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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

三伏峠・塩見岳の巡視に行ってきました。【三伏峠編】

2020年09月30日
南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

9月中旬に三伏峠、塩見岳の巡視に行ってきました。三伏峠、塩見岳方面は山小屋の休業および林道が通行止めになっているため、長野県より入山自粛が求められており、例年のような賑わいはありませんでした。今回の巡視のようすを2回に分けてお伝えしたいと思います。

三伏峠は標高2,580mにあり、¨日本で一番高い峠¨にと言われています。長野県から塩見岳や小河内岳に登る際は必ず通過する峠です。三伏峠までの登山道には1/10、2/10と目安になる地点に看板が設置されています。このような標記があると、登山中の気持ちの持ちようが変わりますね。

今回の巡視は高山植物の時期とズレているので植物を見ることはできませんでしたが、花期シーズンの登山道ではコウシンヤマハッカやダイモンジソウ、シロバナノエンレイソウなどを見ることができます。可愛らしいお花たちが疲れた身体を癒やしてくれます♪

三伏峠から南に向かうと、防鹿柵が設置されています。三伏峠には南アルプスを代表するお花畑がありましたが、ニホンジカの採食圧により草原化してしまいました。そのため、静岡県が平成19年、20年、24年に防鹿柵設置しています。(設置作業のようすはこちらから。)

三伏峠にある防鹿柵は初夏から晩秋のみ設置している季節型と、1年中設置している金属製柵の2タイプがあり、初夏の柵内ではシナノキンバイやミヤマクロユリ、サンカヨウなどが咲きます。(上の写真は金属製柵)8月中旬頃にはタカネマツムシソウが大群落を作ります。

今回の巡視では咲き残りを見ることができました!花そのものが大きいので、見つけやすいです。綺麗なタカネマツムシソウが群落を作る防鹿柵の横には・・・

悲しいことにニホンジカの糞が落ちていました。しかも、1箇所ではなく数カ所に。今回の巡視では個体を見ることはできなかったものの、ニホンジカの糞や食痕が多く見られました。今年は入山自粛で人の出入りが少ないため、登山道添いで被害が多く見られる、という話も聞かれます。南アルプス山域ではニホンジカの被害と切っても切れない状況になっています。いつか、防鹿柵が無くても高山植物を楽しむことができる南アルプスになるといいですよね。

ニホンジカの痕跡が多く見られる中、旅の途中で羽を休めているアサギマダラやヒガラに出会えました。どちらも群れを成しており、私たちを出迎えてくれているようでした♪