アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
那須岳登山は雷にご用心!
2015年06月23日先週、那須連山主脈縦走線の巡視に行ってきました!
茶臼岳~大白森山までの縦走線は現在環境省の管理となっており、時々この登山道や施設の状況を確認しています。
今回はこの栃木県と福島県にまたがるロングコースの南側半分(茶臼岳~朝日岳~三本槍岳)を、今月中にはさらに北側半分(三本槍岳~甲子山~甲子峠)を予定しています。
最近は不安定な天気が続き、巡視当日も夕方から雨の予報が出ていました。那須岳の、特に三本槍岳は雷雲の通り道であるため「大気状態が不安定」と予報される日は雷注意の日なのです。
まぁ今回はそんなに帰りが遅くならないだろうし、雨が降る前に行っちゃいましょう!...という甘い考えが危ないのでした。
那須岳では花のシーズンが始まりました。今はイワカガミやアカモノといった小さな花から、ウラジロヨウラクやサラサドウダンといった変わったツツジが満開です。
(左上から時計回りに白いイワカガミ、アカモノ、ウラジロヨウラク、ベニサラサドウダン)
登山道の状況を確認しながら、手入れできる部分は処理しながら順調に進んで行きます...が、昼過ぎ頃、雨が降ってきてしまいました。
空模様が怪しくなったのは三本槍岳山頂。この周辺は稜線上のルートしかなく、エスケープルートもありません。
そしてとうとう雷の音が聞こえ始めてしまいました。これは稜線上にいるのはまずい!急いでとにかく尾根から脱出するために降りよう!そしたら大粒のひょうが降ってきた!
雷鳴とひょうに追いかけられながら大急ぎで下山。稜線から離れ鏡ヶ沼まで降りてきたら少し天候が落ち着いてきて一息つけました。モリアオガエルの声が安心します...。
(今の時期の鏡ヶ沼はモリアオガエルの卵がたくさん)
今回は悪天候を想定して雨具等を装備していたこと、何度も通ったことがある知った道であったおかげでスムーズな回避行動が取れました。しかしこれが知らない道だったら?霧で何も見えなかったら?雷が近くに落ちていたら?
悪天候の登山は危険がいっぱいだということを身をもって実感しました。
事前の準備、情報収集は怠らず!
引き返す勇気を持って!
もしもの際のエスケープルートの確認はしっかりと!
安全で楽しい登山をしましょう!
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