アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
【那須】特定外来生物ウチダザリガニ調査に参加
2019年06月18日こんにちは!日光国立公園那須管理官事務所の菅野です。
那須はつつじシーズンが終盤を迎え、エゾハルゼミが盛んに鳴く季節となりました。
さて、みなさんは「特定外来生物」についてご存じですか?
今回は那須塩原市で実施された特定外来生物ウチダザリガニの調査活動についてご紹介します。
◆「特定外来生物」とは?
外来生物(海外起源の外来種)のうち、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがあるものの中から指定されます。飼育・栽培や運搬等が原則禁止されています。
近年侵入が確認され話題になった「ヒアリ」や、かつてはペットとして人気があった「アライグマ」も特定外来生物に指定されています。
参考:日本の外来種対策(http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html)
◆特定外来生物「ウチダザリガニ」
【原産地】アメリカ北西部原産
【特徴】体長15cm超の大型のザリガニ。はさみの付け根の白い斑点が特徴。繁殖能力が強い。
【影響】在来種ニホンザリガニとの競合、魚類・底生生物・水草を捕食して生態系をかく乱させる可能性等。
【侵入状況】北海道、福島県、栃木県、千葉県、長野県、滋賀県
参考:特定外来生物の解説:ウチダザリガニ
(http://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/list/L-kou-02.html)
◆調査活動に参加しました!
先日、那須塩原市で実施されたウチダザリガニの調査活動に参加してきました。その場所では平成28年度に栃木県内で初めて侵入が確認されて以降、定期的に調査活動が実施されています。
▲捕獲した大量のウチダザリガニ
▲体長を計測 ▲稚ザリガニも捕獲
調査は主に釣竿やタモ網を使用しながらの手捕りで行いました。私は手捕り初挑戦でしたが、タモ網に追い込む方法などで10個体ほど捕獲に成功!一方、釣りはうまくいかず...。全体では計152個体を捕獲しました。
捕獲後は性別毎に仕分けして、体長を計測。その後は殺処分しました。参加者のお話によると、調査活動開始時と比べると大きな個体の数が減ってきているとのこと。一方、稚ザリガニも30個体ほど捕獲されており(メス1個体の抱卵数は120~200粒とのこと)、今後も活動を継続していく必要性を感じました。
◆特定外来生物を発見した時には!
見つけた特定外来生物を生きたまま許可無く運搬することはできません。不用意に捕まえず、まずはその場所の管理者や行政機関に相談することをお勧めします。
ただし、特定外来生物を捕まえてしまった場合でも、その場ですぐ放すのであれば問題ありません。
那須管理官事務所では、特定外来生物であるオオハンゴンソウ(キク科の植物)の駆除活動も参加・主催しています。今後も活動内容について紹介していければと思います!