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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

【那須】増えすぎて困っています。

2020年09月02日
那須

こんにちは、日光国立公園 那須管理官事務所の菅野です。

8月は暑い日が続きましたが、那須連山では既に秋の花々が見頃を迎えようとしています。

  

 ▲光を浴びるカリヤスモドキと茶臼岳   ▲道端に咲くオヤマリンドウ

  (いずれも8月28日撮影)

さて、今回は那須平成の森で実施している中型・大型哺乳類調査のお話の第3回目です。

 第1回:平成の森に生息している哺乳類たち

 第2回:何頭いるかな?

1. ○○○○○と○○○○が急増中!

 まずは下の折れ線グラフをご覧ください。

 

   ▲那須平成の森で確認された哺乳類の出現数の経年変化

 ニホンジカとイノシシの急激な増加が一目瞭然です!

 那須平成の森ではニホンジカがH27~H30にかけて毎年約1.5倍ずつ増加、なんとH30~R1にかけては約1.8倍も増加しています。イノシシはおおよそ2年ごとに倍増する傾向がみられています。

2. ニホンジカが増えると。。。

 樹皮剥ぎによって樹木が枯死してしまったり、林床植生が食べ尽くされてしまったりする恐れがあります。

 右下の写真は、那須平成の森から直線距離で25km南西に位置する塩原地域の林床の様子です。塩原地区ではここ10年間で林床植生が激変してしまったそうです。那須地域でもこのままニホンジカが増加していけば、林床から植生が失われてしまうかもしれません。

   

 ▲樹皮剥ぎ(那須平成の森)       ▲林床植生の衰退(塩原地域)

3. イノシシが増えると。。。

 地下茎を食べるために掘り起こすので、地面の荒廃が目立っていきます。

 

 ▲イノシシによる掘り起こしの様子(左図は那須平成の森、右図は那須平成の森近くにある八幡園地)

森林の生態系を守るために私たちに何ができるのか、考えさせられます。