季節に富士箱根伊豆国立公園にて観察できるカミキリムシ科の昆虫のうち、代表的な2種について紹介しました。

伊豆半島の豊かな自然の中では、このほかにもさまざまな生き物たちと出会うことができます。

「夏の生き物といえば昆虫でしょ!」という声が聞こえた気がするので、しばらくは伊豆半島で出会った昆虫たちにスポットを当てた内容をお届けします。

不要不急の外出自粛が呼びかけられているなか、みなさんにはこの日記を通じて少しでも富士箱根伊豆国立公園の夏を感じて頂ければうれしく思います。

※外出の際には、咳エチケットの徹底やソーシャルディスタンスの確保等の基本的な感染症対策に努めましょう。また、各自治体のガイドライン等によく目を通し、責任ある行動を心掛けましょう。

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2021年06月30日今年も満開でした!「梅雨の下田公園」

富士箱根伊豆国立公園 下田 齋田滉大

みなさん、こんにちは。折りたたみ傘の骨組みに髪をひっぱられがちな齋田です。

ここしばらくはどんよりと灰色の雲に覆われた空模様が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。

さて、伊豆半島南部では、そんな憂鬱な天気を忘れさせるかのような色鮮やかなあじさいが咲き誇りました。

アクティブ・レンジャー日記をご覧のみなさんは、不要不急の外出を自粛している方がほとんどかと思いますので、写真から梅雨の季節の楽しい側面を感じて頂ければ嬉しいです。

こちらの写真は、伊豆半島では定番のあじさいスポット「下田公園」の6月上旬の様子です。

下田公園は、北条氏が水軍の拠点とした下田城の障子掘を間近にみることができる数少ない城址として日本史好きには堪らない閑静な公園ですが、梅雨の時期には雰囲気が一変します。今年も敷地全体が鮮やかなあじさいに包まれました。

  

【下田公園のあじさい】

下田公園内のフォトスポットやあじさいの開花時期等については、昨年の日記『自然の万華鏡?「梅雨の下田公園」』をご覧下さい。

富士箱根伊豆国立公園伊豆半島地域に安心してお越し頂ける日常が戻ることを、心より願っています。

※外出の際には、咳エチケットの徹底やソーシャルディスタンスの確保等の基本的な感染症対策に努めましょう。また、都道府県内の移動においても各自治体のガイドライン等によく目を通し、責任ある行動を心掛けましょう。

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2021年03月31日伊豆半島のジオサイトを紹介します! 第3弾

富士箱根伊豆国立公園 下田 齋田滉大

みなさん、こんにちは。お花見の席ではやたらとシャッターを頼まれる齋田です。

最近はお子さんを笑顔にさせる技術とペットをカメラ目線にさせる技術だけが向上しています。

さて、少々日が空いてしまいましたが、これまでの日記に引き続き、富士箱根伊豆国立公園伊豆半島地域で見られるジオサイトをご紹介します!

■伊豆の秘境「入間千畳敷」(静岡県南伊豆町)

伊豆半島のほぼ先端部「入間(いるま)」に位置する入間千畳敷へは、入間海岸から「南伊豆歩道(吉田~入間コース)」を50分程歩くと辿り着くことが出来ます。

ちなみに、コースの入口となる入間海岸へは、最寄り駅となる伊豆急下田駅からバスに揺られること45分。バス停「入間」にて下車後、入間集落へ通じる山道を40分程歩くと到着します。

そのアクセスの困難さが物語るように、入間はまさに伊豆の秘境。大自然に囲まれた海岸からトレッキングスタートです!

コース前半には薄暗い照葉樹の森を通過しますが、遊歩道には案内標識が設置されているため、道に迷う心配はありません。林内の一本道をひたすらにもくもくと進みます。

うっそうとした森を抜けると、しだいに視界が開けていき、崖沿いを這うように整備された道が現れます。

ここまで来ると千畳敷はもう目前です。眼下に広がる海の碧を楽しみながら複雑な海岸線を進みましょう。

道中では海底火山の噴出物によって形成された火山灰の地層を見ることが出来ます。

【海岸沿いの遊歩道】

海岸線の斜面をどんどん下り、波打ち際を抜けると、いよいよ千畳敷に到着です。

なんというスケールでしょう!海岸にせり出した広い台地は畳が千畳以上も敷ける程の広さがあります。

(例によって写真からサイズ感が伝わりづらくすみません...)

海底火山時代の後に隆起と浸食を繰り返し、長い年月を経てこのような平らな岩のテラスとなりました。

【入間千畳敷】

さて、千畳敷を観察すると、古代遺跡のように規則的な凸凹がいたるところに見受けられます。

これらは全て採石の跡です。海岸沿いに「石切場跡」が多く残る伊豆半島ですが、こちらの入間千畳敷も例に漏れず、やわらかく加工しやすい「伊豆石」が盛んに切り出されました。

採石された伊豆石は、城を築城する際の石垣や倉庫、建物の基礎として昭和の初め頃まで出荷され、入間地区の小学校の通学路を作るためにも使用されました。

【石切場跡】

足元に向けていた視線を東に見上げると、薄い層が幾重にも連なった大きな山のようなものがそびえ立ちます。

こちらは三ツ石岬です。断崖の中央部に走る白い地層と緑色の植生とのコントラストが印象的ですね。

写真をよく見ると、白い縞模様の地層を断ち切るように上下にのびる黒い箇所が確認できるかと思います。

これらは「岩脈」と呼ばれ、火山灰の地層をマグマが貫入して固まったものです。

【三ツ石岬】

富士箱根伊豆国立公園伊豆半島地域で見られるジオサイト「入間千畳敷」では、伊豆半島南部を代表する様々な地層や地形を見ることが出来ます。

こちらの日記では紹介しきれない魅力もたくさんありますので、是非一度現地に足を運んでみて下さい。

大潮の干潮時にはタイドプールで磯の生物観察も楽しめますよ!生き物好きにはこちらもおすすめです。

※外出の際には、咳エチケットの徹底やソーシャルディスタンスの確保等の基本的な感染症対策に努めましょう。また、都道府県内の移動においても、各自治体のガイドライン等によく目を通し、責任ある行動を心掛けましょう。

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2021年02月01日伊豆半島のジオサイトを紹介します! 第2弾

富士箱根伊豆国立公園 下田 齋田滉大

みなさん、こんにちは。小さい頃はバウムクーヘンを一層ずつ剥がして食べていた齋田です。

大人になった今では生クリームをたっぷりかけて頬張っています。

さて、前回の日記に引き続き、富士箱根伊豆国立公園伊豆半島地域で見られるジオサイトをご紹介します。

第2回目となる今回の日記では、「しましま模様」と「ハートの地形」が特徴のジオサイトについて、その見どころを解説します。

■恵比須島 (静岡県下田市)

下田市の須崎に位置する恵比須島は、橋で渡ることのできるとても小さな島です。

島の外周に整備された遊歩道からは、海底火山の噴出物によって形成された地層を見ることが出来ます。

【静岡県下田市 恵比須島】

この洋菓子のようなしましま模様は、軽石や火山灰によって形成された地層です。

伊豆半島南部には、はるか昔の海底火山の噴出物が広く分布しています。海底火山時代の後に隆起と浸食を繰り返し、本来は海の下の深くに埋もれていたはずの地層が地上で見られるようになったと言われています。

地学は全くの専門外なのですが、このジオサイトのしましま模様からはなんとも不思議な魅力を感じます。

■龍宮窟 (静岡県下田市)

海底火山の噴火によって降り積もった軽石や火山灰の地層に波が打ち付けると、波の当たる方向にだんだんと削られていき、海食洞と呼ばれる洞窟が出来ることがあります。

下田市の田牛で見られる龍宮窟は、こうして生まれた海食洞の天井の一部が崩落し、直径40~50m程の巨大な天窓が出現したものと言われています。

【静岡県下田市 龍宮窟】

この海食洞を上から覗くと地面の形がハートに見えることから、若いカップルに人気のジオスポットです。

洞窟の内部から天窓を見上げると、水面によって照らされた黄褐色の火山礫がより神秘的に感じられます。

今回の日記では、富士箱根伊豆国立公園伊豆半島地域で見られるジオサイト、「恵比須島」と「龍宮窟」についてご紹介しました。

ジオサイトの多くは、見学者の知識量によって見え方や感じ方が大きく変化しますので、みなさんがいつか伊豆半島に訪れる際の一つの参考になれば嬉しいです。

次回は、テレビCM等で一躍有名となった大人気ジオサイト「入間千畳敷」を解説します。お楽しみに!

※外出の際には、咳エチケットの徹底やソーシャルディスタンスの確保等の基本的な感染症対策に努めましょう。また、都道府県内の移動においても、各自治体のガイドライン等によく目を通し、責任ある行動を心掛けましょう。

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2021年01月22日伊豆半島のジオサイトを紹介します! 第1弾

富士箱根伊豆国立公園 下田 齋田滉大

みなさん、こんにちは。外出自粛期間中は撮りためた生き物の写真や図鑑を眺めてやり過ごす齋田です。

特定の時期に特定の場所でしか出会うことができない種類の生き物が多くいますが、今はぐっと我慢です。

さて、みなさんがご自宅で過ごすことの多いこんな時こそ日記を読んで頂くチャンスだと思い、当面の間は「富士箱根伊豆国立公園伊豆半島地域で見られるジオサイト(ジオスポット)」を特集します!

記念すべき第1回目は、前回の日記に取り上げた「環境配慮型ツアーの実証実験」にてコースの経由地点として立ち寄った「弓ヶ浜」と「中木の柱状節理」について、その見どころを解説します。

■弓ヶ浜 (静岡県南伊豆町)

その名の通り、美しい弧を描く弓ヶ浜。海岸線の長さはなんと1,000m!シロナガスクジラ約35頭分です。

この白砂の海岸は、河口から海へと流れ込んだ砂粒が海流によって押し戻され、帯状に堆積することで形成されたと言われています。

このような地形は砂嘴(さし)と呼ばれ、伊豆半島北西部の御浜岬や大瀬崎などでも見られます。

【静岡県南伊豆町 弓ヶ浜】

写真は昨年の6月上旬に撮影した弓ヶ浜。例年であれば、梅雨入り前最後の海を楽しもうと観光客がこぞって押し寄せる時期ですが、ご覧の通り人の気配はほとんどありませんでした。

そんなこともあってか、ここ弓ヶ浜では3年ぶりにアカウミガメの産卵が確認されました。生き物好きの私としては大変嬉しい出来事ではありましたが、豊かな自然の保護と利用はトレードオフであることを見せつけられたようで、複雑な心境でした。

■中木の柱状節理 (静岡県南伊豆町)

スノーケル・ダイビングスポットとして有名な「ヒリゾ浜」への渡し船の発着点として知られる中木海岸。

崖沿いを這うように整備された遊歩道を南へ進むと、なんとも不思議な光景を目にすることができます。

【静岡県南伊豆町 中木の柱状節理】

ハチの巣のように規則的に並ぶ5角形や6角形の奇妙な岩は「柱状節理」と呼ばれ、海底火山の噴出物を貫いて上昇した「火山の根」とマグマが冷えて固まる際に形成されたものと言われています。

写真で見るとサイズ感がややわかりづらいかと思いますが、この多角形の外接円の直径は大人の肩幅ほどもあり、その圧倒的なスケールに感動させられます。自然界で最も大きなハニカム構造なのではないでしょうか?

今回の日記では、富士箱根伊豆国立公園伊豆半島地域で見られるジオサイト、「弓ヶ浜」と「中木の柱状節理」についてご紹介しました。

ジオサイトの多くは、見学者の知識量によって見え方や感じ方が大きく変化しますので、みなさんがいつか伊豆半島に訪れる際の一つの参考になれば嬉しいです。

次回は、「しましま模様」と「ハートの地形」が特徴のジオサイトを解説します。お楽しみに!

※外出の際には、咳エチケットの徹底やソーシャルディスタンスの確保等の基本的な感染症対策に努めましょう。また、都道府県内の移動においても、各自治体のガイドライン等によく目を通し、責任ある行動を心掛けましょう。

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2021年01月08日大自然の満喫にイイ バイク「環境配慮型ツアーの実証実験」

富士箱根伊豆国立公園 下田 齋田滉大

明けましておめでとうございます。年越しの瞬間には地球から離れていた齋田です。

年越しジャンプは小学生の頃から続けているのですが、やめるタイミングがわかりません。

さて、みなさんは2021年のお正月をいかがお過ごしでしたか?

コロナ禍でのお正月ということもあり、身体が重たく感じてしまった方も多いのではないかと思います。

今回の日記では、そんな運動不足の解消におすすめしたい伊豆半島の新しい楽しみ方について、その実証実験の様子をご紹介します。

■電動アシスト付きスポーツ自転車E-BIKEを使ったガイドツアー

コロナ禍における環境省の支援事業の一つである「令和2年度 国立・国定公園への誘客・推進事業」に採択された『E-BIKEを活用した環境配慮型少人数ツアー(通称)』の実証実験が伊豆半島最南端の南伊豆町にて行われました。

◎支援事業の詳細はこちら:http://www.env.go.jp/nature/np/ryokakuzei00/index.html

こちらはツアー出発前の様子。自転車の専門的知識を有したガイドより、E-BIKEの特性や電動アシストの操作方法等、安全に走行するために必要な知識についてレクチャーを受けました。

自転車初心者の私を含め、観光関係者やジオガイドを中心としたモニター参加者の多くはE-BIKEに初めて乗車する方がほとんどで、みなさん緊張した面持ちでガイドの説明に耳を傾けます。

【出発前の様子 石廊崎オーシャンパークにて】

こちらの日記を見ているみなさんの中にも、E-BIKEを知らない・乗ったことがないという方が多いと思うので、この自転車について簡単にご説明します。

E-BIKEとは、スポーツバイク型の電動アシスト付き自転車の総称であり、一般的なシティサイクル(ママチャリ)型のそれよりもスポーティーにサイクリングを楽しむことができる自転車として注目されています。

実証実験にて使用したクロスバイク型の自転車では、一度の充電で最大100km程度の走行が可能であり、伊豆半島の海岸沿いを周遊するには十分なスペックでした。これならどこへだって行けそうですね!

一通りのレクチャーを受けた後は、石廊崎オーシャンパークを順調に出発し、海沿いを快走しながらジオスポットや観光名所として知られる弓ヶ浜海岸や中木海岸等を巡りました。

E-BIKEでゆっくりと走っていくと、普段は自動車で通過している見慣れた道も新鮮に感じられました。

そして、なんと言っても、ぽかぽかとした冬の柔らかい日差しの下でのサイクリングは最高でした!

コースの経由地点に設定されているジオスポットでは、現地の自然に精通したガイドによる解説が行われ、地形の成り立ちや人々の暮らしとの関わりについて学ぶことができます。

写真は弓ヶ浜にて海岸線の変遷について解説している様子です。図や写真、実際の景色を用いた説明はとても分かりやすく、伊豆半島の自然の素晴らしさについて再認識することができました。

【ガイドによる解説 弓ヶ浜海岸駐車場にて】

さて、気になるジオスポットの景色ですが、こちらはまた後日に写真を交えてご紹介できればと思います。

伊豆半島ジオパークや富士箱根伊豆国立公園の伊豆半島地域には素晴らしいスポットがたくさんありますので、どうぞご期待下さい。

今回の実証実験では、伊豆半島の豊かな自然を満喫しながら安全にコースをまわることができました。

坂道の多い伊豆半島においては、電動アシスト付きのE-BIKEが大活躍。自転車初心者の私でも景色や磯風を楽しみながら難なく走行することができ、とても良い勉強になりました。

近い将来には、E-BIKE等の自転車を活用したツアーが国立公園利用の新しい形態の一つとなることでしょう。

外出や旅行に大きな制限が生じている時期ではありますが、これを機に、環境配慮型少人数ツアーによってサステナイブルツーリズムが普及することを願っています。

※外出の際には、咳エチケットの徹底やソーシャルディスタンスの確保等の基本的な感染症対策に努めましょう。また、旅行を計画されている方は、各自治体のガイドライン等によく目を通し、最新の情報についてこまめに確認を行いましょう。

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