アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
クマレクチャー
2017年07月20日
日光国立公園
今年の奥日光はツキノワグマの目撃情報が多く寄せられます。
ただ、被害情報はなく、目撃されてもクマの方が去って行くようです。
そのような状況もあり、国立公園内の巡視等の業務に関わる人向けに、自然公園財団の方によるクマレクチャーが臨時で開催されました。
このクマレクチャーは日光湯元ビジターセンターで毎週土曜日14時から定期開催されていますので、興味のある方は是非。
クマレクチャーではまず、ツキノワグマの習性や出くわしてしまった時の対応の講義を受けました。
・基本的にはクマの方がヒトを避ける
・高い音が良く聞こえるのでクマ鈴は有効
(山菜などのクマの好物を持っていると効果がないことも)
・嗅覚は非常に発達していて犬以上
(香水など好みの臭いについてくることも)
・夏は食べ物を探して行動範囲が広くなる
・朝方、夕方に活発に動く
・子連れのクマは神経質で危険
・出くわしてしまったらゆっくりその場を去る
(急いで逃げて刺激してはいけないがその場に留まってもいけない!)
など
講義のあとは、クマに出くわして危機的状況になってしまったときの対処として、クマスプレーの噴射を実践しました。
スプレーの成分は唐辛子で、これをクマの顔めがけて噴射します。
目や鼻に入ると唐辛子の強い刺激でクマが動揺して退散または、こちらが逃げる隙をつくることが期待できます。私たちの巡視の際は必携です。
最近、ニュースでとりあげられることもあるツキノワグマ。
現在は本州と四国に分布していますが、九州では絶滅したと考えられており、四国でも絶滅のおそれが高いそうです。