
アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
戦場ヶ原で雪上パトロール
2025年02月26日
日光
皆さんこんにちは。日光国立公園管理事務所の鈴木研司です。
気象庁が12月下旬に発表した3か月予報は、「1月は平年並みか低い気温、2月は平年並みの気温、3月は平年より高い気温」でした。奥日光の1、2月はこの予報通り、ここ数年の中では寒く積雪の多い冬になり、2月13日には戦場ヶ原で激しい地吹雪が発生していました。戦場ヶ原や小田代原の木道は雪で埋まり、日光湯元温泉では除雪した雪を置く場所に苦慮する状態です。
戦場ヶ原を流れる湯川にも氷が張っています。(2/24撮影)

しかし冬がいつまでも続くわけはなく、春が速度を上げてやって来そうな天気予報になってきました。そうなると心配なのは斜面での雪崩、屋根からの落雪、氷瀑からの氷の落下です。今季は積雪量が多く、雪崩が発生すると規模の大きなものになる可能性があります。積雪期はどの時期であっても、危険性を秘めた場所には近づかない事、無理はしない事が大切です。雪に不慣れな方はガイドさんと一緒に行くことをお薦めします。奥日光には素敵なガイドさんがいます。自分では気づかない事を色々と教えてくれて楽しく歩くことができます。
2月24日、日光パークボランティア(以下NPV)の雪上パトロール活動に同行しました。雪上パトロールは今季6回目です。この日、戦場ヶ原は天気が良く風もほぼ無いのですが、10時の気温は-5℃、13時でも-4℃でやはり寒いです。寒さの中をNPVメンバーは、歩道の目印である赤布や、湿原への誤進入防止のロープ柵の状態を点検して回ります。さらに利用者の皆さんにアンケート調査を行い、また無理な行動をとらないようにアドバイスや注意喚起もします。多くの方が気軽に行ける戦場ヶ原ではありますが、天候と時間によっては危険な場所に変わります。皆さんの安全のためにNPVは活躍しています。
パトロール中のNPVメンバーです。雪がこのくらいあると歩いているだけで楽しくなります。

小田代原方面から来た利用者にアンケート調査を実施しています。(写真掲載の了解は頂いています。)

利用エリア、装備、現地の情報収集の方法などをお聞きしています。時間が許せば雑談交じりで色々な話をしながら行われます。今回はアンケートの設問にはない「日光国立公園(奥日光)の魅力は何ですか?」と尋ねてみました。「豊かな自然ですね。」「やはり大自然かな。」という答えがすぐに返ってきます。中には「小田代原の貴婦人が見たくて。」「百名山登頂を目指していて。」と答える方も。さらには「火山が好きで。」「湯元の温泉が良い。」と言うお答えの方もいます。また「最近の奥日光は色々と整えられすぎている。もっと自然な状態の方が良い。」とお話をなさってくれる方もいます。考え方、感じ方は人それぞれですね。
可愛いものを見つけました。ウサギの足跡です。

ウサギの足跡は珍しいものではありません。でも見てください、2羽の足跡がきれいに並び、写真手前から奥に向かってまったく同じ間隔で進んでいます。これには私も思わず「可愛い」と声が出ました。
残念なものもあります。
小湿原と呼ばれている辺りです。木道からスキーの跡が湿原に延びています。これはものすごく残念なことです。

こちらは展望台の柵の隙間から湿原に入り込んだ足跡です。看板には「美しい自然の姿をいつまでも見守っていてください」と書かれています。(看板の文字がかすれているのは私たちが反省すべき点です。)

ここには誤進入を防止するために、一段高い所にロープが張られています。下の写真は12月に行ったNPVメンバーによる設置の場面です。季節を問わず湿原に入らない事は、守っていただきたい大切なルールです。

心配な事です。
写真では分かりにくいのですが、木道の縁の部分に雪庇(雪が外側にはみ出して積もっています。)ができています。歩道外と雪でつながってしまうので、どこが歩道か分からない箇所もあります。踏み外さないように注意が必要です。

良くない話が続きましたので、心が和むマガモの写真で終わりにしましょう。
冷たい水の中を何事も無いかのように悠然と泳いでいます。
鳥を見るときは静かに。鳥の生活を邪魔する事が無いようにご協力ください。

もうすぐ雪解けのシーズンを迎えますが、まだまだ奥日光は厳しい冬です。ふもとの街は温かくても奥日光は寒いのが当たり前です。午前中は温かくても、午後には急激に寒くなる事があるのも当たりまえです。十分な準備と計画のもとお出でいただき、残り少ない冬の奥日光を楽しんでください。
気象庁が12月下旬に発表した3か月予報は、「1月は平年並みか低い気温、2月は平年並みの気温、3月は平年より高い気温」でした。奥日光の1、2月はこの予報通り、ここ数年の中では寒く積雪の多い冬になり、2月13日には戦場ヶ原で激しい地吹雪が発生していました。戦場ヶ原や小田代原の木道は雪で埋まり、日光湯元温泉では除雪した雪を置く場所に苦慮する状態です。
戦場ヶ原を流れる湯川にも氷が張っています。(2/24撮影)

しかし冬がいつまでも続くわけはなく、春が速度を上げてやって来そうな天気予報になってきました。そうなると心配なのは斜面での雪崩、屋根からの落雪、氷瀑からの氷の落下です。今季は積雪量が多く、雪崩が発生すると規模の大きなものになる可能性があります。積雪期はどの時期であっても、危険性を秘めた場所には近づかない事、無理はしない事が大切です。雪に不慣れな方はガイドさんと一緒に行くことをお薦めします。奥日光には素敵なガイドさんがいます。自分では気づかない事を色々と教えてくれて楽しく歩くことができます。
2月24日、日光パークボランティア(以下NPV)の雪上パトロール活動に同行しました。雪上パトロールは今季6回目です。この日、戦場ヶ原は天気が良く風もほぼ無いのですが、10時の気温は-5℃、13時でも-4℃でやはり寒いです。寒さの中をNPVメンバーは、歩道の目印である赤布や、湿原への誤進入防止のロープ柵の状態を点検して回ります。さらに利用者の皆さんにアンケート調査を行い、また無理な行動をとらないようにアドバイスや注意喚起もします。多くの方が気軽に行ける戦場ヶ原ではありますが、天候と時間によっては危険な場所に変わります。皆さんの安全のためにNPVは活躍しています。
パトロール中のNPVメンバーです。雪がこのくらいあると歩いているだけで楽しくなります。

小田代原方面から来た利用者にアンケート調査を実施しています。(写真掲載の了解は頂いています。)

利用エリア、装備、現地の情報収集の方法などをお聞きしています。時間が許せば雑談交じりで色々な話をしながら行われます。今回はアンケートの設問にはない「日光国立公園(奥日光)の魅力は何ですか?」と尋ねてみました。「豊かな自然ですね。」「やはり大自然かな。」という答えがすぐに返ってきます。中には「小田代原の貴婦人が見たくて。」「百名山登頂を目指していて。」と答える方も。さらには「火山が好きで。」「湯元の温泉が良い。」と言うお答えの方もいます。また「最近の奥日光は色々と整えられすぎている。もっと自然な状態の方が良い。」とお話をなさってくれる方もいます。考え方、感じ方は人それぞれですね。
可愛いものを見つけました。ウサギの足跡です。

ウサギの足跡は珍しいものではありません。でも見てください、2羽の足跡がきれいに並び、写真手前から奥に向かってまったく同じ間隔で進んでいます。これには私も思わず「可愛い」と声が出ました。
残念なものもあります。
小湿原と呼ばれている辺りです。木道からスキーの跡が湿原に延びています。これはものすごく残念なことです。

こちらは展望台の柵の隙間から湿原に入り込んだ足跡です。看板には「美しい自然の姿をいつまでも見守っていてください」と書かれています。(看板の文字がかすれているのは私たちが反省すべき点です。)

ここには誤進入を防止するために、一段高い所にロープが張られています。下の写真は12月に行ったNPVメンバーによる設置の場面です。季節を問わず湿原に入らない事は、守っていただきたい大切なルールです。

心配な事です。
写真では分かりにくいのですが、木道の縁の部分に雪庇(雪が外側にはみ出して積もっています。)ができています。歩道外と雪でつながってしまうので、どこが歩道か分からない箇所もあります。踏み外さないように注意が必要です。

良くない話が続きましたので、心が和むマガモの写真で終わりにしましょう。
冷たい水の中を何事も無いかのように悠然と泳いでいます。
鳥を見るときは静かに。鳥の生活を邪魔する事が無いようにご協力ください。

もうすぐ雪解けのシーズンを迎えますが、まだまだ奥日光は厳しい冬です。ふもとの街は温かくても奥日光は寒いのが当たり前です。午前中は温かくても、午後には急激に寒くなる事があるのも当たりまえです。十分な準備と計画のもとお出でいただき、残り少ない冬の奥日光を楽しんでください。
月別一覧
年 | 月 |
---|---|
2025年 | |
2024年 | |
2023年 |