アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
夜叉神峠へセンサーカメラのメンテナンスに行ってきました
2021年02月26日みなさん、こんにちは。
南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
2月中旬、12月に設置した夜叉神峠のセンサーカメラのメンテナンスを行いました。(設置の様子はこちら!)
今回は5基中3基のセンサーカメラで12月22日の設置から約2ヶ月の間で撮影できたニホンジカたちを紹介します。
下見の段階で最も多くの痕跡が見られた場所に設置したカメラには4~5頭ほどのメスや今年度生まれたと思われる身体の小さな個体が写っていました。この群れは頻繁に撮影されており、人間で言う、通勤路状態でした。
ピントが合わないくらいの猛スピードで走り去る姿やカメラ目線でひょっこりしている姿。撮影された写真はニホンジカの「素」を見ることができて面白いです。
中でも我々が驚いた写真はこちらです。
雪の上を歩くニホンジカ。奥にはササを食べている?個体も写っています。一見、驚くような写真ではないですよね。この写真の何に驚いたかというと、撮影時刻が「2021/2/19 9:55」。このセンサーカメラのメンテナンスを行ったのが「2021/2/19 13:00」。 ・・・!約3時間前に撮影できていたことになります。この時期も夜叉神峠周辺でニホンジカが生息しているということを改めて、確認できました!撮影していた9:55、我々は深い雪に足をとられながらセンサーカメラを必死に探していました・・・
3基の合計撮影枚数は1227枚!ただ、センサーカメラはニホンジカだけでなく、雪の粒や風で揺れた草木にも反応してしまいます。データを確認したところ、ニホンジカを撮影できていたのは半分ほどでした。上記にもありますが、撮影されていた個体の多くはメスで、設置後は頻繁に撮影されていましたが、1月中旬にまとまった降雪があり、それ以降ぱったり撮影されなくなりました。積雪がある場所は生活しづらいためか、足跡やフンの痕跡も確認できませんでした。雪深い場所はヒトが歩いても股下まで埋まってしまうほどの積雪量でした。3月には残りの2基のメンテナンスを行う予定です。2基の状況も追ってお伝えしたいと思います。
メンテナンスを行ったこの日は、この時期にしては暖かく、風もなく、巡視日和でした。
白峰三山も真っ白になり、ようやく冬らしくなってきました。真っ白な白峰三山は雄大で美しく、見ていてうっとりします。冬の標高約1,800メートルは下界に比べて寒いですが、澄んだ空気の中で、美しい景色を堪能することができます。
◆ ◇ 夜叉神峠・鳳凰三山の登山を計画されている方へ ◇ ◆
2月に入ってからまとまった降雪が何度かありました。また、気温が低い日、高い日が繰り返しており、登山道の一部は分厚く凍結しています。今後もまとまった降雪や凍結が予想されるため、状況に応じてわかんじきやスノーシュー、アイゼン等の足回り装備を携帯してください。