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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

記念すべき第60回目!長衛祭が行われました!

2018年07月04日
南アルプス国立公園

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

6月30日(土)に長野県伊那市と山梨県南アルプス市の県境にある北沢峠で「長衛祭」が行われました。長衛祭は今年でなんと60回目を迎えました。

献花が贈られた長衛翁レリーフ前

△献花が贈られた長衛翁レリーフ前

竹沢長衛翁は明治22年に黒河内村(現伊那市長谷)で生まれ、南アルプスの山に囲まれて育ちました。案内人を行うとともに山岳救助や高山植物の保護に大きく携わり、また、山岳信仰の山でも知られている東駒ヶ岳(甲斐駒ヶ岳)や仙丈ヶ岳を一般の方が、女性が登れるようにと登山道や山小屋の開拓に力を注ぎました。主な業績として、長衛(北沢)小屋や藪沢小屋の建設、仙丈ヶ岳登山道¨藪沢新道ルート¨、東駒ヶ岳(甲斐駒ヶ岳)登山道¨双児山ルート¨、ここ数年で多くの方が登るようになった¨栗沢山新道¨など自らの手で切り開きました。昭和33年3月10日、69歳で生涯を閉じました。「死んだら仙丈の方へ向けて埋めてほしい」と遺言を残したそうです。長衛小屋から見る仙丈ヶ岳はとても穏やかで素晴らしい眺めになっています。

長衛小屋から見た仙丈ヶ岳方面

△長衛小屋から見た仙丈ヶ岳方面

芦安小学校児童と長谷小学校児童による「ふるさと」の合唱や南アルプスカルテットによる音楽祭が行われ、祭後には農業・林業被害をもたらしているイノシシやシカの肉を使った成敗汁が振る舞われました。ジビエ特有の臭みや肉の硬さもなく、とても美味しかったです!また、第60回を記念して、写真教室やコケ観察会、栗沢山トレッキングなどのイベントが行われました。多くの方が参加しており、大賑わいでした。

そんな中、長衛小屋周辺ではカラマツソウやシロバナノヘビイチゴが咲いていました。

カラマツソウ 

△カラマツソウ

シロバナノヘビイチゴ

△シロバナノヘビイチゴ

夏山シーズンが始まりましたが、ルートによっては冬装備が必要な場所もあります。体力や技術に合わせて楽しく安全な登山を行ってください。また、山小屋によっても営業を開始していない小屋もありますので、しっかりと情報収集したうえで登山計画を立ててくださいね。