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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

第61回 長衛祭が行われました

2019年07月09日
南アルプス

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

6月29日(土)に長野県伊那市と山梨県南アルプス市の県境にある北沢峠の近くにある長衛小屋で「長衛祭」が行われました。

長衛祭では南アルプスの開拓者「竹澤長衛」翁の遺徳を偲びます。竹澤長衛翁は案内人を行うとともに山岳救助や高山植物の保護に大きく携わり、南アルプスの山々を誰もが安全に登山を楽しめる山にしたい、と登山道や山小屋の開拓に力を注ぎました。南アルプスを代表する仙丈ヶ岳登山道¨藪沢新道¨(大滝頭から馬ノ背)や¨栗沢山新道¨(長衛小屋から栗沢山)など自らの手で切り開きました。

「死んだら仙丈の方へ向けて埋めてほしい」と遺言を残したそうですが、この日は仙丈ヶ岳の山頂は見えず。竹澤長衛翁が天国で悲しい思いをしていたのでしょうか。お祭りでは、芦安小学校児童と長谷小学校児童による「ふるさと」の合唱や南アルプスカルテットによる演奏の中、竹澤長衛翁レリーフへ献花をしました。中盤から雨が降り、時折寒さを感じるほどでしたが、多くの方が参加されていました。


△献花のようす

交流会では竹澤長衛翁の愛した山々を荒らす、イノシシやニホンジカの肉の入った成敗汁や鶏とニホンジカの肉が入った炊き込みご飯が振る舞われました。

成敗汁をいただくのは3回目になりますが、変わらずとてもおいしかったです!イノシシやニホンジカが入っていますが、ジビエ特有の臭みは全くありません。野菜がたっぷり入っていて、雨風で冷えた身体にとっても染みました!

長衛祭を通して、山や自然を大切に、愛する気持ちを忘れずに安全で楽しい登山を心がけようと思いました。ここ数日は悪天候が続いております。登山道がぬかるんでいたり、石の表面が滑ることもあります。登られる際は足元に気をつけて登るようにしてください。