アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
夜叉神峠の1年
2019年01月22日みなさん、こんにちは。
南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
夜叉神峠は標高1,770m、夜叉神峠登山口から1時間ほどにあり、南アルプス国立公園の中でも1年を通して登山口へのアクセスが楽にできる場所です。鳳凰三山の縦走路になっていることもあり、冬季でも多くの方が登られます。今回はこの夜叉神峠の春夏秋冬をみなさんに紹介しようと思います。
【冬:1月から3月】
△夜叉神峠から残雪が残る白峰三山を望む
車道や登山口には雪はありませんが、白峰三山にはたくさんの雪が残っています。場合によっては、3月あたりでも夜叉神峠に雪が残っているときがあります。標高が低いところでは春が訪れている場所もある時期ですが、標高が高い山ではまだまだ冬山のように感じられます。雪で白くなった白峰三山はとても雄大でいつ見ても圧倒されます。この時期は登山道が凍っていることもありますので、雪道歩きが不慣れな方はアイゼンなどを携帯してくださいね。
【春 4月から6月】
△新緑が鮮やかな夜叉神峠
春に比べ、木々が葉を付け始め、新緑が鮮やかになります。写真は晴れていませんが、スッキリと晴れているときは、新緑の鮮やかさが増します。降雪量が多い年では4月、5月でも雪を被っている白峰三山を見ることができます。登山道沿いでは、ミツバツツジやシロバナノヘビイチゴやキバナノコマノツメなどの高山植物が咲き始めます。
【夏 7月から9月】
△夏の陽気が感じられる夜叉神峠
山へ若干、ガスがかかってしまっていますが、後ろにうっすら見えるのが北岳と間ノ岳です。春よりも全体的に緑が多く、夜叉神峠でも様々な種類の高山植物を多く見ることができます。また、夏期シーズンは夜叉神峠小屋の営業も始まり、小屋に泊まることもできます。(営業については要確認)小屋付近には幕営地もあるので、テント装備を背負って夏の星空を眺めるのもいいですね!
【秋 10月から12月】
△葉が色付き秋らしさを感じられる夜叉神峠
夜叉神峠の紅葉のピークは時期によって多少の変動はありますが、例年は10月初旬くらいです。この写真は10月末に撮影したので、ほぼ紅葉は終わり気味でしたが、夜叉神峠までの登山道は綺麗に色付いていました。写真の白峰三山は秋の山という感じがしますが、この時期くらいから高山では雪が降り始めるので、運が良いと白くなった白峰三山と紅葉の夜叉神峠を見ることができるかもしれません。
同じ山でも登る時期によって見ることができる景色が変わります。1年の中であなたのお気に入りの景色を探してみてはいかがでしょうか?