アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
南アルプス市芦安小学校で出前授業を行いました
2020年08月20日みなさん、こんにちは。
南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
7月下旬に南アルプス市芦安小学校にて、3~6年生を対象に出前授業を行いました。芦安小学校では、総合的な学習の一環として、鳥獣による食害の学習に取り組んでおり、今回の出前授業では南アルプス市(旧芦安村)にある北岳などのニホンジカによる被害について金丸生態系保全等専門員が出前授業を行いました。今回はその様子をお伝えしたいと思います。
金丸生態系保全等専門員より、南アルプス自然保護官事務所の仕事や南アルプス国立公園で確認されている被害状況について紹介しました。芦安では昼夜問わず、道路脇や河川敷にニホンジカの姿が見られます。児童たちの反応で驚いたことは、芦安小学校では校庭にニホンジカが現れ、ニホンジカの糞が落ちているらしいです。都心のこどもたちにとっては、ニホンジカはなかなか見ることができず、珍しい動物かもしれませんが、芦安のこどもたちにとってはよく見る光景で、珍しさは感じないのかもしれません。
座学の次は、タブレットを用いてニホンジカの動画を見たり、鳥獣の捕獲に使うくくりワナを見たり。中でも児童たちの興味を引いたのが、ニホンジカの毛皮と角です。毛皮は夏毛と冬毛の両方を用意し、触り心地などの違いを感じてもらいました。
「夏毛のほうが堅い!」
「冬の毛はふわふわ」
「ちょっと臭いね」
「角の先っぽってこんなにとんがってるんだ!」
ニホンジカの姿はよく見かけても、毛皮や角に触れたり、ニオイを感じる機会は多くないので、貴重な体験になったのではないでしょうか。また、児童のみならず、初めて触る先生方も多かったようです。
今後、芦安小学校の児童は地域の山に登り、ニホンジカを含む鳥獣による被害の観察に行く予定だそうです。事前に学習したことを自分の目で確認して、実感してもらいたいです。