アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
【那須】 冬那須
2021年02月28日みなさま、こんにちは。 日光国立公園 那須管理官事務所の善養寺聡彦です。
今回は冬の那須の姿を紹介します。
どのくらい寒いの?
雪はどうなの?
山は登れるの?
行くとこあるの?
那須は栃木県北部に位置しています。
茶臼岳を代表とした那須連山の裾野が広大な那須野ヶ原となっています。
那須管理官事務所は那須連山およびそれに連なる甲子地域を管理しています。
さらに南西に位置する塩原地域も那須管理官事務所の担当です。
甲子地域は福島県ですので、那須は関東と東北の境となります。
那須連山に登ると、北西方向には会津の町を間近に望むことができます。
<黒磯方面から望む那須連山>
那須管理官事務所(那須高原ビジターセンターの2階)は那須連山の東南麓にあり、
那須連山を間近に仰ぎ見る位置にあります。
<那須高原ビジターセンター(那須管理官事務所)と茶臼岳>
写真は2月撮影です。
雪は毎日のように降ったり、ちらついたりします。
積雪量は少ないですが、雪質はとても良く、パウダースノーとか、
アスピリンスノーなどというのでしょうか、寝転がっても濡れません。
強風がしばしば吹くので、雪が飛んでいってなくなったりします。
事務所の標高は900m近くあり、冬の朝の気温は基本的に零下と言っていいでしょう。
雪は積もっても天気になれば溶けてしまいますので、
事務所周辺は永く雪に埋もれることはありません。
しかし茶臼岳方面へ登って行くと、辺りは見る見る雪国になります。
数百メートル行けば積雪量の変化が実感でき、天気も変わります。
<茶臼岳の山頂は雪雲に覆われている-ビジターセンターより>
冬の間、多くの日はこんな感じ・・・
ビジターセンター(那須管理官事務所)は晴れていても、
山へ向かうと雪が舞い、やがてしっかり降ってきます。
もちろんスタッドレスタイヤでなければ走れません。
大丸園地から先の道路は、冬季は閉鎖されています。
12月中旬から3月下旬は、那須ロープウェイは運行していません。
冬の間那須の登山は、熟練した登山者のみにお任せです。
では冬の那須ではすることがないのか?
いえいえ、そんなことはありません。
え? 温泉・・・
それもそうですが、
それだけではありません。
雪の降った後、これが楽しみです。
<那須高原ビジターセンター駐車場>
色々な動物の足跡!!! ❤
動物が通った後を、アニマルトラックといいます。
そしてその後をたどって、彼らの生活を垣間見ることを
アニマルトラッキングといいます。
もちろん野生動物そのものを直に見たいですが、
このアニマルトラッキングもなかなか楽しいものです。
まず、誰の足跡なのか?
キツネ です。
このキツネはどう歩いた?
キツネは4本足だが、・・・・。
二足歩行? (※1)
こ、これは何だ!!??
リス です。
この足跡は、1本の木の下からはじまり、
ある場所で忽然と消えていました。
そこからどんな行動をとったのでしょうか???
いたー !!!
私は、テン と信じています❤❤❤
簡単なように思えますが、何の足跡なのか判断するのは結構難しいです。
何本指か? (※2)
爪の跡はあるか? (※3)
大きさは?
これらがヒントになります。
また、点々と続く足跡、どちらの方向に向かっているのか?
これは意外に難しいのです。
でも、野生動物がそこで何をしていたのかを想像することは
知的好奇心をかき立てます。
那須の雪は粉雪で濡れませんので、雪原での活動も楽しくできます。
那須では雪原でのアクティビティとして、
スノーシューやファットバイクなども用意されています。
これらと合わせてのアニマルトラッキングも良いでしょう。
どうぞ、この深遠な世界に入ってみましょう。
※1 動物は前足の足跡に後足を重ねるので、二足歩行に見えます。
※2 ネコ科は5本指(の足跡)、イヌ科は4本指(の足跡)。
意外に了解していませんよね。
テンなどのイタチ科は5本指(の足跡)
※3 ネコは爪を引っ込めることができるので、爪の跡がつかないが、
イヌは爪を引っ込めないので、爪の跡がつく。