関東地域のアイコン

関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

湯滝への積雪期ルート探査

2019年02月01日
日光国立公園 太田祐司

皆さん、こんにちは!

日光国立公園の太田です。

今年の奥日光は降雪が少なく、湯元のスノーシューコースのオープンも遅れています。

1月下旬に若干の降雪があり、これから奥日光の積雪期の活動も本格化していくでしょう。

積雪で藪も埋まり樹林地内も歩き安くなってきたので、戦場ヶ原自然研究路でもスノーシューでは歩きにくいと言われている、湯滝から泉門池の間を調査してきました。

「冬の湯滝」

湯滝は、夏はすぐそばまで車で行けますが、冬は駐車場までの急な坂道が除雪されていないため、国道から歩いて行くことになります。

冬の湯滝は周囲の樹木が落葉しているため、明るく感じられてまた素晴らしく感じます。

湯滝下から戦場ヶ原へは、湯川沿いに木道がありますが、高い位置だったり、細い敷板が2列に並んでいたりで、雪が積もるとスノーシューでは歩きにくかったり、隙間がわからなくなって踏み抜いたりという危険が多くなります。

「雪が積もった湯川沿いの木道」

この危険を避けるために、川から大きく離れた両岸の平らな樹林地内を歩く方が結構います。

これらのルートの状況確認と、雪山での活動経験がまだ少ないFアクティブレンジャーに、ラッセルや読図してのルートファインディングを経験してもらおうというのが巡視のもうひとつの狙いです。

「湯川東岸の樹林地」

湯滝から離れるとトレースは無く、写真の様な雪の樹林地を地図と磁石で方向を判断しながら進みます。

この日は天候も良く、野鳥の声や足跡を観察しながら楽しく歩くことが出来ました。

「力強いラッセルで進むFアクティブレンジャー」

若いFさんはスノーシューを履いても膝下ぐらいまである雪を、物ともせずに進みます。若い彼には奥日光の軽い粉雪は、障害にはならないようです。

「泉門池で休憩中の人々。後ろは男体山」

ラッセルをしながら小一時間歩くと、ほぼ思い通りの泉門池近くの木道に出ることが出来ました。

泉門池園地では、平日にもかかわらず赤沼から歩いて来た多くの方が休憩中で、冬の戦場ヶ原の人気を感じることが出来ました。

この方達にお話しを聞くと、この日は踏み跡がしっかり有り、スノーシューを履くことも無く歩けたそうです。

戦場ヶ原の歩道のうち、赤沼から北戦場経由光徳分岐に抜けるルートは、幅の広い木道が多く樹林地にはコース表示の赤布がつけられているなど、歩き易くなっています。

とはいえ、冬の天候は変わりやすく、トレースが雪で埋まり歩道位置がわかりにくくなっている場合もあります。木道が氷で覆われていることもあります。冬山のウエアや履物、地図・方位磁石、スノーシュー等は必携のつもりできてください。

戦場ヶ原・小田代原の湿原は、踏圧による植物への影響が心配されるため、積雪期でも湿原への立入はご遠慮いただいています。木道上の雪が融けている場合は、スノーシューやアイゼンは、取り外すなどマナーに沿った行動をお願いします。

「雪に残ったシカのジャンプ跡」

冬は雪に野生動物の痕跡が残りやすくなっています。写真はシカが雪が深くなった場所ではジャンプし、飛び跳ねるように歩いた跡のようです。

スノーシューでのハイキングはこのような動物の痕跡も、楽しむことが出来ます。奥日光の粉雪の素晴らしさを、ぜひ体験しにきてください。

奥日光の湯元温泉や中禅寺湖では、冬のお祭りも予定されています。奥日光へのお出でをお待ちしています。