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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

南アルプスの山から初日の出

2020年01月06日
南アルプス

明けましておめでとうございます。南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

本年もアクティブ・レンジャー日記、よろしくお願いいたします。

さて、みなさんは年末年始どのように過ごされましたでしょうか?今年は晴天が続き、お出かけ日和でしたね。わたしは年末年始に鳳凰三山の薬師岳で初日の出を拝んできました。1日目は夜叉神峠登山口では晴天かつ無風でしたが、夜叉神峠に着くと風が強く吹いており、薬師岳小屋手前の砂払岳では雪が降り始め、相変わらず風も強く吹いていました。2日目の朝も風が止まず強く吹いていたため、三山縦走は諦め、薬師岳直下で初日の出を見ました。今回の景色をみなさんにお伝えしたいと思います。

6:30、薬師岳小屋を出発し薬師岳直下にて初日の出を待ちます。薬師岳小屋から薬師岳までは約10分。夜叉神峠登山口からの距離はありますが、1日目で薬師岳小屋まで登れば、お手軽に日の出を拝むことができます。

朝日が昇る前の白峰三山です。グラデーションがとても美しいです。ここ数年、鳳凰三山で初日の出を拝み、白峰三山を見ていますが、雪を被った白峰三山は雄大でいつ見ても圧倒されます。

標高が高い部分は雪で覆われているのが分かります。間ノ岳の細沢カールや北岳の左俣も真っ白。よく見ると北岳山荘や北岳肩ノ小屋、白根御池小屋が見えます。目をこらして探してみてください。

白峰三山から少し右へ視線をずらすと見えてくるのが仙丈ヶ岳です。こちらもグラデーションが美しいです。

仙丈ヶ岳といえばカール。カールは別名「圏谷(けんこく)」といい、氷河によって山頂付近が削られてできたもので、スプーンで削ったように丸みを帯びたゆるやかな谷地形が特徴的です。ここから見えるのは大仙丈カールと小仙丈カールでしょうか。どちらも真っ白になっていて綺麗です。朝日が昇る前は見るたび色が徐々に変わっていき、グラデーションの変化がとても美しく見えました。

朝日が昇り始めました。手前に見える山は砂払岳です。鳳凰三山と同様、山全体が花崗岩で覆われているため、夏場は砂浜のようになっています。中心に見えるのはご存じ、富士山です。

初日の出が昇ると、他の登山者からは「おぉー!」と歓声が挙がっていました。今年も無事、初日の出を山で拝むことができてよかったです。今年も健康で楽しく登山できるといいなと思っています。

■登山道状況(年末年始時)

夜叉神峠登山口を登り始めてすぐから積雪があります。夜叉神峠から火事場跡間で凍結箇所がありました。日が入りづらい場所で凍結していることが分かりづらい場所もありますので、通過される際はお気を付けください。

上の写真は11日の写真です。苺平や南御室小屋付近ではさらに積雪があります。年末年始でたくさんの登山者が通過したため、歩きやすかったですが、今後積雪が増えた場合はノートレースかつラッセルを強いられる可能性があります。アイゼンの携帯はもちろん、場合によってはワカンが必要になってくるかと思います。登山計画書をご提出の上、ご自身の体力に見合った冬山登山をするようにしてください。