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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

5月上旬の戦場ヶ原でみかけた植物たちの紹介です。

皐月の戦場ヶ原

2024年05月22日
日光 岡田 葵
こんにちは。今日もいい天気ですね。
日光国立公園管理事務所ARの岡田です。

最近の奥日光はカラマツが芽吹き、景色が新緑のみどりに染まっていく季節となりました。ミズナラの新緑もそろそろでしょうか。男体山も麓からだんだん色が付いてきて、見るたびに季節の移り変わりを楽しんでいます。


5月上旬の戦場ヶ原はまだまだ茶色です。


そんな今の時期は足下の花々も楽しい季節です。奥日光・戦場ヶ原は男体山の噴火によってできた湿原で、350種を超える花々が自生しています。これから秋にかけては季節と共に様々な花が移り変わり、散策中も目を楽しませてくれます。
もっとも、私が花について勉強し始めたのは最近なので、巡視の合間に探してみたり、ボランティアさんとの活動の際に教えてもらったりして種名を覚えている途中です。それでもかわいい花の名前が分かると嬉しい!

ということで、今回は私が好きな奥日光戦場ヶ原の植物を発表します。

タチツボスミレ



一番多く見られるスミレです。花弁の紫におしべの山吹色がかわいいです。今年は泉門池周辺に群生している場所があり、一つ一つの花をいつまでも見ていられます。

ツボスミレ


タチツボスミレばかりだと油断していると、時々混ざってくる白いスミレ。タチツボより小さくて華奢に見えます。ニョイスミレとも言うそう。

フデリンドウ


リンドウ、みんな好きですよね。私も好きです。フデリンドウは花が小さくて、淡い紫で、凛とまっすぐ上向きに花がついているところが好きです。

ヒメイチゲ


名前からかわいらしいです。暗めの林床にひっそりと咲いているのを見つけると嬉しくなります。金平糖のような実を付けるので、それを見るのも楽しみです。

カラマツ


戦場ヶ原の針葉樹の代表ですが、新緑の出始めた今のカラマツを優しく撫でてみると柔らかくて触っていて心地よいです。トゲトゲに堅くなるまでの今の時期がチャンス。これが秋には金に色づくのかと思うと、一年のどの季節も見逃せないな~と言う気持ちになりますね。

(植物じゃないやつ)ツチグリ


こちらはキノコの仲間。形が面白過ぎる!放射状に伸びた外皮は、乾燥した日には閉じてしまうそうです。確かに見つけた日は朝露でしっとりしていた気がします。

戦場ヶ原にはまだまだたくさんの植物たちがいるはずなのですが、一朝一夕では全部の種を覚えられませんし、紹介もしきれません。でも名前の分からない植物も自分の中に知識として収まると、なんだか愛着がわきますよね。


でもそもそもどんな植物がいるか分からない……という方は是非、日光パークボランティア・開花調査チームの開花情報を参考にしてみてください。戦場ヶ原赤沼入口の東屋と日光湯元ビジターセンターの入口に、今咲いているお花の情報が毎週(!)更新されています。5月から9月にかけて時々刻々と移りゆく花々を調査していただいていますので、お立ち寄りの際は見てみてくださいね。




参考
日光湯元ビジターセンター 環境省_日光湯元ビジターセンター (nikkoyumoto-vc.com)