アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
南アルプス開山式と長衛祭
2017年06月27日みなさん、こんにちは。南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
6月24日に山梨県南アルプス市の広河原で「南アルプス開山祭」が、
長野県伊那市と山梨県南アルプス市の県境にある北沢峠では「長衛祭」が行われました。
南アルプス開山祭は南アルプスの先駆者の偉業への感謝の意と登山者の安全を記念し、毎年6月最終週に行われています。
約200人が参加した祭では、地元芦安中学校生徒による「北岳の歌」などの合唱や、夜叉神太鼓の力強い演奏が披露されました。最後には蔓払い(つるはらい)の儀式が行われ、明治時代の山の案内役の姿をした参加者によって払われた蔓の間をくぐり、参列者は安全を祈願しました。
わたしも安全登山を祈願し、払われた蔓の間をくぐり抜けてきました!
(蔓払いの儀式によって開かれ蔓の門のようす)
長衛祭は『南アルプス開拓の父』と呼ばれ、現在の'藪沢新道'や'栗沢山ルート'の開拓を行ったほか、
長衛小屋や藪沢小屋を建設し、南アルプスの山々を愛した竹沢長衛の尽力を偲んでこの開山の時期に行われており、今年でなんと59回目になるそうです!
(多くの方が参加した長衛祭)
芦安小学校児童と長谷小学校児童による「ふるさと」の合唱や森の音楽会が行われ、祭後には農業・林業被害の深刻化をもたらしているイノシシやシカの肉を使った成敗汁が振る舞われました。
(広河原から見た雲がかかった北岳 撮影日:2017.6.24)
夏山シーズンが到来したものの、山によってはまだ冬装備が必要な場所もあります。
登山される方は装備や今の自分の体力と相談しながら安全に登山を楽しんでください!
また、南アルプス北部・南部ともに7月中旬頃から始まる小屋や予約が必要な小屋もありますので、事前に情報収集を行った上で計画を立ててください。