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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

南アルプスに咲く花(亜高山帯編)

2019年04月09日
南アルプス

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

さて、前回の「南アルプスに咲く花(低山編)」に引き続き、今回は亜高山帯(2,400mから2,700m)にスポットライトを当てていこうと思います。

【ミヤマクロユリ】

何株も咲いていました

登山をされない方でも名前を耳にしたことがあるという方もいらっしゃるかと思います。独特な色と黄色い斑点模様が特徴的です。「クロユリ」という種類もありますが、クロユリは低地草原に生育し、花を3個以上付けます。対して、ミヤマクロユリは亜高山帯や高山帯に生育し1個から2個ほどつけます。花の個数、生育している場所で見分けることができます。花言葉は「恋」と可愛らしいですが、香りは臭いようです。

【ミネザクラ】

桜を見るとやはり、心が和みます

山梨の市街地では葉桜になってきていますが、事務所がある芦安は標高が高いため桜が見ごろを迎えています。街でよく見られるソメイヨシノやエドヒガン等の花期は3月から5月くらいまでですが、標高が高い場所に咲くミネザクラの花期は6月です。街の桜が散った後でも、桜を楽しむことができます。街でお花見するタイミングを逃してしまった方は、山に登ってミネザクラでお花見をしてみてはいかがでしょうか?

【シナノキンバイ】

漢字では「信濃金梅」と書きます

このお花、見たことある!という方も多いのではないでしょうか。シナノキンバイは北海道、中部地方以北と広い範囲で見ることができる大変ポピュラーな花です。花がとても大きいため、1個でもかなり目立ちます。単体で咲いているというより、大群落で咲いているというイメージが強いです。

【ハクサンイチゲ】

日本の高山植物を代表するお花です

ハクサンイチゲは、本州の中部地方以北の範囲で見ることができます。亜高山帯にも高山帯にも咲き、生育地の範囲もかなり広いです。キタダケソウの生育地にも咲いており、形が似ているため見分けるのが難しい、と耳にします。見分けるポイントは葉の形です。ハクサンイチゲは先端が尖って大きく裂けていますが、キタダケソウは先端が丸み帯びていてさほど裂けていません。間違えないようにじっくり観察してくださいね。

生で見ると息を飲むほど美しい景色です

上の写真は荒川岳のお花畑です。黄色の点はシナノキンバイ、白の点はハクサンイチゲです。画像をクリックして大きくすると1つ1つの花がよく見えます。手前に見えるのも奥に見えるのも全て高山植物です。このお花畑を横切るように登山道があるので、間近で大大大群落楽しむことができます!このお花畑に来るまでにはかなりの時間を要しますが、この素晴らしいお花畑を見たら疲れも吹き飛びますね!

今回は亜高山帯(2,400mから2,700m)編をお送りしました。主に北岳では白根御池小屋から小太郎尾根分岐、二俣から八本歯のコル、荒川岳では駒鳥池付近から千枚小屋付近、荒川小屋付近から前岳南東斜面付近のお花畑、茶臼岳では易老岳から茶臼岳などが今回の亜高山帯の標高にあたります。このあたりは登山装備と体力が必要となってきます。時間に余裕を持って、小屋泊等を利用して高山植物を観賞するものいいですね。

次回は稜線(2,700mから3,100m)編をお送りします。お楽しみに♪