アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
広河原に咲くニリンソウ
2018年05月22日みなさん、こんにちは。
南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
5月もあっという間に過ぎ、もうすぐ6月ですね。事務所がある芦安は少し標高が高いせいか暑さを特に感じることなく、過ごしやすい毎日です。
先日、一足早く広河原へ行ってきました。
北岳へ向かう吊り橋を渡った先でわたしが見つけたものはニリンソウです。
(吊り橋の先で見つけたニリンソウ)
ニリンソウはキンポウゲ科に属しています。世界中で北岳にしか咲かない「キタダケソウ」もこのキンポウゲ科の仲間です。ニリンソウは山野の湿ったところに群生し、高さは15センチから25センチほどの多年草です。似ている花としてイチリンソウという種類があります。この日はイチリンソウを見つけることができなかったので、残念ながら写真に収めることができませんでした。イチリンソウとニリンソウにはいくつか違いありますが、分かりやすい違いとして「花の大きさ」が挙げられます。ニリンソウは直径約2センチの花をつけますが、イチリンソウは約4センチの花をつけます。
イチリンソウに比べ花は小さいですが、たくさんの株が花をつけるとイチリンソウの花の大きさに負けていません。遠くから見ると白いじゅうたんのようにびっしりと咲き、圧倒されます!
(ニリンソウの群落)
今回は吊り橋の先へは行きませんでしたが、この先にもお花が待っていると思うとわくわくします。今年も黄色やピンク、白や紫などたくさんのお花に出会えるのが待ち遠しいです!!植物を見つけた際はくれぐれも登山道から外れて植物を踏んだり、ストックで傷つけることのないよう、お願いします。
この日は風が強く、雲も厚かったため残念ながら北岳山頂を見ることはできませんでした。今年は雪が少ないと言われているものの、大樺沢にはびっしりと雪が付いています。街では半袖でも過ごせますが、標高1,500mの広河原ではただただ寒く、長袖シャツ、フリースでちょうど良いくらいでした。
(大樺沢に残る雪と北岳)
6月22日の開山まで1ヵ月!あと1ヶ月で大樺沢の雪はどれくらいなくなるのでしょうか。昨年の11月の閉山から半年少々...やっと南アルプスのシーズンがやってきますね!