アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
開山二百年
2016年09月14日こんにちは。
みなさん、こちらの山はご存知でしょうか?
綺麗な山だと思いませんか?こちらは『南アルプスの貴公子』なんて呼ばれること
もある山です。
(南アルプスの貴公子。9月2日小仙丈ヶ岳付近から撮影)
この山の名は『甲斐駒ヶ岳』。
南アルプス北部、長野県伊那市と山梨県北杜市にまたがる山で、標高は2,967mです。
長野県の伊那地方では『東駒ヶ岳』とも呼ばれています。
山頂を見ると真っ白ですね。この白い部分は何だと思いますか?
初めて見る人は「雪が積もっている!」と驚きます。
しかし、雪ではありません。
白色の正体は『花こう岩』。
南アルプスでは甲斐駒ヶ岳や鳳凰三山などで見られる岩で、これらの山では白い岩と
青い空のコントラストを楽しむことができます。
(甲斐駒ヶ岳の白と青のコントラスト!)
さて、この甲斐駒ヶ岳は今年、開山200年を迎えています。
延命行者小尾権三郎が、文化13年(1816年)に現在の山梨県北杜市側から黒戸尾根を
登る道を開いたそうです。開山後は甲斐駒ヶ岳講が生まれて多くの人が登るようになり、
現在でも黒戸尾根の登山道では信仰にまつわる石碑や石仏などを見ることができます。
しかし、この黒戸尾根は標高差約2,200m(登り始めの場所によっては標高差2,500m!!)
のとても厳しいルートです。北岳に登るよりもキツイでしょう。
現在は北沢峠(長野県伊那市側)からの登山道もありますし、北沢峠から片道1時間半ほどの
仙水峠から甲斐駒ヶ岳を間近に眺めるだけにするという選択肢もあります。標高約3,000mの
高山なので、自分の体力や時間に合わせて計画を立て、安全に楽しく登山してくださいね。
ちなみに仙水峠では、大小の岩がゴロゴロと広がる『岩塊斜面』という面白い地形を見ることも
できますよ。
(仙水峠の岩塊斜面。2014年9月下旬撮影)
【 東駒ヶ岳について 】
長野県の伊那谷では西側に中央アルプス(木曽山脈)の木曽駒ヶ岳が、東側に南アルプス(赤石山脈)
の甲斐駒ヶ岳がそびえていることから、木曽駒ヶ岳を『西駒ヶ岳』、甲斐駒ヶ岳を『東駒ヶ岳』と呼ん
でいます。伊那市の情報などをチェックすると『東駒ヶ岳』と載っているのを発見できます♪