ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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南アルプス国立公園

187件の記事があります。

2020年09月18日北岳へ巡視に行ってきました

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

先日、北岳を白根御池小屋経由で巡視しました。今年の北岳は登山道が閉鎖されているため、登山者の姿はなく、静かな巡視になりました。今回は巡視中に確認できたニホンジカの被害などについてお伝えしようと思います。

白根御池小屋付近では例年、ニホンジカの足跡がよく見られますが、今回も確認してしまいました。今年は登山者がいないため、人間の足跡はなく、ニホンジカの足跡だけが目立ちました。また、白根御池小屋から草すべりに向かう登山道では、不嗜好植物がたくさん!

マルバタケブキやミヤマバイケイソウの花期が終わっているため、若干枯れているものが多いですが、この時期に咲く秋のお花が全くと言っていいほど咲いていませんでした。マルバタケブキやミヤマバイケイソウがない写真手前は地面が見えてしまっている部分もあります。・・・ニホンジカの踏圧でしょうか。

草すべりを登っていくと、防鹿柵が設置されています。北岳へ登ったことがある方は見たことがあるかと思います。設置されている防鹿柵の中にはウメバチソウやトリカブトなどの高山植物が咲いていました。高山植物が咲く防鹿柵の際にあった植物が・・・

見事に食べられてしまっています!!防鹿柵の中に先端が入り込んでいるものの、しっかり食べられてしまっていますね。このような光景を見ると、悲しくなります。

ニホンジカは標高2,700m付近までで止まることなく、標高3,000mでも足跡が確認できました。

同じ個体が何度も移動している可能性もあり得るので、一概にたくさんのニホンジカが生息しているとは言いがたいですが、足跡は1つや2つ、ではなく、たくさんの足跡ありました。巡視中にニホンジカの姿を見ることはなかったですが、ニホンジカの痕跡は多く見られました。

環境省のほかにも、ニホンジカ対策に取り組んでいる機関があります。ニホンジカによる被害が少なくなって、いつかお花畑が、いつか防鹿柵がなくても高山植物が咲き乱れる南アルプスに戻って欲しいと思います。

見られたのはニホンジカによる食害だけではありません。

強風とガスを抜けた後にこんなステキなご褒美がありました・・・♪全く同じ風景はもう見ることができないと思います。自然とは一期一会の関係ですね。

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2020年09月08日仙丈ヶ岳のニホンジカによる被害

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

8月下旬に仙丈ヶ岳にニホンジカの食害状況確認と環境省事業で設置している防鹿柵の確認に行ってきました。

登山道に入ってすぐ、さっそくニホンジカの痕跡を見つけました。

若干、写真がブレていますが、ニホンジカの糞です。周辺にもぽつぽつと落ちており、このあたりを生活圏として利用している様子が伺えました。

仙丈ヶ岳は、「花の仙丈」と呼ばれ、シナノキンバイが群落を形成し、斜面を彩っていましたが、ニホンジカの食害が見られるようになってからはご覧の通り。


植物は生育しているものの、不嗜好植物(ニホンジカが好まない植物)であるマルバタケブキが咲いていて、場所によっては綺麗に整備された芝生のようになっています。「花の仙丈」とはほど遠い状況になってしまっています。

1日目は糞や食害、樹皮剥ぎなどが見られる中、肝心のニホンジカの姿を確認できないままでしたが、2日目に仙丈ヶ岳を代表するカール(圏谷)の1つ、小仙丈カールでニホンジカを見つけました。


どこにいるでしょう。クリックすると画像が多少、大きくなるので探してみてください。

見つけられましたか?

3頭のニホンジカがいます。見つけたときは下草を食べていましたが、こちらに気づいたようでこのあと樹林の中に逃げていきました。私はカールの中にいるニホンジカを見たのは初めてだったので、衝撃的でした。登山者の利用や山小屋関係者の常駐がない今年は、ニホンジカにとっては楽園になっているようです。

仙丈ヶ岳には環境省事業で、5基の防鹿柵を設置しています。防鹿柵の効果は一目瞭然です。

植物の高さや種類が全く違います。防鹿柵の中にはオヤマリンドウやウサギギク、ハクサンフウロ、ミヤマバイケイソウなどが咲いていました。環境省以外にも林野庁や信州大学、長野県、伊那市等の11機関で構成されている南アルプス食害対策協議会が設置している防鹿柵もあります。時間がかかっても、いつの日か、以前のような「花の仙丈」に戻ってくれることを祈ります。

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2020年09月03日【お知らせ】南アルプス市芦安山岳館でアクティブ・レンジャー写真展開催中!

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

9月1日から9月28日まで、南アルプス市芦安山岳館にて「環境省 アクティブ・レンジャー写真展‐国立公園・野生生物の姿‐」を開催しています!

アクティブ・レンジャー写真展では関東地方環境事務所管内の自然の素晴らしさや大切さ、国立公園の魅力、環境省職員であるアクティブ・レンジャーによる自然環境保全や適正な利用促進の業務について紹介しています。

南アルプス自然保護官事務所からはライチョウや赤石岳のV字谷など、計4枚の写真を展示しています。各国立公園などのパンフレットの配布も行っています。子どもたちに人気の「冒険手帳」もありますよ♪

★ 南アルプスユネスコエコパークのホームページにも掲載いただきました!

ホームページ内には南アルプスユネスコエコパーク関連の最新情報が掲載されています。

ぜひ、こちらからご覧ください。

また、会場である南アルプス市芦安山岳館では8月より、無料エリアが設けられています。

(参考:https://www.minamialps-net.jp/cat_news/340770

アクティブ・レンジャー写真展はこの無料エリアの中で開催されています。

無料エリアには山岳関係の図書コーナーや塗り絵を楽しむコーナーなどがありますので、そちらもあわせてお楽しみいただけます♪

南アルプス国立公園はもちろん、関東管内の国立公園および国指定鳥獣保護区の魅力をたくさんの方に知っていただきたいと思います。夜叉神峠の帰りや芦安に遊びに来られた際にはぜひ、お立ち寄りください!!

◆ 南アルプス市芦安山岳館では新型コロナウイルス対策を実施しています。

  下記リンクをご一読いただいた上で入館するようにしてください。

  新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン(芦安山岳館)

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2020年08月25日この夏、南アルプスで見られたお花

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

相変わらず気温が高く暑い日々ですが、標高が高い南アルプスの山々では朝晩が冷え込むようになり、秋の訪れを感じます。例年、この時期は多くの登山者で賑わう南アルプスですが、巡視をしていても登山者に会わず、山小屋関係者にも会えず。なんだか物寂しい気持ちもありますが、高山植物は元気に生育していました。今回はこの夏、南アルプスで見つけたお花を紹介したいと思います。

■ ウサギギク

根の近くに生える葉がウサギの耳に似ていることから「ウサギギク」と名づけられました。わたしが見たときは太陽のほうを向いて咲いている個体が多く、ひまわりを見ているかのような気分でした。高山植物には黄色い花が多いですが、ひと際目立ちますね。

■ トウヤクリンドウ

トウヤクリンドウは「当薬」または「唐薬」として、昔から薬に使われていました。緑の斑点が独特な模様ですよね。稜線部に咲き、8月から咲き始めて9月ごろまで花をつけます。奥に見えるのは北岳です。今年の北岳稜線部ではこのトウヤクリンドウがあちこちに咲いていました。

■ タカネビランジ

南アルプスの固有種、タカネビランジ。左は北岳で、右は地蔵ヶ岳で撮影しました。タカネビランジは地域によって色の個体差があるのが特徴です。北岳や荒川岳で見られるタカネビランジは左の写真のような白色または薄いピンクが多いです。対して、鳳凰三山や北岳の一部では右の写真のような淡いピンクが多く咲きます。

■ オヤマリンドウ

まだつぼみのオヤマリンドウ。濃い青紫がとても綺麗ですよね。晴れていても完全に花が開くことはなく、半分開いている状態のことが多いです。オヤマリンドウを見ると、¨夏が終わってしまう!¨と少し焦りを感じます。

他にもイブキジャコウソウやシコタンソウ、ハンゴンソウなどが南アルプスを鮮やかに彩っていました。

今年は7月の遅くまで梅雨が続き、巡視中、晴れの日が少なかったですが、梅雨が明けてからは比較的、晴れの日が続きました。夏の南アルプスは午後になると高確率で雷雨になりますが、今年は夕方まで強く日が差していることが多かったように思います。今年の南アルプスは、山小屋が営業し登山道が閉鎖されていない甲斐駒ヶ岳や鳳凰三山で登山者がみられますが、天候が変わりやすいので、早出早着を心がけて登山するようにしてください。コロナウイルス対策も忘れずに!


▲仙丈ヶ岳 北岳稜線より

▲小太郎山と甲斐駒ヶ岳 北岳稜線部より

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2020年08月20日南アルプス市芦安小学校で出前授業を行いました

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

7月下旬に南アルプス市芦安小学校にて、3~6年生を対象に出前授業を行いました。芦安小学校では、総合的な学習の一環として、鳥獣による食害の学習に取り組んでおり、今回の出前授業では南アルプス市(旧芦安村)にある北岳などのニホンジカによる被害について金丸生態系保全等専門員が出前授業を行いました。今回はその様子をお伝えしたいと思います。

金丸生態系保全等専門員より、南アルプス自然保護官事務所の仕事や南アルプス国立公園で確認されている被害状況について紹介しました。芦安では昼夜問わず、道路脇や河川敷にニホンジカの姿が見られます。児童たちの反応で驚いたことは、芦安小学校では校庭にニホンジカが現れ、ニホンジカの糞が落ちているらしいです。都心のこどもたちにとっては、ニホンジカはなかなか見ることができず、珍しい動物かもしれませんが、芦安のこどもたちにとってはよく見る光景で、珍しさは感じないのかもしれません。

座学の次は、タブレットを用いてニホンジカの動画を見たり、鳥獣の捕獲に使うくくりワナを見たり。中でも児童たちの興味を引いたのが、ニホンジカの毛皮と角です。毛皮は夏毛と冬毛の両方を用意し、触り心地などの違いを感じてもらいました。

「夏毛のほうが堅い!」

「冬の毛はふわふわ」

「ちょっと臭いね」

「角の先っぽってこんなにとんがってるんだ!」

ニホンジカの姿はよく見かけても、毛皮や角に触れたり、ニオイを感じる機会は多くないので、貴重な体験になったのではないでしょうか。また、児童のみならず、初めて触る先生方も多かったようです。

今後、芦安小学校の児童は地域の山に登り、ニホンジカを含む鳥獣による被害の観察に行く予定だそうです。事前に学習したことを自分の目で確認して、実感してもらいたいです。

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2020年08月13日鳳凰三山 地蔵ヶ岳の巡視に行ってきました。その2

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

前回は確認されたニホンジカの被害についてお伝えしました。今回はニホンジカの被害に負けずに咲いていた植物を紹介したいと思います。

◆ オサバグサ

葉がシダのような形になっており、機織りの「オサ」に似ていることから「オサバグサ」と名付けられたようです。下向きではありますが、純白な可愛らしい花を付けます。あちこちで見られる花ですが、日本の固有種でとても貴重です。

◆ クルマユリ

クルマユリは鮮やかなオレンジ色が特徴的です。鳳凰小屋の周辺で咲いていました。わたしたちが巡視に行ったその日に開花したようで、わたしたちのことを出迎えてくれたような気持ちで嬉しくなりました。

◆ キバナノアツモリソウ

よく耳にする「アツモリソウ」はピンク色でぼってりとしていますが、キバナノアツモリソウはアツモリソウよりスマートでキリンような色合いになっています。キバナノアツモリソウは自然環境の変化や盗掘によって、年々数が減っており、環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

◆ ツマトリソウ

花弁の縁に見られる紅色の縁取りを和服の「褄とり」に見たて名付けられました。ほんのり色づいている紅色の縁がなんとも可愛らしいですよね。小雨により、水がしたたっていてより綺麗さが増していました。こうして、雨降りの中でも足元の植物が登山を楽しませてくれますね。

綺麗な植物のほかにもこんな出会いが。


オトシブミが作った揺籃(ようらん)と呼ばれるものです。オトシブミとは木の葉を巻いてゆりかごをつくる性質をもったゾウムシの総称です。卵から孵った幼虫は、この揺籃を食べ、成虫になるまでこの中で暮らします。葉の巻物が「文(ふみ)」に似ていることから、揺籃を作る昆虫をオトシブミと呼ぶようになったそうです。登山道のあちこちに落ちていていました。孵化する前に踏まれてしまわれないよう、無事に孵化してもらいたいです。

長い梅雨が明け、ようやく夏らしくなってきましたね。南アルプス山域で営業している山小屋はかなり限られていますが、利用される際はコロナウイルス対策を十分に行うようにしてください。

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2020年08月06日鳳凰三山 地蔵ヶ岳の巡視に行ってきました

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

7月中旬に鳳凰三山の1つ、地蔵ヶ岳のニホンジカ被害状況の確認に行ってきました。

鳳凰三山は観音岳(2,841m)をはじめとする、薬師岳(2,780m)、地蔵ヶ岳(2,764m)から成る山で、日本百名山、山梨百名山に選出されています。鳳凰三山登山の歴史は古く、平安時代には修験者が登山しており、信仰の山としても古くから多くの人々に親しまれています。また、高山植物の種類も豊富で、鳳凰三山にしか咲かない「ホウオウシャジン」があります。

今回のルートは御座石温泉-鳳凰小屋(泊)-地蔵ヶ岳の往復で、このルートは標高が上がるにつれて花崗岩の白い地質がみられるようになるとともに、樹林帯から高山帯へと植生が移り、変化に富んでいます。

今回の記事では、確認されたニホンジカの被害状況をお伝えしようと思います。

歩き始めて10分ほど。さっそく樹皮剥ぎを見つけました。

つるつるなので、比較的新しいものです。

コメツガやミズナラやカツラなどいろいろな種類の樹木がある中、一際、樹皮剥ぎが目立った樹木は『リョウブ』でした。


白い小さな花を付け、樹皮はヒメシャラやナツツバキに似ています。剥がれやすく、柔らかいのでニホンジカにとって食べやすい樹皮のようです。樹皮剥ぎされた樹木はやがて枯れてしまいます。枯れて、根に元気がなくなり保水力が保てなくなると、大規模な土壌流出や台風等で倒木する恐れがあります。鳳凰三山は標高が高くなると崩れやすい花崗岩の砂地に覆われるので、ニホンジカの食害による土壌流出がとても心配です。

人間の出入りが多い小屋の周辺でもシカ害が見られました。

△シラビソの食害

テント場で確認されたものです。茎はあっても、新芽の部分は食べられてしまい、開花しない(できない)花も見られました。

△小屋前の食害

この写真は御座石温泉と青木鉱泉の分岐付近です。以前はこの場所にクルマユリやヤナギランが咲いていましたが、ニホンジカの被害に遇い消失。今では芝刈り機で刈ったような草地になっています。小屋のスタッフによると、小屋の目の前までニホンジカがきて植物を食べてしまっている状況とのこと。柵をせず自然体のままでは食べられてしまう、という状況になってしまっていることが非常に悲しいです。

樹皮剥ぎや小屋周辺の食害は約1,300m2,400mで地点でみられますが、標高を上げて2,700m地点に来ると、足跡があったり糞が落ちていたり。


足跡も大きいものから少し小さいものまで。2,700m付近で生活している個体がいるようです。

今回は個体そのものに出会うことはできませんでしたが、各地点でニホンジカの被害が確認されました。鳳凰三山でニホンジカ対策に取り組んでいる関係機関のデータによると、年々定点カメラでの撮影枚数も増加しているようです。鳳凰三山の素晴らしい植生、景観を守るために、今できることを探していこうと思います。

次回はニホンジカの被害に負けずに咲いている高山植物の様子をお伝えしようと思います。お楽しみに!

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2020年07月31日アイコンの写真はどの場所?

南アルプス国立公園 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

みなさんは関東地方環境事務所ホームページ(http://kanto.env.go.jp/index.html)のアクティブ・レンジャー日記のアイコンの写真をまじまじと見たことがありますか?

オレンジ色で囲まれた写真はどの場所か、お分かりでしょうか?

この写真は南アルプス国立公園の荒川岳のお花畑と赤石岳です。多くの方が見るこのアイコンに南アルプス国立公園が使用されていることは、とても嬉しいです。

荒川岳と赤石岳は南アルプスの南部、静岡県に位置する山です。東岳(悪沢岳)、中岳、前岳の3つの山を総称し、「荒川三山」と呼ばれています。中でも東岳(悪沢岳)は標高3,141m、日本で6番目に高い山です。奥に見える赤石岳は赤石山脈の由来になっており、標高は3,121mと東岳に次ぎ、日本で7番目に高い山です。今回は手前に見える荒川岳のお花畑にスポットライトを当てていきたいと思います。

南アルプス国立公園の魅力の1つとして、種類・色彩が豊富な高山植物が挙げられます。中でも、アイコンに使われている荒川岳のお花畑は、南アルプスの中でも1番大きいといわれています。登山道沿いにあるこのお花畑、下アングルから見てみると・・・。

黄色、白、ピンクなどカラフルな色合いはまさに百花爛漫。この光景を初めて見たときは言葉が出ず、圧倒されました。 重いザックを背負って長時間歩いていたことさえも忘れてしまうくらいでした。今までの疲れが吹き飛びますね。

ここで、この大きなお花畑にどんな花が咲いているのか、一部ご紹介します。


他にもハクサンチドリやキバナノコマノツメ、ハクサンフウロ、ミヤマバイケイソウ、ゴゼンタチバナなど、何種類もの高山植物が咲いています。

この素晴らしいお花畑を守るために、南アルプス自然保護官事務所では防鹿柵を設置しています。

登山道を含むお花畑なので、ニホンジカが侵入しないように入口と出口には扉を設置しています。(写真右)多くの方の協力があって、美しい状態を保てています。関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャー日記のアイコンを見た際には、斜面いっぱいに広がる素敵なお花畑、そしてお花畑を守るための取り組みを思い出していただければと思います。

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2020年07月14日高山チョウを守るために

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

6月下旬に高山チョウ違法捕獲およびミヤマハタザオの違法採取パトロールに行ってきました。このパトロールは、限られた地域の高山帯に生息するクモマツマキチョウの食草で、南アルプス国立公園の指定植物*である「ミヤマハタザオ」の違法採取が平成24年、25年にあったことから、平成24年から継続的に行われている業務です。

*指定植物とは】

国立公園および国定公園の風致景観を構成する重要な要素であり、特別地域(南アルプス国立公園は公園内全域)内では、環境省の許可を得なければ採取できない植物のこと。

高山チョウと街で見かけるチョウの大きな違いは、全ての生活史を高山帯や亜高山帯で過ごすことです。本州では10種類ほど、南アルプス山域では7種が生息しています。

今回のパトロールでは幸いなことに、高山チョウおよびミヤマハタザオの違法採取者はいませんでした。また、ミヤマハタザオの開花も確認できました。

△ミヤマハタザオ

土砂降りから始まった今回のパトロールでしたが、お昼過ぎには青空が広がりました。新緑と野呂川の音を聞くと心が穏やかになります。次第に気温も高くなり、チョウたちも姿を見せてくれました!なかなか静止してくれないので、ピントを合わせるにも一苦労です。

私が図鑑を見ても、どれも似たように見えてしまい、名前が分からないため、チョウに詳しい方に聞いてみたところ、ギンボシヒョウモン(左)とシロチョウ科(右)だそうです。シロチョウ科は見分けることが難しく、いろんな角度から見ないと同定が難しいようです。

長野県では南アルプスに生息するすべての高山チョウの採取が長野県文化財保護条例で禁止されており、ミヤマシロチョウは県特別指定希少野生動植物に指定されています。山梨県でも平成31年に高山チョウ含む6種のチョウが山梨県指定希少野生動植物種の保護に関する条例で指定されました。

長野県HPhttps://www.pref.nagano.lg.jp/shizenhogo/kurashi/shizen/hogo/kisyoyasei/jorei/jorei-kisyosyu.html

山梨県HPhttps://www.pref.yamanashi.jp/midori/58784767238.html

指定植物は自然公園法、高山チョウは自然公園法のほか各県の条例等が適用され、違反した場合は罰則も科されます。なぜその場所に生息しているのか。その動植物に良好な自然環境がそこにあるからです。多種多様な生き物が生息している南アルプス山域の豊かな自然環境を守るためには、みなさんのご理解とご協力が必要です。これらの動植物は採取せず、自然のままにしてください。

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2020年07月07日北岳へ防鹿柵の設置確認に行ってきました

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

6月下旬に北岳に設置されている防鹿柵の現場確認に行ってきました。

北岳では草すべりや右俣にて、ニホンジカの採食圧の影響が見られ、早急に保全を図らなければ植生が衰退する恐れがあるとされています。その中でも草すべりや二俣登山道沿いの斜面に広がるお花畑は北岳の重要な景観を構成している場所です。お花畑の保護を図るため、平成23年度より防鹿柵を設置しています。¨この防鹿柵、見たことがある!¨という方も多いのではないでしょうか。

△草すべりにある防鹿柵

防鹿柵の中ではシナノキンバイやキバナノコマノツメなどが咲き、つぼみの株もありました。私はニホンジカの被害を受けている北岳のお花畑しか知らず、それでも¨お花がたくさんある¨という印象ですが、昔から登られている方の多くが「ここにはもっとお花があったんだよ」と教えてくださいます。柵を設置すればすぐにお花が戻るというわけではないですが、私も当時の素晴らしいお花畑を見てみたいです。

写真の通り、今回の行程では青空は一度も出ることはなく、雨が降りずっとガスで真っ白でした。足元や目先を見てみると、ミネザクラが咲いていたり、初夏を漂わせるタカネグンナイフウロが咲いていました。

△ミネザクラ

△タカネグンナイフウロ

他にもゴゼンタチバナやショウジョウバカマなど、この時期らしい高山植物が元気に咲いていました。

例年ですとこの時期はたくさんの登山者で賑わいますが、今年は山小屋休業や公共交通機関の運休によって登山者がいない静かな北岳でした。その一方で、樹皮剥ぎや登山道脇の斜面や雪渓にはニホンジカの足跡があったりと、ニホンジカの動きは活発なようです。南アルプスが誇る高山植物を守るため、防鹿柵の設置などの対策に今年も積極的に取り組みたいと思います。南アルプスへの入山ができるようになりましたら、皆さんにも南アルプスの高山植物を楽しんでいただきたいと思います。

なお、令和2年度は、北岳は閉山状態となることが決まりましたので、ご注意ください。先日、山梨県および南アルプス市、早川町から登山道の利用禁止やマイカー規制を行わず通行止めとすること等関する情報が発表されました。詳しくは下記URLをご覧ください。

山梨県HPhttps://www.pref.yamanashi.jp/kankou-sgn/50915161945.html

南アルプス市HPhttps://www.city.minami-alps.yamanashi.jp/docs/8468.html

早川町HPhttps://www.town.hayakawa.yamanashi.jp/tour/traffic-info/regulation.html

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