アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
集まる蝶たち
2017年07月28日みなさん、こんにちは!
前回(7月13日)のAR日記は、奥日光のカミキリムシを紹介させていただきました。今度は蝶の紹介です。蝶と言えば花に集まり吸蜜するのが普通で、時には樹液に集まりますが、これも樹液中の糖分を求めているのかなと思います。
巡視で山野を歩いていると、どうして蝶がこんなところに集まるのかな?と思う光景に出会います。
人の腕にとまるウラジャノメ
最初はウラジャノメ。この写真の蝶は人が近づいても逃げず、そのうち人間の腕にとまって汗を吸っているように見えました。
トイレに集まるクロヒカゲ
次は、クロヒカゲ。トイレの窓の網戸に集まっていました。この写真を撮影した日は雨がぱらついていたので、最初は雨を避けているのかなと思いましたが、よく見てみると口吻を伸ばして網戸のナイロンネットをなめるようにしていました。
獣糞に集まるフタスジチョウ
続いて、フタスジチョウ。
栃木県内では奥日光にだけ生息する、日光国立公園を代表する蝶です。
食草はホザキシモツケで、この花の多い戦場ヶ原や小田代原で良く観察できます。
木道を歩いていると、この蝶が集団で木道に集まっている光景に出会います。こういう時は大体、木道に転がっている獣糞に集まっています。
コンクリート面に集まるフタスジチョウ
この写真は、あずま屋のコンクリート面に集まっていたものです。湿ったコンクリート面に集まっているのをよく見ますが、この写真の場合は何かこぼれたものを吸っている可能性もあります。
今年は、例年よりもフタスジチョウの個体数が多くみられるような気がします。特に小田代原では多く観察できます。
獣糞やコンクリート面に集まっている蝶は雄で、繁殖のためにナトリウム分やアンモニアを摂取しているということのようです。
戦場ヶ原や小田代原ではホザキシモツケやノアザミ、イブキトラノオなどが咲き始め夏の花のシーズンです。涼しい奥日光に来てこれらの花とともに、蝶の観察なども楽しいです。
戦場ヶ原や小田代原は特別保護地区なので、動植物の採集はできませんので、観察だけでお願いします。