アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
茶臼岳の防鹿柵設置作業に参加しました!
2018年07月10日みなさん、こんにちは。
南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
6月中旬、茶臼岳にて防鹿柵設置作業へ参加してきました。茶臼岳の防鹿柵は主に茶臼小屋周辺に設置されています。ニホンジカの食圧により、高山植物に影響が出始めたことから平成20年から静岡県が防鹿柵を設置しています。
小屋周辺や防鹿柵にはすでにニホンジカの足跡や糞があちこちに。冬期の積雪が少なかったせいか、雪解けが早く、ニホンジカが高山帯に登ってくることができる時期も早くなってきてしまっているようです。
△茶臼小屋周辺で見つけたニホンジカの足跡
茶臼小屋周辺では2カ所で防鹿柵を設置していることから、作業は二手に分かれて行います。そこで、防鹿柵設置作業の流れを簡単に説明します!
1.冬期養生しておいたネットおよびポールの紐を解く
2.支柱となる杭に約2mのポールを差し込む
3.ポールの上部にネットを引っかけ、取れないように結ぶ
という流れになります。
△1.ネットの紐を解く作業のようす
△3.ポールにネットをかけ、結ぶ作業のようす
一見、「簡単そう!」と思われてしまうかと思いますが、勾配が強くなおかつ細かな石や砂が多くあり、場所によっては立っているだけでも大変な場所もあります。ニホンジカから高山植物を守るためにボランティアの方々と協力して作業を行いました。防鹿柵内にはハクサンチドリ、キバナノコマノツメ、シナノキンバイやニリンソウが咲いていました!
翌日稜線に上がり、茶臼岳、仁田岳へ向かい下山途中、茶臼小屋周辺の斜面を見ると...
△斜面にくっきりと残るニホンジカの足跡
(拡大してご覧ください)
※重なっている点は色を変えています。
はっきりとニホンジカの足跡が確認することができました。この日の夜は小屋の中にいても風がかなり強かったのですが、彼らにはそんなこと関係ないようです。前日に防鹿柵の設置を行って良かったと改めて感じました。あと少し設置時期が遅れていたら綺麗に咲く高山植物が食べられてしまっていたかもしれません。そうならないためにも、私たちにできることを精一杯取り組んでいきたいと思います。