アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
【那須】 箱庭山岳は絶景の嵐 前編
2020年11月10日みなさま、こんにちは。 日光国立公園 那須管理官事務所の善養寺聡彦です。
今回は、那須の最も基本的な登山ルートをご紹介します。
まだ那須の山に登ったことがない方、
那須ロープウェイには乗ったけど山頂駅周辺しか行っていないかた、
はたまた茶臼岳の山頂で満足して、そこから引き返してしまった方には、
重要な情報です。
那須といえば茶臼岳(那須岳とも呼ばれますが、周辺の山々全体をさして那須岳と呼ぶこともあります)。茶臼岳は山頂の真下までロープウェイで行けるので、とてもお手軽に登山ができる山と言えるでしょう。とはいえ、山頂は1915m、風が出ればかなりの強風になることもしばしばです。そして歩道は石が多くて大変崩れやすく転びやすいので、登山をする場合は、登山に適した靴、雨具や防寒具などの準備はしっかりしてください。
茶臼岳には、山頂へ登る歩道の他に、山をほぼ平行に一周する周回線があります。茶臼岳の隣には朝日岳があり、この二つの山への登山が、那須での基本中の基本と言えるでしょう。この二座はほぼ半日で回れるルートですが、ここは非常に変化に富んだ地形で、少し歩くと風景が次々と変わります。コンパクトに様々な絶景が詰め込まれていて、絶景の箱庭と言えるでしょう。
ロープウェイ山頂駅を降りると、目の前には茶臼岳の溶岩ドームが立ちはだかります。
植生がほとんど無い荒々しい山頂をもつ活火山です(昭和28年にも小噴火がありました)。少しでも火山に興味がある人なら、すぐにこれが溶岩ドームであることが分かるでしょう。頂上を目指して登って行くと、溶岩ドームから崩れ落ちたとみられる大岩がそこここに見られます。
ちょっとアルプスっぽい?
そんな岩の中には・・・、
【 岩の恋 】
山頂までは急坂ですが、ゆっくりでも40分ほどで到着できます。
山頂からは、南東に広がる広大な扇状地、那須野が一望できますが、
雲海の日もしばしばあります。
遠く日光や尾瀬の山々が、雲海に浮かぶ島のようです。
山頂の脇には火口があります。
火口と思われる地形は数多く有り、那須連山が様々に姿を変えてきたことが分かります。
次に、火口を一周して、周回路に降りて行きましょう。
周回路に降りると、やがて峰の茶屋跡避難小屋が見えてきます。
【ナスのマチュピチュ❤】
以前は同じ場所に茶屋が営業していましたが、今は建てかえられて避難小屋になっています。
やっぱり マチュピチュ?
ここから隣の朝日岳に向かってみます。
急峻で荒々しい山で、見る方向によって様々異なる姿を見せてくれます。
緑と岩肌のコントラストが目を引きます。
朝日岳に向かう途中には、
誰が名付けたか、【恵比須大黒!!】
こうした荒々しい岩の絶景が次々と現れます。
恵比須大黒は、現在2本の奇岩から成り立っていますが、以前は3本だったそうです。
絶えず姿を変える、それが那須連山です。
今回はここまで。
次回は朝日岳に登頂し、その後茶臼岳の周回路に戻って茶臼岳の裏側(北側)を回ります。
まだまだ絶景は続く・・・。