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アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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日光国立公園

149件の記事があります。

2021年09月21日【那須】 「アサギマダラの楽しみ方」

日光国立公園 善養寺聡彦

みなさま、こんにちは。 日光国立公園 那須管理官事務所の善養寺聡彦です。

今回は、「アサギマダラ」

アサギマダラは那須地域では夏に見られます。

9月中旬でも那須連山の稜線や那須平成の森などにも見られます。

アサギマダラは、タテハチョウ科アサギマダラ属の蝶。

アゲハチョウレベルの大きさがありますので、目立ちます。

色や模様は、ド派手ではありませんが、栗色をベースに、

薄青色(浅葱色:あさぎいろ)の透かし部分をあしらった、シックな蝶です。

(注:個人の感想です)

ヨツバヒヨドリで吸蜜するアサギマダラ

アサギマダラは、以前は、「夏の高原でたまに見かける珍しい蝶」という見方が一般的でした。

(注:個人の判断です)

ところが、しだいに全国の情報が集まると、

地域によって見られる季節が異なり

また必ずしも高原の蝶ではなかったのです。

(※今ではアサギマダラが集まる島として有名な姫島(大分県)では、

海岸にアサギマダラが密集するのですが、

このことを島の人が蝶の専門家に報告しても、

長らく信じてもらえなかったそうです。)

姫島では海岸のスナビキソウにアサギマダラが集結する

【渡り】

高原では、アサギマダラは夏に見られます。

しかし低地に多くのアサギマダラが見られる地域もあります。

また、姫島のように海岸に群れる地域もあります。

実はアサギマダラは、春は北上し、秋は南下する、

つまり '渡り' をしているのです。

成虫はおおよそ奄美諸島以南で越冬しますが、春に北上します。

関東以南の地域では幼虫が越冬しますが、これが羽化した成虫も北上に加わると思われます。

越冬虫のアサギマダラ幼虫(南房総市)

北上は温暖化の影響もあるのか、北海道を越え、樺太に達しているものもあるようです。

北上によってアサギマダラは日本各地で数を増やしていると考えられます。

夏は高原などの涼しい地域で過ごします。

お盆を過ぎる頃、南下します。

暑さを嫌う蝶なので、最初は高原を移動しますが、

秋の深まりとともに平地でも見られるようになります。

南は、沖縄諸島、先島諸島、さらに台湾に達することが、

マーキング調査によって確認されています。

【マーキング調査】

蝶の長距離移動というと、北米のオオカバマダラが有名です。

北はカナダまで分布しますが、秋には北米全域の蝶が南下し、

メキシコの山中のごく限られた地域の樹木に集まって

集団越冬することが知られています。

(※蝶の集合場所は他にもあることが知られています。)

大木の枝が折れるほどに密集する光景は、色々な番組等で紹介されています。

この移動の様子は、蝶に特殊なシールを貼ってマークし、

マークされた個体が再捕獲されることで明らかにされました。

これと似た方法で、アサギマダラの移動の様子が明らかにされてきています。

アサギマダラの場合は、特殊なシールがなくても、

サインペンさえあれば、このマーキングによる移動ルートの研究に参加できます。

アサギマダラには翅(はね)に透けた部分(この部分の鱗粉が極めて小さい)があり、

ここにサインペンで文字が書けます。

蝶を捕獲した人(標識者)は蝶を捕獲した地点の名称、日付、標識者、番号などを記入します。

MARU:丸沼(群馬県片品村)-記号は任意です-

8/27:標識日(8月27日)

ZEN:標識者固有記号(勝手に決めます)

02:通し番号(標識者の都合により決めます)

蝶が移動した場所で誰かがこの蝶を再捕獲すると、

蝶が長距離を移動したことが証明されます。

この調査に参加する人は年々増え、データも膨大なものになってきています。

自分が標識して放蝶した個体が、遙か遠方で見知らぬ人に再捕獲されて連絡が入る。

そしてそれは科学的に重要なデータとなる。

なんとロマンに満ちたことでしょう。

(私が日光湯元で標識した蝶が、与那国島で再捕獲されました。)

今、アサギマダラは全国で南下中!!

出会ったらよく観察してみてください。

そして翅に注目!!!

マークが付いていたら捕獲して記録(写真を撮るなど)。

インターネットで「アサギマダラ、マーキング」で検索すると、

連絡先が見つかります。

マークがなくても捕獲してマーキング!

再捕獲に期待!

アサギマダラの存在が、グググっと近くなります。

【タオルキャッチ】

アサギマダラの捕獲と言っても、捕虫網が必要です。

もし捕虫網がなかったら、白いタオルを振るように回してみましょう。

「なにそれ?」

そうです。変な話です。

でもやってみましょう!!

なぜか? なぜか? なぜか?

アサギマダラはあなたに向かってやってきます。

マーキング調査を行っている人は、

この方法で、空高く飛翔している蝶を呼び込んで捕獲します。

これを、「タオルキャッチ」といいます。

この行動は、移動期の蝶に強く見られるようです。

なぜこのような行動があるのか?

どんなメカニズムなのか?

よく分かっていません。

実は私はこの行動の研究をしていますが、かなり難問です。

タオルを使ったモデルにアタックするアサギマダラ

マーキングをしなくても、その優雅な羽ばたき、

群飛する光景、海を渡りきる強さ、大海原で方向を定める驚異の能力に魅せられて

写真を撮る人たちも集まります。

マーキングをする人、写真を撮る人は、

この渡りをする蝶を追って、今日も移動しています。

(私もその一人のようです。)

今度アサギマダラに逢ったら、「がんばれよ!」

と応援してやってください。

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2021年09月01日 「秋への移ろい」 いろいろ奥日光

日光国立公園 大森健男

 皆様こんにちは!日光のアクティブレンジャーの大森です。

 日光市内ではまだまだ夏の日差しの日もありますが、このところの奥日光の朝はすっきりとした「さむさ」を感じる季節となりました。

 湿原のヨシの穂も伸び、景色も秋の装いへと移ってきています。

秋への移ろい 秋の気配が広がる戦場ヶ原・・ 遠方は男体山

 国立公園でのアクティブレンジャーの仕事は多種にわたりますが、奥日光では湯元などの所管地の車道や駐車場などの施設管理をはじめ、戦場ヶ原や小田代原の歩道等の巡視や管理が大切な業務となっています。

ということで、本日は小田代原での活動の一こまをお知らせします。

きれいなお花畑??
いやいやこれは、特定外来生物(植物)のオオハンゴンソウの抜き取りです。

 特定外来生物とは、外来生物であって、生態系や人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの等で、詳しくは環境省HPでご確認ください。

https://www.env.go.jp/nature/intro/1law/outline.html

 例年ですと、日光パークボランティアの皆さんの活動として、奥日光の特別保護地区内を中心にオオハンゴンソウなど外来種の抜き取り作業を実施していますが、コロナの緊急事態宣言下で活動も制約を受け、この日はレンジャーとARの職員のみでの作業となりました。

 昨年の小田代原での日光のパークボランティアの皆さんの作業。

 例年ですと、奥日光地区で400kgくらいの外来植物除去を行っています。

この日抜き取った外来植物(メマツヨイグサ・オオハンゴンソウなど)

 秋色が日増しに濃くなる奥日光ですが、戦場ヶ原の木道については、木道に「ずれ」や「傾斜」が生じているところがあります。安全を確保するため一部、木道を下げて通行いただいているところがあり、段差が生じていますのでご注意をお願いいたします。

一部、敷板部分を下げている木道(戦場ヶ原)。通行にはご注意を!

秋への移ろいを感じる 戦場ヶ原・奥日光の山々

 現在、奥日光では緊急事態宣言発令に伴いビジターセンターや日光自然博物館などは閉館中です。

 また千手ケ浜や小田代原へ向かう低公害バスも運休中ですので、詳しくは関係HP等でご確認をお願いします。

・日光湯元ビジターセンターHP http://www.nikkoyumoto-vc.com/

・日光自然博物館HP       https://www.nikko-nsm.co.jp/

 

次回は、より色づいた奥日光をお知らせしたいと思います。

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2021年06月15日「劇場」ヶ原へのご招待!!!

日光国立公園 大森健男

皆様こんにちは!日光のアクティブレンジャーの大森です。

ようやく奥日光も春から初夏へと駆け足で、日に日に緑が濃くなってきました。

この移り変わりをお知らせしようとしましたが

・・・時すでに初夏から成夏にぐんと近づいてしまい写真を撮って準備していた

「シャクナゲ」や「ツツジ」の花はなくなってしまいました!

ということで、もうすでに初夏まっしぐらの奥日光の「王道」である戦場ヶ原の様子をお知らせします。

この6月の初夏の奥日光戦場ヶ原はまさに「劇場ヶ原」です! この代表は

1番 ズミ 2番 ワタスゲ 3番 レンゲツツジ といったところですが

この3者の共演が戦場ヶ原の見どころです。

 『ズミの花と男体山』

この共演にノビタキやホオアカ、そしてカッコウなどの高原の鳥たちの歌ごえも登場します。

そしてBGMはエゾハルゼミの大合唱団です。(写真や音声がありませんのであしからず)

 『皆さん、劇場を満喫です!!』

  『思わず息を大きく吸い込みたくなる空間です!」

 『レンゲツツジが加わった劇場が原(昨年の状況)』

戦場ヶ原の散策は、赤沼駐車場からか湯滝駐車場からが一般的です。

すべて歩き通すと3時間近くかかります。平坦だと思っていても、ぬかるみや足場の悪いところも

ありますので、それなりの体力としっかりとした足ごしらえが必要です。

全部歩き通さなくても、赤沼駐車場より20分程度で湿原が見渡せる「ワタスゲデッキ」まで出られますので、ここまででも戦場ヶ原の魅力が十分楽しめます。

『ワタスゲデッキ(通称)』

これからも様々な花々が咲き出し、季節の移り変わりが楽しみな奥日光です。

戦場ヶ原以外にも、シラカバの貴婦人で有名な「小田代原」、静かな森の湖「湯ノ湖」など

奥日光には、様々な「劇場」が用意されています。

これからも皆様に、奥日光の旬のいろいろな楽しみをお知らせしたいと思います。

奥日光の花の開花は以下が参考になります。

日光湯元温泉ビジターセンターの自然情報

http://www.nikkoyumoto-vc.com/

(株)日光自然博物館の自然情報のブログ

https://www.nikko-nsm.co.jp/web/blog/

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2021年02月17日奥日光のこのごろ!

日光国立公園 大森健男

 皆様こんにちは!日光国立公園管理事務所ARの大森です。

 2月の奥日光は、雪が降ったり暖かくなったり、時には地吹雪がまったりと目まぐるしく変わり、気温の変化もいろいろです。

 このような時期の奥日光の自然や冬の楽しみ方をご紹介します。

 中禅寺湖から見るまっ白な「日光白根山」

◇中禅寺湖畔

 冬は激しい風が吹き荒れ湖面に白波が立つ日が多いのですが、ふと風が吹かない日が訪れます。このような日は、湖面が鏡のようになり思わず足を止めて湖面を見入ってしまいます。

 湖面に映った「半月山」・・手前は湖畔プロムナード

 

 半月山は中禅寺湖南岸に位置し、春にはアカヤシオのピンクの花が咲き、男体山と中禅寺湖が一緒に望めるビュースポットです。半月山周辺は、地質的には奥日光ではもっとも古く後期白亜紀から古第三紀の地質だそうです。足元を見ると・・恐竜がいたころの地質と思うと考え深いです・・そんなことを思いながらのグリーンシーズンのハイキングも楽しそうですね!

 

◇三本松駐車場

 冬季オープンしている駐車場で公衆トイレもあります。クロスカントリースキーやスノーシューのレンタルもあります。

 バードウオッチングにはおすすめの場所です。去年の夏はズミの当たり年だったのでズミの実をついばむヒレンジャクなどの群れも見られることもあります。

 三本松駐車場とバードウオッチング

◇光徳駐車場周辺

 光徳はクロスカントリースキーやスノーシューで楽しむ方も多いところです。静かな雪の光徳沼や牧場などを散策するのも楽しいですね!

クロスカントリーを楽しむ人たち

 幼稚園生の雪遊び・・斜面を滑り降りて・・楽しみ方はいろいろです。

◇湯元スノシューコース

 湯元は積雪量もあり、パウダースノーの中を歩けることが魅力です。3つのスノーシューコースが整備され、それぞれコース標識にそって自分のペースで歩くといろいろな発見があると思います。

「金精の森」コース

コース案内板が要所に設置されています。「小峠コース」と「石楠花平コース」の分岐。

 スノーシューなどのレンタルは日光湯元ビジターセンターで。こちらではコースの情報や冬の楽しみ方のアドバイスもあります。

※日光湯元ビジターセンター & コース案内図

http://www.nikkoyumoto-vc.com/hiking/winter.html

 雪の季節に訪れることのできる蓼の湖(たでのうみ)・・神秘的です。

 まだまだ寒い季節が続きます。風が強いと見通しが悪くなる時もあります。冬の奥日光を楽しむには、十分な装備と暖かい服装で、時間に余裕をもってお越しいただくのが一番です。

 また、奥日光へ行かずにも日光が楽しめる耳寄りな情報です。

 現在、宇都宮市にある栃木県立博物館で「ちょっとディープな日光の自然ガイド」と題した、企画展が3月28日(日)まで開催されています。名前のとおり奥日光の自然の魅力をわかりやすく深く紹介しています。   詳細は下記のとおりです。

http://www.muse.pref.tochigi.lg.jp/exhibition/kikaku/20210116nikko/index.html

「ちょっとディープな日光の自然ガイド」企画展

          ・・・奥日光の動物たちが一斉に出迎えてくれます。

 とてもまとまった展示内容(ちょっとディープなところもありますが)です。一見の価値はあります。

展示内容が集約されているガイドブック(図録)も販売されているようですので、興味のある方はぜひ一読して奥日光に出向かれると新たな発見があるでしょう!

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2020年12月10日日光パークボランティア(NPV)活動です!

日光国立公園 大森健男

皆様こんにちは!

 奥日光では雪道を歩く機会も多くなり、しっかりと防寒対策をしないとつらくなってきています。湯元温泉の湯気がとても愛おしく感じられる今日この頃です!!

 そんな寒い小雪の降る中、戦場ヶ原でパークボランティアの方々と環境省日光国立公園管理事務所の職員による資材運搬作業を実施しました。

 戦場ヶ原では昨年の台風により被災した木道の復旧工事を進めていますが、木道を解体した敷板材を再利用して、仮設歩道の「う回路」のぬかるみ対策に活用するものです。

 木道や歩道を小車・リアカーで、階段は背負子・肩や手など、ありとあらゆる方法で運搬作業を実施しました。         

       

  戦場ヶ原に現れた「ボッカ?」隊    林間学校の子供たちからはご苦労様の声が

                          木道敷板の解体材・・水分を含んで重いのもあり    マンパワーがすべて!

                   

  

   アクティブレンジャーも当然、主力?メンバー

「う回路」は通行止め区間の解消のため林間に作成された仮設歩道で、日光パークボランティア(NPV)の維持管理活動にお世話になっています。

 

          「迂回路ぬかるみ対策などの維持補修活動」

 日光パークボランティアは昭和60年(1985年)に設置され、主に奥日光を活動の場として現在58名が登録されています。
 国立公園でのゴミ拾いや看板拭きをする清掃活動、動植物の調査、自然ふれあい活動などを通して、魅力的な奥日光の自然を伝えるとともに訪れる方々が気持ちよく国立公園を利用出来るような活動を続けています。

  

 「開花調査活動」・・・旬の花・植物を調査し、ビジターセンター掲示板等に表示して日光の自然を紹介

   「外来植物除去作業」

   ・・暑い夏、オオハンゴンソウやメマツヨイグサなどの抜き取り作業

 これから奥日光は雪の季節で、スノーシューやクロスカントリースキーの利用者も多くなり、パークボランティアの活動は赤布付けや利用の指導などの「雪上パトロール」活動が中心となります。

 このように四季を通じて奥日光ではNPVが活動しています。

 パークボランティアを見かけたら、ぜひお気軽にお声かけください。奥日光が大好きな人たちばかりですので、いろいろな話しが聞けると思います。

 

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2020年12月03日【那須】那須高原におけるオオハンゴンソウ駆除活動結果報告

日光国立公園 菅野敬雅

 こんにちは、日光国立公園 那須管理官事務所の菅野です。

 令和2年度に那須管理官事務所で実施しましたオオハンゴンソウ駆除活動の結果についてご報告いたします。

■活動の背景

 那須高原地域では、過年度より特定外来生物であるオオハンゴンソウの侵入・生育が確認されてきました。オオハンゴンソウの侵入による影響として在来植生との競合が危惧されています。

 那須管理官事務所では、平成21年度より那須高原地域においてオオハンゴンソウの駆除活動を地元ボランティアの協力のもとで実施しています。

 

▲特定外来生物オオハンゴンソウ         ▲大丸浄水施設における駆除活動の様子(R2/6/4撮影)

■令和2年度活動結果

①定期活動(地元ボランティアの協力のもと行う駆除活動)

 今年度の定期活動は計5回(6/4、6/18、7/16、8/20、9/10)実施し、合計参加者数49名、合計駆除数4183本でした。活動場所と経年駆除実績は以下のとおりです。

▲主な駆除活動場所

▼経年駆除実績

②三斗小屋宿跡での駆除活動(那須塩原市環境課と共同で実施)

 平成27年度より那須塩原市指定の史跡である三斗小屋宿跡において、オオハンゴンソウの駆除活動を実施しています。今年度は感染症対策のため規模を縮小して8/7に実施しました。

 この場所ではオオハンゴンソウが大群落を形成しており、抜き取りによる駆除が難しいことから、刈払機を用いて刈り取りを行っています。刈り取りは草丈や種子生産を抑制する効果がある一方、個体数の減少には繋がりづらいため、今後どのように駆除を行っていくかが課題となっています。

▲三斗小屋宿跡における駆除活動の様子(R2/8/7撮影)

③他団体への活動協力

 8/2に実施された那須高原ビジターセンター主催の「那須染めワークショップ~オオハンゴンソウでトートバックを染めよう~」に協力し、外来生物についてのレクチャーを行いました。

 8/6に県立那須高等学校による八幡つつじ園地における駆除活動に参加しました。また、7/21には高校生に外来生物についての事前レクチャーを行いました。

 

▲オオハンゴンソウを用いた那須染め       ▲高校生への事前レクチャーの様子

 今後も粘り強く活動を継続し、那須高原の生態系保全に努めていきたいと思います。

 那須管理官事務所では、令和3年度のオオハンゴンソウ駆除活動にご協力いただける地元ボランティアを随時募集しております。お気軽に那須管理官事務所(0287-76-7512)担当菅野までお問合せください。

○令和2年度活動計画についてはこちら

◎特定外来生物についてはこちら

◎オオハンゴンソウについてはこちら

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2020年11月10日【那須】 箱庭山岳は絶景の嵐 前編

日光国立公園 那須 善養寺聡彦

みなさま、こんにちは。 日光国立公園 那須管理官事務所の善養寺聡彦です。

今回は、那須の最も基本的な登山ルートをご紹介します。

まだ那須の山に登ったことがない方、

那須ロープウェイには乗ったけど山頂駅周辺しか行っていないかた、

はたまた茶臼岳の山頂で満足して、そこから引き返してしまった方には、

重要な情報です。

那須といえば茶臼岳(那須岳とも呼ばれますが、周辺の山々全体をさして那須岳と呼ぶこともあります)。茶臼岳は山頂の真下までロープウェイで行けるので、とてもお手軽に登山ができる山と言えるでしょう。とはいえ、山頂は1915m、風が出ればかなりの強風になることもしばしばです。そして歩道は石が多くて大変崩れやすく転びやすいので、登山をする場合は、登山に適した靴、雨具や防寒具などの準備はしっかりしてください。

茶臼岳には、山頂へ登る歩道の他に、山をほぼ平行に一周する周回線があります。茶臼岳の隣には朝日岳があり、この二つの山への登山が、那須での基本中の基本と言えるでしょう。この二座はほぼ半日で回れるルートですが、ここは非常に変化に富んだ地形で、少し歩くと風景が次々と変わります。コンパクトに様々な絶景が詰め込まれていて、絶景の箱庭と言えるでしょう。

ロープウェイ山頂駅を降りると、目の前には茶臼岳の溶岩ドームが立ちはだかります。

植生がほとんど無い荒々しい山頂をもつ活火山です(昭和28年にも小噴火がありました)。少しでも火山に興味がある人なら、すぐにこれが溶岩ドームであることが分かるでしょう。頂上を目指して登って行くと、溶岩ドームから崩れ落ちたとみられる大岩がそこここに見られます。

            ちょっとアルプスっぽい?

そんな岩の中には・・・、

              【 岩の恋 】

山頂までは急坂ですが、ゆっくりでも40分ほどで到着できます。

山頂からは、南東に広がる広大な扇状地、那須野が一望できますが、

雲海の日もしばしばあります。

遠く日光や尾瀬の山々が、雲海に浮かぶ島のようです。

山頂の脇には火口があります。

火口と思われる地形は数多く有り、那須連山が様々に姿を変えてきたことが分かります。

次に、火口を一周して、周回路に降りて行きましょう。

周回路に降りると、やがて峰の茶屋跡避難小屋が見えてきます。

            【ナスのマチュピチュ❤】

以前は同じ場所に茶屋が営業していましたが、今は建てかえられて避難小屋になっています。

やっぱり マチュピチュ?

ここから隣の朝日岳に向かってみます。

急峻で荒々しい山で、見る方向によって様々異なる姿を見せてくれます。

緑と岩肌のコントラストが目を引きます。

朝日岳に向かう途中には、

誰が名付けたか、【恵比須大黒!!】

こうした荒々しい岩の絶景が次々と現れます。

恵比須大黒は、現在2本の奇岩から成り立っていますが、以前は3本だったそうです。

絶えず姿を変える、それが那須連山です。

 

今回はここまで。

次回は朝日岳に登頂し、その後茶臼岳の周回路に戻って茶臼岳の裏側(北側)を回ります。

まだまだ絶景は続く・・・。

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2020年10月09日【那須】那須連山・姥ヶ平の紅葉

日光国立公園 菅野敬雅

 こんにちは、日光国立公園 那須管理官事務所の菅野です。

 肌寒い日が増えてきましたね。私は早くもひざ掛けともこもこの上履きを引っ張り出して勤務しています。

●那須連山の紅葉情報

 さて、秋といえば紅葉。

 那須地域の紅葉シーズンは那須連山から始まります!

 去る10月7日、茶臼岳や朝日岳周辺の登山道を巡視してきましたので、見頃を迎えた紅葉や混雑具合の様子をご紹介したいと思います。

 残念ながら巡視日は霧が深く、特に朝は視界が真っ白でした。

 ただ、霧の晴れ間から時折覗く景色に期待が高まっていきます。

▲霧の晴れ間から...

 そして、霧が流れた一瞬の隙に見えた景色がこちらです。

▲熊見曽根から茶臼岳・姥ヶ平方面

 お昼頃になると、上空に分厚い雲が残るものの、周りの霧は大分晴れてきました。

 この日の最終目的地として、有名な紅葉スポットの姥ヶ平を訪れました。

▲茶臼岳側から姥ヶ平方面

▲姥ヶ平から茶臼岳方面

 シャッターを押す指が止まりません。

 帰りの時間が迫り、名残惜しさを感じながら姥ヶ平を後にしました。

 今週末の台風14号で葉があまり落ちないといいのですが...

 なお、紅葉の時期は駐車場・登山道ともに混雑しますので、登山の際は余裕のある計画をお願いします。

▲狭い岩場の道が多く、渋滞になることも。

 

▲(左図)那須ロープウェイは8:00時点(始発30分前)で建物の外まで列が伸びていました。

 (右図)峠の茶屋駐車場は8:15時点で満車。満車の際は大丸の駐車場をご利用ください。

●山の紅葉が終わっても...

 那須地域の紅葉シーズンはまだまだ続きます。

 紅葉前線が那須連山から麓に向かって下りてくると、那須平成の森でも紅葉が楽しめます!

 オススメは駒止の滝。

 那須平成の森のスタッフによると、今年の駒止の滝の紅葉のピークは10月20日以降になるのではないかとのこと。待ち遠しいですね。

▲駒止の滝の紅葉(2019年10月27日撮影、那須平成の森提供)

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2020年09月03日【花の名、改めて命名】

日光国立公園 那須 善養寺聡彦

みなさま、こんにちは。日光国立公園 那須管理官事務所の善養寺です。

以前から山野草の観察をして、できるだけ多くの植物の名を覚え、見分けられるようになりたいと思っています。これまでは決まったシーズンにしか時間がとれず、それぞれの植物の決まった時期の様子ばかりを見てきました。今回アクティブレンジャーになって、1つのフィールドでシーズンを通して過ごすことになりました。すると、1つの植物の季節的な変化を追って観察できるようになり、それぞれの植物について、より深い理解ができるようになりました。今回は、今までやや疑問を持っていた、「植物の名」に納得がいったことについて紹介します。扱う花の季節は過ぎていますが、来期に確認していただければ有り難いと思います。

その①【イワカガミ】

名前に漢字を当てれば「岩鏡」で良いと思われます。その名の由来は、「岩場に咲く鏡のように輝く葉を持つ植物」。といったところでしょう。

しかし、私が今まで出会ってきたイワカガミは、まあこんなもの。

まあ葉に光沢はあるけど・・・。

「鏡」?・・・。

もっと鏡っぽい葉は他の植物にも多いけど・・・。

まあいいか。

と、思っていました。

しかし、那須連山を歩く中で、鏡のように輝く葉に出会いました

本当はもっと光る葉なのですが、

光りすぎて上手な写真にならなかったので、

この写真にしています。

「鏡、と言ってよし。」と感じました。

ここで改めて私が命名します。 「岩鏡」 と。

その2【ショウジョウバカマ】

「ショウジョウバカマ」、初めてこの名を聞く人は、

思わず、「え、 なんと言いました?」と聞き直してしまうかもしれません。

漢字では「猩々袴」。

なおさらわからない。

猩々は、「髪や顔が赤い想像上の生き物」、「オランウータンや類人猿」、「酒好きな人」など様々に使われるようですが、まあ赤い顔ということで、赤~ピンクの花と理解できます。

では「袴」は?

おそらく葉が袴状ということなのでしょうが。

うーん、袴というか・・・。

もちろん現代的な衣類はない時代の命名なのでしょうから、

現代の感覚で計ってはいけないのですが・・・。

などと、ずっと悩んでいました。

ところが那須の岩場で、しっかり袴をはいた猩々に出会いました。

改めて私が命名します。 「猩々袴」 と。

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2020年09月02日【那須】増えすぎて困っています。

日光国立公園 那須 菅野敬雅

こんにちは、日光国立公園 那須管理官事務所の菅野です。

8月は暑い日が続きましたが、那須連山では既に秋の花々が見頃を迎えようとしています。

  

 ▲光を浴びるカリヤスモドキと茶臼岳   ▲道端に咲くオヤマリンドウ

  (いずれも8月28日撮影)

さて、今回は那須平成の森で実施している中型・大型哺乳類調査のお話の第3回目です。

 第1回:平成の森に生息している哺乳類たち

 第2回:何頭いるかな?

1. ○○○○○と○○○○が急増中!

 まずは下の折れ線グラフをご覧ください。

 

   ▲那須平成の森で確認された哺乳類の出現数の経年変化

 ニホンジカとイノシシの急激な増加が一目瞭然です!

 那須平成の森ではニホンジカがH27~H30にかけて毎年約1.5倍ずつ増加、なんとH30~R1にかけては約1.8倍も増加しています。イノシシはおおよそ2年ごとに倍増する傾向がみられています。

2. ニホンジカが増えると。。。

 樹皮剥ぎによって樹木が枯死してしまったり、林床植生が食べ尽くされてしまったりする恐れがあります。

 右下の写真は、那須平成の森から直線距離で25km南西に位置する塩原地域の林床の様子です。塩原地区ではここ10年間で林床植生が激変してしまったそうです。那須地域でもこのままニホンジカが増加していけば、林床から植生が失われてしまうかもしれません。

   

 ▲樹皮剥ぎ(那須平成の森)       ▲林床植生の衰退(塩原地域)

3. イノシシが増えると。。。

 地下茎を食べるために掘り起こすので、地面の荒廃が目立っていきます。

 

 ▲イノシシによる掘り起こしの様子(左図は那須平成の森、右図は那須平成の森近くにある八幡園地)

森林の生態系を守るために私たちに何ができるのか、考えさせられます。

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