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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

新緑鮮やかな夜叉神峠へ!

2019年05月31日
南アルプス

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

先日、夜叉神峠へ行ってきました。夜叉神峠は標高1,770m、夜叉神峠登山口から1時間ほどの場所にあり、南アルプス国立公園の中でも1年を通して登山口へのアクセスが楽にできる場所です。鳳凰三山に続く縦走路になっているほか、白峰三山の展望や季節の花を楽しむことができるトレッキングコースとして多くの方に親しまれています。

どんなお花に出会えるかな?とわくわくしながら歩いていると...登山道にちょこんと、綺麗な花が咲いていました!!

  

左は山地の草地に生えるシロバナノヘビイチゴです。写真は少し暗くなってしまっていますが、花びらは白く、ラズベリーのような実を付けます。右はツルキンバイです。花びらがハート型のようになっていて、中心部はかなり濃い黄色をしています。登山道沿いに群落を作ることもあります。これからの時期は、色鮮やかな新緑とともにさまざまな種類の植物を楽しむことができます。

ジグザグの登山道をしばらく進むと、「五本松」と呼ばれる大きな木があります。冬は落葉して物寂しげなようすがありましたが、春になって葉が輝いていました。

夜叉神峠までの道は昔、林業に使われており、芦安の村人が行き来する途中で炭を焼いていたそうです。五本松付近には、炭を焼くための炭釜跡が残されています。芦安や夜叉神峠にまつわる歴史や文化を探しながら登山をするのも楽しみ方の1つですね♪

夜叉神峠山頂に着くと、最高の絶景が待っていました!!!

右から北岳、間ノ岳、農鳥岳です。ここ数日、天候も良かったせいか、白峰三山の残雪が少なくなった気がします。といえども、まだ白さは残っていますね。間ノ岳の真ん中に白いくぼみがあるのがお分かりでしょうか。このくぼみは「カール(圏谷)」といいます。氷河によってえぐり取られたカールには遅くまで雪が残ります。間ノ岳にあるカールは「細沢カール」といい、カールを下に辿って見ていくと川が流れています。この川が細沢です。確かに、細いですね。カール地形は間ノ岳の他に南アルプスでは、仙丈ヶ岳や荒川三山などでみられます。

写真の通り、この日はとても天気が良く、多くの方が鳳凰三山方面へ向かわれていました。鳳凰三山から見る白峰三山は夜叉神峠から見る白峰三山とは角度が変わり、北岳を真正面に望むことができます。(鳳凰三山から見た白峰三山はコチラ!)夜叉神峠から薬師岳までは6時間ほどかかりますので、時間に余裕を持って登るようにしてくださいね。