アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
雨の日
2016年09月26日みなさん、こんにちは。
秋雨前線と台風の影響を受けたシルバーウィーク前半、南アルプス中部に位置する
塩見岳(長野県と静岡県の境)では、植生復元活動が実施される予定でした。
しかし、作業現場近くまで行ったものの雨、風ともに強く危険な状況となったため
撤退を余儀なくされました。本当にお天気が安定しませんね。
作業ができなかった上、天気が悪くて景色も見えない...。残念な日。
でも、嘆いていても仕方がない。上が見えぬなら下を向いてしまおう!
ということで、足元に目を向けてみました。
(ダチョウゴケ 小河内岳近くにて9月17日撮影)
これはダチョウゴケ。立ち上がって枝を広げる姿は可愛いものです。
ダチョウの羽に形が似ていることからこの名が付いたそうです。
「ダチョウ 羽」と検索して写真を見比べてみてください。
確かにダチョウの羽に似ています。
(ミヤマスナゴケ 9月17日撮影)
こちらはミヤマスナゴケ。
烏帽子岳から小河内岳の間の登山道沿いでは、他の種類のコケとともに黄金色の
大きな群落をつくっている様子を見ることができます。尖った葉先が霧などの水分を
集めやすいようで、雫をたくさんつけていました。
さらに、亜高山帯の針葉樹林では冷たい雨の中、こんな生きものとの出会いが...。
(登山道わきに現れた生きもの。9月18日撮影)
アズマヒキガエルと思われる個体です。
頭からおしりまで15cm以上の巨体です。この種は水辺でなくても生きていけるので、
こうして山で出会うこともあります。一見するとイボだらけなので「気持ち悪い」と
感じる人もいるかもしれません。
しかし、よくよく見るとキレイな目をしています。
(「伏し目がちな潤んだ瞳」は言い過ぎ?)
まるっと開いた鼻の穴、ゆっくりした動き、ぽってりした体型...見ていると可愛いと
思えてきますが、みなさんはどうでしょうか?
視点を変えれば、雨の日は雨の日なりに楽しめますね♪
ただ、秋山の風雨は冷たく、少し立ち止まっただけで体温がぐんぐん奪われます。
みなさんも装備をしっかり整え、防寒具など適切に使って秋山に臨むようお願いします。