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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

冬らしくなっています!

2016年01月29日
日光国立公園 櫨木 めぐみ

 今期は暖冬と言われましたが、ここ奥日光でも心配になるほどの暖冬ぶりでした。例えば、湯ノ湖周回線は例年12月中旬には全線通行止めになるのですが、今年度は年が明けても秋のような景色で異様でした。戦場ヶ原も同様で、年明けの巡視では11月末の巡視時よりも暖かく、このまま冬が来ずに春になるのではないかと疑うほどでした。

 そして、全国的に寒波に見舞われた1月17-18日にドカ雪がありました。私たちの事務所でも約40cmの積雪がありました。例年なら段階的に積雪量が増えるところがほぼ0cmから急に約40cmですから、メリハリがはっきりしているというか何というか...、別世界すぎて怖いくらいでした。

 ドカ雪の翌日、除雪車も一通り入ったこともあり、奥日光へ足を運びました。数日前の秋景色とは一変した雪景色を見て、いつもの冬の光景に安心しました。そして、湯ノ湖周回線は1月19日をもって全線通行止めとなりました。湯ノ湖周回線は、歩道と湖が隣接して崖のようになっているところもあり、地盤が見えない雪上で足を踏み外して滑落するとそのまま湖へ転落してしまうおそれもあるため、その点はご理解とご協力をお願いいたします。開通は、例年4月中旬から5月頭の間、雪融け後安全が確認され次第となります。

 雪景色が定着した戦場ヶ原で、部分的だったのですが冬の風物詩の一つ「地吹雪」に遭いました。徒歩だったためその中を歩行せざるを得なかったのですが、その風は痛いほどに強くて冷たく、また端から見ている時、地吹雪の中の走行車は本当に見えない時があります。地吹雪で視界が途切れたり見えなくなったりすることがあるので、戦場ヶ原を通る国道120号線は、車も歩行者も双方要注意です。
 また林内の歩道の中でも、開けていて他と比べて雪がなくて一見歩きやすそうに見える箇所は風の通り道だったりしますので覚悟して通る必要があります。

 戦場ヶ原や小田代原はあまり起伏がないためか、時折、軽装備もしくは街中の格好のままでハイキングコースを歩かれる方を見かけます。起伏がないとはいえ、標高約1400mで山間の中の湿原というだけで山中にかわりはありません。ましてや、特にこの時期は冬の装備や格好でないと命に関わりやすく本当に危険です。先日の巡視で、いくら少しは踏み固めらているとはいえ積雪40cmの中、軽装に革靴という街中の格好のまま雪道を歩く無謀な方を見かけ、気が気でありませんでした。

 山は自己責任と言われますが、自己責任だから備え無しという意味の自己責任の扱いではないことをご理解頂きたいです。装備や天候、ルート等の情報収集などの備えあった上での自己責任というマナーを守って、安心と快適さをもって自然を満喫して頂けたらと思います。

 冬の奥日光の公園利用者はあまりおらず、時に目の前の自然を貸切のような贅沢感を味わえたりします。逆を言えば、利用者も少ないので、なおさら装備や情報収集はしっかりして、この特別感を感じにお越しください。