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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

夜叉神峠へ巡視に行ってきました

2020年02月13日
南アルプス

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

2月上旬、冬晴れの合間を狙って夜叉神峠の巡視に行ってきました。夜叉神峠は鳳凰三山縦走路の通過点になっており、夏は高山植物を、冬は美しい白峰三山を楽しむことができる登山初心者の方にもオススメのトレッキングコースです。

山頂には雪がこんもり!!そして、白峰三山も綺麗に見ることができました。

  

普段、笹が広がっている場所には亀の甲羅のような雪がもりもりと積もっていて、なんだか可愛らしかったです。白峰三山の景色を撮るための個人的な定点があるのですが、雪で埋まっていて全くわからない状況でした。白くなった白峰三山は相変わらず美しくてうっとりしてしまいます。

多くの方がご存じかと思いますが、白峰三山は北岳、間ノ岳、農鳥岳の総称を指します。夜叉神峠から見た白峰三山をアップにしてみると・・・

【北岳】

荒々しく見える岩壁は北岳バットレスです。そして、手前に伸びている尾根は池山吊尾根です。登山道への入り口は広河原ではなく、奈良田のあるき沢になります。広河原からの登山道に比べて登山者数がぐっと少なくなるので、同じ北岳でも違った雰囲気で山歩きができます。

【間ノ岳】

日本で2番目に高い北岳に次ぎ、3番目に高い山がこの間ノ岳です。北岳と農鳥岳の間にある山なので間ノ岳という名前になっています。雪で真っ白になっているくぼみは細沢カールです。南アルプスのカールといえば多くの方が仙丈ヶ岳を思い浮かべると思いますが、この間ノ岳にもカールがあるんですよ♪

【農鳥岳】

写真を見ると2つ頂上があるように見えますよね。その理由は、農鳥岳と西農鳥岳に分かれているからです。農鳥岳が主峰とされていますが、高さだと実は西農鳥岳のほうが高いです。

農鳥岳の名は、この山の東面の谷に現れる雪形に由来していると言われています。6月中旬に、白鳥の姿が甲府盆地から望見され、これを見て農家さんは田植えを始めたそうです。今年こそは農鳥を下界から眺めたいです。

雪不足と言われていましたが、寒さや高山の積雪量がようやく冬らしくなってきましたね。

夜叉神峠登山口から山頂までの登山道の様子をお伝えします。

登山口を入ってすぐの場所から積雪があります。

この場所は日陰になっていることが多く、融雪が進まず夕方には凍ってしまい積雪と凍結の恐れがあります。また水路パイプ部分が滑りやすいので、下山の際はお気をつけください。

山頂までずっと積雪があります。標高を上げるにつれて積雪量は増えていきます。高谷山、西口登山道、夜叉神峠山頂の分岐点の比較写真です。

  

撮影している角度が少し違いますが、無積雪期と比べて、看板が見えなくなりそうなくらい積もっています!!多くの方が登っていてトレースはついているので、道迷いなどの心配はありません。重みのある雪だったので、この日はアイゼンの出番はなし。ですが、早朝や気温が低い日は凍結していることがあるので軽アイゼンは必ず携帯してください。雪山デビューしてみたい方、軽アイゼンを使った登山をしてみたい方、白く輝く白峰三山を見てみたい方。ぜひ、お越しください!