アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
南アルプスで暮らす動物たち
2019年02月26日みなさん、こんにちは。
南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
南アルプスは山深く原生的な森林が残されており、ほ乳類は種類数も個体数も多く、ツキノワグマ、ホンドキツネ、ホンドオコジョなど30種類以上が確認されています。自然の豊かさを反映して昆虫類も豊富であり、高山性のチョウ類も多く生息しています。今回は、南アルプスで暮らす動物たちについてみなさんにご紹介したいと思います。
△ライチョウ親子
多くの方がご存知ではないでしょうか?南アルプスが生息地の最南限になっており、北端の甲斐駒ヶ岳から南端のイザルガ岳に生息しています。身体はハトよりも大きく、すんぐりしていて、冬の寒い時期にも耐えられるよう、足はふわふわの毛で覆われています。国指定の特別天然記念物、国内希少野生動植物種として法律および条例によって保護されています。きっと今頃は、真っ白な毛で覆われて雪の中でぬくぬくしていることでしょう...♪
△こちらをじっと見つめるカモシカ
カモシカは名前に「シカ」とついていますが、実はウシ科です。ニホンジカはオスだけに角が生えますが、カモシカはオスメス両方に角が生えます。南アルプスでは山麓から亜高山帯の広い範囲で生息しているため、登山道でも頻繁に目撃されます。群れで行動することはなく、1年のほとんどを1頭で行動しています。写真には1頭しか写っていませんが、この尾根の下に子どもが2頭!貴重な瞬間でした。
△木の実を探しているホシガラス
亜高山帯から高山帯までのハイマツなどの針葉樹の茂った場所に生息しています。街でよく見かけるカラスは全身真っ黒ですが、ホシガラスは全身茶褐色気味で、白い斑点が散らばった羽色をしています。標高が高いところでは頻繁に見ることができます。土の中や木の洞など森のあちこちに木の実を隠して貯めておく習性をもっています。そのまま埋められた木の実がやがて芽を出して新しく実を付ける木が育つことから「森を再生する鳥」としても知られています。
このほかにもコウモリやモグラ、ネズミなどの小型ほ乳類やヤマトイワナも生息しています。いかに南アルプスが豊かな自然であるかが分かります。南アルプスで動物を見かけた際は、ぜひ、いきものログを活用してみてください。 → https://ikilog.biodic.go.jp/