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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

「奥日光に春を告げる」アカヤシオ

2019年05月16日
日光国立公園

みなさん、初めまして。

4月1日より日光国立公園管理事務所にアクティブ・レンジャーとして着任しました、村田と申します。

日光に来てから1か月半、日々季節の移り変わりを感じています。

着任したばかりの頃は、奥日光ではまだ20cm以上の積雪があり、冬化粧した山々を背景に静寂の森を巡視していましたが、奥日光にも春到来しています!

先週、明智平展望台駅(標高1395m)から茶ノ木平・明智平分岐(標高1616m)を経て、細尾峠(標高1193m)に向かうルートで巡視してきました。

明智平展望台に行ったことがある方はご存知かと思いますが、男体山、中禅寺湖、華厳の滝、白雲の滝を一望できる人気の展望ポイントとなっています。

出発前は少し見頃には遅いかなと思いましたが、十分、日本百名山の一つである男体山(標高2486m)を背景に、「奥日光に春を告げる」ツツジ科のアカヤシオの花々を観察することができました。ピンク色は薄いものから濃いものがあり、一様でないところが綺麗だなと感じました。


              【アカヤシオ】

アカヤシオの花が春を告げてくれていましたが、落葉樹の樹木はまだ展葉(葉が開いて展開すること)していないものも多く、新緑の季節はまだ少し先のようです。ですが、日本の針葉樹のうち唯一の落葉樹であるカラマツは元気に芽吹きはじめていました!私はまだ日光では、落葉したカラマツしか見ていなかったので、一気に春を感じました。

            【カラマツの芽吹き】

そして、私は、枯れ木や倒木にも目がとまり、特に写真にある立ち枯れ木は枯れてしまってもなお、生命力を感じました。枯れてしまった原因は、シカが樹皮を食害したことによるものや病気等、様々であると想定されますが、枯れ木や倒木も生態系では重要な役割を果たしています。キツツキ類の餌場となったり、倒木によってギャップができ、新しい樹種が生育できる環境になったりするので、枯れ木や倒木も自然の一部です。

ですが、枯れ枝が落下してきたりして危険ですので、みなさんはくれぐれも、近づきすぎないようにしてください。

                【枯れ木】

耳を澄ますと、ウグイス、ホトトギス、ツツドリ、ヒガラのさえずりが聞こえ、地面をみると、シカの糞やシカの食痕(ミヤコザサや樹皮)があります。双眼鏡等がなくても、野生動植物の生育、生息を感じとることができますので、みなさんもぜひ、いろいろな視点で山を歩いてみてください。

            【シカの食痕-モミ】

           【シカの食痕ーミヤコザサ】