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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

奥日光に冬がきました。

戦場ヶ原の冬支度

2023年12月27日
日光 岡田 葵
いい天気ですね!
日光国立公園管理事務所の岡田です。
今回は、本格的な冬に入る前の奥日光で巡視をした時の事を紹介しようと思います。


雪のない戦場ヶ原と男体山。本当にいい天気です。

巡視の内容

紅葉の名所として有名な奥日光では、10月から11月上旬にかけての来訪者が特に増えます。
戦場ヶ原の赤沼入口付近に設置してある登山者カウンターのデータを確認すると、特に10月は1日に平均して約580人が通過していました。5~9月の平均が1日に400人前後であることと比較しても、多くの方が戦場ヶ原を訪れていたことが分かります。
以下は秋の半月山巡視の時の写真です。今年の紅葉も美しく、多くの方が訪れるのも納得できました。
 
ですが、落葉して雪もまだ少ない今の時期はひっそりと静かな空気を湛えています。これからスノーシューができるくらい雪が積もるまでの間、奥日光は狭間の季節です。
そんなこの日のメイン作業は、木道の緩んだネジを締め直すこと。
しっかりと作られた木道も、湿原の上に立っているので時間が経って多くの人が上を歩けば緩みが出てきます。
歩きながら揺れを、目視でネジを確認します。
 
外れていたら工具で締め直します。
(整備のために木道から降りていますが、植生を守るためにも真似しないでください。)
この作業をくまなく行い、数え切れないネジを締め直しました。

奥日光の冬の自然

緩んだ箇所を探すためにかなりゆっくりと歩いたので、この季節ならではの自然を観察することもできました。

まずは木道の上を歩く中型哺乳類(キツネ?)の足跡。
雪が降ると足跡が残るのは人も生き物たちも同じです。日光事務所の生態系保全等専門員の方は「姿が見えなくても動物たちが身近に感じられるから冬は良いんです……!」と言っていました。同感です。
 
枯れたホザキシモツケ群落の中にあった鳥の巣の跡。
アオジのものでしょうか?入口に雪が積もって目立っていますが、葉が生い茂っていた春夏にはきっと安全なゆりかごだったのでしょう。

湯川に出入りするカワガラス。
この鳥は奥日光では一年中見られます。水中に潜って水底を歩き、カワゲラ等の水生生物を食べます。自前のダウンを着ていても水中散歩は寒そうです。

普段は見ないような角度で木道をのぞき込むと、今年の夏に羽化したであろうハルゼミの抜け殻がありました。初夏の置き土産ですね。

冬の奥日光を楽しむために

これからの季節、奥日光はさらに雪が積もることが予想され、夏山とは違った注意が必要です。もちろん冬タイヤ必須です。
冬季は閉鎖されるトイレがあったり、積雪で歩道が不明瞭になったりもします。
また、積雪は戦場ヶ原の周りの侵入防止柵をも隠してしまう事があります。雪の下にある植物たちを守るためにも、車道・歩道から外れないようご注意ください。


奥日光の冬の情報は以下の日光旅ナビ(日光市観光協会サイト)からも確認ができます。

~奥日光冬季閉鎖施設のお知らせ~
https://www.nikko-kankou.org/notices/18
奥日光湯元周辺スノーシューコースマップ
https://www.nikko-kankou.org/notices/17

来訪される際は是非事前にチェックをして、準備万端でお越しください。
楽しく安全な利用をお願いいたします。