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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

雪の奥日光 シカの痕跡調査

2017年02月06日
日光国立公園 太田祐司

 みなさんこんにちは

 奥日光も1月中旬に少しまとまって雪が降りましたが、1月下旬からは暖かい日が続き、積雪量も少し減った感じです。

 少し前となりますが、1月19日にシカの痕跡調査に同行してきました。戦場ヶ原の植生を増えすぎたシカの食害から守り、復元を促すことを目的として、シカの侵入防止柵を約17km設置し、約980haを囲っています。

 昨年秋の調査で柵内にはシカが7頭程度が生息していると推定されており、柵内の個体数の増加を防ぐことを目的としてシカの捕獲を行っています。シカ柵の管理や捕獲は自然公園財団のシカ管理専門員(略称ONDM:Oku Nikko Deer Manager)が担当しています。

 今回同行させていただいたTさんはまだうら若い乙女?ながら、北米や東欧でオオカミやヤマネコの雪原での調査経験もあり、スノーシューを履いて単独で雪の森林内を彷徨するパワフルな方です。

双眼鏡でシカを探すTさん

 調査箇所は男体山の西のカラマツやミズナラを主体にした平坦な樹林地です。
 2日ほど前に降った雪は落ち着いていてラッセルはそれほどでは無いのですが、やはりスノーシューを履いていてもそれなりに沈みます。
 30分ほど歩くとシカの踏み跡が出て来ました。ここで説明を受けながら観察し、西から東に移動した跡と判断しました。

シカの踏み跡

 この辺りは他にも踏み跡があり、南側から来た跡を辿ってみることにしました。

 シカは雪が深い所では、雪をかき分けて歩くのでは無く、ジャンプして歩く様です。

シカのジャンプ歩行?跡

 南側のシカ侵入防止柵まで来ると、柵沿いに踏み跡がたくさん見られました。

シカ侵入防止柵沿いのシカ踏み跡

 このあとのTさんの調査の結果、この地点から東の地域にシカの餌場や寝屋と思われる痕跡が多くあったことから、この地域で捕獲を進めることになりました。

 今回は道路からも離れた標識もない地域を歩きましたが、奥日光では標識が設置されたスノーシューコーズが湯元地域にありますし、湯元ビジターセンターではアニマルトラッキングという動物の痕跡観察のイベントを開催します。(湯元ビジターセンターのHPをご覧ください。 http://www.nikkoyumoto-vc.com/)

 また、2月11,12日と中禅寺湖や湯元温泉で雪まつりのイベントが行われます。雪の奥日光の自然を楽しみにぜひいらしてください。