アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
伊豆半島のジオサイトを紹介します! 第2弾
2021年02月01日みなさん、こんにちは。小さい頃はバウムクーヘンを一層ずつ剥がして食べていた齋田です。
大人になった今では生クリームをたっぷりかけて頬張っています。
さて、前回の日記に引き続き、富士箱根伊豆国立公園伊豆半島地域で見られるジオサイトをご紹介します。
第2回目となる今回の日記では、「しましま模様」と「ハートの地形」が特徴のジオサイトについて、その見どころを解説します。
■恵比須島 (静岡県下田市)
下田市の須崎に位置する恵比須島は、橋で渡ることのできるとても小さな島です。
島の外周に整備された遊歩道からは、海底火山の噴出物によって形成された地層を見ることが出来ます。
【静岡県下田市 恵比須島】
この洋菓子のようなしましま模様は、軽石や火山灰によって形成された地層です。
伊豆半島南部には、はるか昔の海底火山の噴出物が広く分布しています。海底火山時代の後に隆起と浸食を繰り返し、本来は海の下の深くに埋もれていたはずの地層が地上で見られるようになったと言われています。
地学は全くの専門外なのですが、このジオサイトのしましま模様からはなんとも不思議な魅力を感じます。
■龍宮窟 (静岡県下田市)
海底火山の噴火によって降り積もった軽石や火山灰の地層に波が打ち付けると、波の当たる方向にだんだんと削られていき、海食洞と呼ばれる洞窟が出来ることがあります。
下田市の田牛で見られる龍宮窟は、こうして生まれた海食洞の天井の一部が崩落し、直径40~50m程の巨大な天窓が出現したものと言われています。
【静岡県下田市 龍宮窟】
この海食洞を上から覗くと地面の形がハートに見えることから、若いカップルに人気のジオスポットです。
洞窟の内部から天窓を見上げると、水面によって照らされた黄褐色の火山礫がより神秘的に感じられます。
今回の日記では、富士箱根伊豆国立公園伊豆半島地域で見られるジオサイト、「恵比須島」と「龍宮窟」についてご紹介しました。
ジオサイトの多くは、見学者の知識量によって見え方や感じ方が大きく変化しますので、みなさんがいつか伊豆半島に訪れる際の一つの参考になれば嬉しいです。
次回は、テレビCM等で一躍有名となった大人気ジオサイト「入間千畳敷」を解説します。お楽しみに!
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