アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
荒川岳防鹿柵冬期養生作業に行ってきました!【景色編 】
2020年10月21日みなさん、こんにちは。
南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
前回の荒川岳防鹿柵冬期養生作業に行ってきました!【作業編】に引き続き、2泊3日を通して見ることができた景色をお伝えしようと思います。
◆ 千枚小屋の紅葉
千枚小屋まではシラビソやコメツガなどの針葉樹林が多く、常緑の樹木が多いです。標高約2,600mの千枚小屋周辺まで登ると針葉樹林に加えて、ダケカンバやナナカマドが生育しています。ちょうど紅葉の見頃を迎えており、赤や黄色がとても綺麗でした、雲一つ無い快晴で、空の青色によく映えていますね♪
◆ 雲海に浮かぶ丸山
千枚岳と悪沢岳の間に位置する標高3,032mの丸山。その名の通り、丸くだだっぴろい山容です。このあたりは運が良いと、ライチョウを見ることができるスポットです。この日は天気が良すぎたせいか、ライチョウの気配は感じられませんでしたが、見事な雲海!下界は雲空だったかもしれません。雲海は標高が高いところならではの景色です。
◆ 南アルプス南部から見る北部の山々
三伏峠・塩見岳の巡視に行ってきました。【塩見岳編】 (10月8日更新)で塩見岳から見た南アルプス北部、南部の写真を掲載しました。今回は荒川岳から見た北部の山々です。手前に大きく見えるのは塩見岳、そこから伸びる尾根は蝙蝠尾根です。奥には三峰岳や間ノ岳、農鳥岳、広河内岳が見えます。北岳や仙丈ヶ岳も頭を出していますね。空の色もグラデーションになっていて、山の美しさを改めて感じました。
◆ 富士山と白峰南嶺
白峰南嶺は農鳥岳以南の山々を指し、広河内岳や笹山(黒河内岳)、笊ヶ岳などがあります。写真に写っているのは、布引山、笊ヶ岳、生木割山などです。笊ヶ岳はネコの耳のように見えるのが特徴的です。この写真は、2日目の西カール底の作業へ向かう朝、荒川小屋の前で撮影しました。小屋から出てすぐにこの景色が堪能できるのは嬉しいですね。山小屋で働く方々の特権です。
アクティブ・レンジャーになってから4年が経ち、荒川岳防鹿柵冬期養生作業へは毎年、参加させていただいています。同じ時期に4回登っていても、¨あのときと同じ景色¨には出会えていません。登るたびに景色を変えて魅せてくれる自然や山はやはり、いいですね♪今年の南アルプスは入山自粛や山小屋や交通機関の休業し、例年のように多くの方に利用していただけないことがとても残念です。来年こそ、賑やかな南アルプスに戻って多くの方にステキな時間を楽しんでもらいたいです。
【南アルプス山域の登山を計画されている方へ】
先日の降雪により、一気に雪山に変わりました。足回りや防寒着の準備をしっかりしてください。徐々に日の入りも早くなってきているので、早出・早着を心がけましょう。ヘッドランプの携帯も忘れずに。これまで有人だった山小屋も無人になり、山小屋の利用もできない場合がありますので、あらかじめ情報収集を行った上で、計画を立てるようにしてください。