アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
白根山のシラネアオイ
2021年09月28日
日光
こんにちは。
日光国立公園管理事務所の池田です。
先週、シラネアオイを守る会が開催しているシラネアオイ種子採取に参加してきました。
皆様はシラネアオイという植物をご存じでしょうか。
日光国立公園では白根山周辺に自生しており、薄紫色の花が美しい高山植物です。名前の「シラネ」は白根山から名付けられています。しかし現在では、美しさ故の盗掘やシカの食害により激減してしまいました。
△シラネアオイ
そんなシラネアオイを回復させるため、地元有志が保護活動を始め、平成7年にはシカ食害から守るために電気柵が設置され、その後平成12年に「シラネアオイを守る会」が発足しました。
現在では多くの関係者が苗の移植や種子採取に参加し、群馬県立尾瀬高等学校が種子を発芽させ、育苗を行っています。
参加者は登山道に落ちているゴミを拾いながら、目的地へと向かいます。
保護地点に到着すると、尾瀬高等生徒が中心となり、電気柵内のシラネアオイの種子を探します。
△種子採取の様子
私も種子探しに参加させていただき、1房見つけることができました!
写真でしか見たことがなかったので、初めて実物を見たときは少し感動しました。
まるでお尻のようです。
左右の膨らみの中にそれぞれ20枚ほどの平らな種子が入っています。
△シラネアオイの種子
今回は合計5房の種子を採取することができました。
これらの種子は今後、尾瀬高校生により育てられ、5年後に保護地点に移植されます。
一度数が減ってしまった生き物の生息数を回復させるには長い時間がかかります。今後もシラネアオイを守る会の活動に参加し、シラネアオイが元気に増えてくれるようお手伝いしたいと思います。