アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
実りの秋
2016年09月20日みなさん、こんにちは。
先日、うちの近所にクマが出ました。姿は見ていませんが、近所のクルミの木へ
実を食べに来ていたようです。これから秋が深まるとクマも冬に備えて夢中で食料
を探すので、山に入られる皆さん、クマ鈴をつけるなど対策をなさってください。
さて、山ではあちこちで実を見かけます。
(左上:コケモモ 右上:ガンコウラン
左下:オオヒョウタンボク 右下:ウラジロナナカマド)
コケモモやガンコウラン、ナナカマドは、ライチョウなどの野生生物にとって
貴重な食料です。みなさん、食べてしまわないでくださいね!
ちなみにオオヒョウタンボクには毒があるそうです。
さて、こちらはホシガラス。
(ハイマツの実を食べるホシガラス。ピンボケですみません...。)
日本では四国以北の亜高山帯から高山帯に生息し、南アルプスではよく出会います。
名前の通りカラスの仲間(カラス科)ですが、黒茶色の体に星をちりばめたような
白のまだら模様があります。頭には模様がなく黒茶一色、羽と尾は黒色です。
「ギャーギャーッ」としわがれ声で鳴くのも特徴で、姿が見えなくてもすぐわかります。
大きさは、街中で見るカラスよりもひとまわり小さく、ハトより少し大きいくらいです。
この写真からはわかりませんが、目がくりっと大きくてめっちゃかわいいんですよ。
好物はハイマツの実のようで、食べている姿をよく目にします。くちばしで器用にもぎ
取って食べやすい場所へ運んでから食べる習性があり、登山道周辺でもホシガラスが
食べた実の残骸を見かけることがあります。私はこれを「ホシガラスのお食事処」と
勝手に呼んでいます。
(ホシガラスのお食事処。手前は新鮮なもの、奥の茶色いものは古い食べかす。)
秋の山では紅葉・黄葉だけでなく、木の実から野生生物に思いを馳せたり、ホシガラス
のような生きものの行動を観察したりするのも楽しいですよ♪