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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

外国からやって来た植物

2016年05月30日
日光国立公園 中野純

今日(24日)の最高気温は、気象庁データによると、石川県小松で33.8℃を記録したそうです。本州はまだ梅雨を迎えていませんが、なんだか真夏を連想させますね。

日本の蒸し暑い夏、外出が億劫になりがちの方は多いと思いますが、蒸し暑い夏だからこそオススメな場所は・・・・

もちろん奥日光です!

明治時代、外国人の国内旅行が徐々に自由になり、欧米諸国の外交官たちの避暑地として注目されたのが奥日光でした。

次々と大使館などの別荘が建てられ、日本の皇族や貴族なども訪れるようになりました。やがて、外交の中枢を担う人たちの多くが、蒸し暑い時期には奥日光で静養するようになり、大正から昭和初期にかけて奥日光は「夏場の外務省」と呼ばれていた時期もありました。

奥日光は100年以上前から避暑地として有名な場所です。

今年の夏は、奥日光に避暑を兼ねて観光やハイキングの予定を立ててはいかがでしょうか?


ところで、外国から奥日光にやって来たのは人だけではありません。

現在では、外国を原産地とするさまざまな植物が奥日光の各所に分布しています。

その1種がハルザキヤマガラシです。

ハルザキヤマガラシは、ヨーロッパ原産の多年生草本で、日本には、明治末に渡来しました。

現在では、本州以北を中心に定着し、牧草地、畑地、水田、荒れ地、道端などに広がっています。

奥日光では、5月中旬頃から黄色の花を咲かせ始め、国道120号沿いでは、とても目立つ存在です。












道路沿いに群生するハルザキヤマガラシ

ハルザキヤマガラシは、「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(通称:生態系被害防止外来種リスト)」の総合対策外来種(その他の総合対策外来種)に指定されています。

総合対策外来種:国内に定着が確認されているもの。生態系等への被害を及ぼしている又はそのおそれがあるため、国、地方公共団体、国民など各主体がそれぞれの役割において、防除(野外での取り除き、分布拡大の防止等)、遺棄、導入、逸出防止等のための普及啓発など総合的に対策が必要な外来種。

戦場ヶ原は標高1400mにあり広大な湿原には貴重な湿性植物の群落があり、景観も非常に優れていることから、国立公園の特別保護地区に指定されていますが、ここにもハルザキヤマガラシが侵入しています。

環境省では、戦場ヶ原の景観を守るため、日光パークボランティアの協力のもと、平成20年から戦場ヶ原上流部に流入する逆川を中心にハルザキヤマガラシの除去活動を継続して行っています。












除去活動の様子

除去活動が始まった当初は、ハルザキヤマガラシが真っ黄色に染め上げた光景が見られましたが、現在ではぽつぽつと点在する程度になっています。

しかし油断はできません。除去圧を緩めれば、また生育範囲を拡大することでしょう。

これからも除去圧をガンガンかけていきます!












今日の成果 ハルザキヤマガラシ4.5㎏


※参考文献

日本帰化植物写真図鑑(著:清水、広田、森田)

日光パーフェクトガイド(著:日光観光協会)