アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
夜叉神峠巡視
2018年12月18日みなさん、こんにちは。
南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
13日に夜叉神峠の巡視へ行ってきました。
夜叉神峠は標高1,770m、夜叉神峠登山口から1時間ほど歩くと着きます。アクセスが良く、白峰三山の展望や季節の花を楽しむことができるトレッキングコースとして多くの方に親しまれています。
落ち葉で茶一色になった登山道で一際目立つ緑色。スギゴケでしょうか。
△登山道脇で見つけたスギゴケ
最近降った雨によって潤っていました。太陽の光を浴びて、さらに綺麗に見えます。ガスで真っ白になっていたり、樹林帯で展望がない場所では足元に目を向けてコケや植物を観察しながら歩くのもいいですね。コケに詳しくない私ですが、コケに興味が湧きました!
しばらく歩くと、『夜叉神峠まで15分』と書かれた看板が出てきます。この付近から登山道上に雪が出始めます。
△登山道上に積もる雪
雨が降って固まったような雪質でしたが、つるつる凍っているところはほぼなく、むしろ歩きやすさを感じました。雪が降った登山道でわたしが楽しみにしていることは雪上についた動物の足跡を観察することです。夜叉神峠はさまざまな生きものが生息しているのでいろいろな種類の足跡を見ることができます。今回はニホンジカ、鳥類、タヌキの足跡が見られました。夏でも見つけることはできますが、冬のほうが断然分かりやすいです。山や森へ入られた際はぜひ、探してみてください。
15分ほど歩くと夜叉神峠山頂に着きます。この日は生憎の曇り空。
△ガスガス三山
ガスガスで何も見えませんでした。お昼ご飯を食べながらガスが取れるのを待つことに。日差しが差したり差さなかったり。着込んでいるものの、指先が徐々に冷え込んできました。ガスが取れそうにないので、帰り支度を始めると少しだけガスが取れ、中白根山が見えました!
△中白根山がひょっこり
シャッターチャンスは逃してしまったもののほんの少しの間、北岳や間ノ岳も顔を出してくれました。昨年と同じくらいの日も夜叉神峠の巡視へ来ましたが、昨年よりもだいぶ雪が少ないように感じられます。(昨年の記事はこちら)今後、さらに冷え込む季節になりますので、これからの積雪に期待します。
夜叉神峠までの登山道では、まだ軽アイゼンが必要な場所は特にありませんが心配な方や雪道の歩行に不安がある方は携帯するようにしてください。
◆南アルプスの冬山登山を計画されている方へ
平成30年10月20日から、山梨県内の山域で登山する際は、登山計画書の提出に努めなければなりません。また、平成31年12月から3月の厳冬期は富士山、八ヶ岳、南アルプス(白峰三山、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、鳳凰三山、鋸岳、笹山、笊ヶ岳など)にて登山計画書の提出が義務化になる予定です。夜叉神峠登山口の東屋にも登山計画書を提出する場所があります。電子メールやFAX、オンライン登山計画書「コンパス」での提出も可能です。安全確保のためにも提出するようにしてくださいね。