アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
コウシンソウ
2018年06月19日
日光国立公園
皆さんこんにちは
日光国立公園の太田です。
先日、日光国立公園の最南部地区の日光市足尾町の庚申山に巡視に行きました。
庚申山は信仰の山、修験者の山で、修験者が修行を積んだ険しい岩場もあります。
おやま巡りのコース
コウシンソウはこのような岩場の日陰や湿った部分に多く見られるようです。
コウシンソウの群落
庚申山のコウシンソウは国の特別天然記念物で、庚申山ではじめて発見されたことから和名が付けられています。分布は日光地区に限られ、日光国立公園を代表する植物のひとつと言って良いと思います。
コウシンソウ
この植物は食中植物で、葉面に粘液を出して小昆虫を捕らえます。花は花茎を伸ばした先にお辞儀をするような感じで咲きます。
花後は花茎を岩壁に伸ばす
花が咲き終わると、花茎は反り返るように伸長して行き、結実すると岩壁に種子をくっつけるようにするそうです。コウシンソウが常に岩壁に生育していけるように、適応してきたためと言われているようです。
皇海山
この日は天気も良く、コウシンソウも見頃だったため、平日にもかかわらず多くの登山者がいました。庚申山の少し西のピークからは、周囲の山々が一望できました。西の方には日光国立公園最南端の二千m峰で、日本百名山の皇海山(すかいさん)がそびえ、今後の巡視対象として早急に行かねば、という強い思いが出てきました。