アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
荒川岳防鹿柵冬期養生作業に行ってきました!【作業編】
2020年10月14日みなさん、こんにちは。
南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
10月初旬に2泊3日で荒川岳の季節型防鹿柵の撤去作業へ行ってきました。例年、7月頃に、ニホンジカが高山へ季節移動して来るタイミングで、関係者による柵の設置作業があり、環境省も同行しますが、今年は椹島までの林道の崩落で通行止めのため、請負業者のみで設置作業を行いました。環境省としては今年度初の荒川岳への巡視を兼ねた防鹿柵の撤去作業になりました。
荒川岳は南アルプスの南部、静岡県静岡市に位置する山です。東岳(悪沢岳)、中岳、前岳の3つの山を総称し、「荒川三山」と呼ばれています。中でも東岳(悪沢岳)は標高3,141mで、日本で6番目に高い山です。
荒川岳では西カールに2箇所、前岳南東斜面に1箇所防鹿柵を設置しています。初日は前岳南東斜面の防鹿柵の撤去を行いました。前岳南東斜面の防鹿柵は前岳・中岳分岐から荒川小屋の間に設置されており、登山道を含む大きな防鹿柵です。今回の作業では、ネットやポールを外し、雪崩等で流されないように紐で縛るほか、扉の撤去を行います。
作業を行う場所は傾斜がきつく、大小いろいろな岩が落ちているので、作業もなかなか大変です。
2日目は西カールの撤去です。カールの中では落石の危険があるため、作業ではヘルメットの着用が必須です。
カールの中に柵を2箇所設置しているため、2つのグループにわかれて作業します。柵の大きさにより人数を割り振りますが、大小問わず、この西カールも傾斜がきつく、足場が悪いので作業は大変です。
西カールの大きい柵を下から見ると・・・
・・・とても広大です。クリックして大きい写真で見てみると、豆粒サイズで柵や人が写っているのが分かるかと思います。とても広大なカールに設置されている柵ですが、参加されたボランティアのみなさんによって、あっという間に終えることができました。参加してくださったボランティアのみなさんに感謝です。
足元を見てみると、ドライフラワー状になったミヤマアキノキリンソウが可愛らしかったです♪