アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
南アルプスで見られる「丑」さん
2021年01月05日みなさん、あけましておめでとうございます。
南アルプス自然保護官事務所の本堂です。本年もどうぞ、よろしくお願いします。
今年は丑年!!丑といえば・・・ニホンカモシカ(以下、カモシカ)!
¨え、カモシカはシカじゃないの?¨と思われた方もいらっしゃるかと思います。名前にシカとありますが、カモシカとニホンジカではなにが違うのでしょう。そこで!カモシカとニホンジカの違いをまとめてみました。
見比べてみると、違う部分がたくさんありますね。
カモシカは日本固有種としての学術的価値から、1934年(昭和9年)、天然記念物に、1955年(昭和30年)特別天然記念物に指定されました。山梨県、長野県、静岡県で成る南アルプス地域では1980年(昭和55年)にカモシカ保護地域に指定されており、希少な地域個体群として、生息状況と生息環境のモニタリングなどが行われています。
全国的にも、南アルプス地域でも大切にされているカモシカですが、農作物及び幼齢造林木への被害が目立つようになり、1979年(昭和54年)にカモシカ保護管理方針の大幅な改正により、長野県、静岡県など限られた地域での捕獲が認められるようになりました。捕獲するにあたり、長野県や静岡県では特定鳥獣管理計画が策定されています。自然の中で生きる動物とのバランスを保つのは簡単なことではありませんが、よい方向に、よりよい方法を見つけていきたいですね。
南アルプス自然保護官事務所ではニホンジカ動向調査のために自動撮影カメラを設置しています。ニホンジカ以外にもツキノワグマやノウサギなどが撮影され、カモシカも写っています。
どアップで写っている子もいれば、どこか遠くを見ている子。右下は事務所がある南アルプス市芦安地域で見られたカモシカです。
みなさんは今年の目標、決まっていますか?わたしの今年の密かな目標の1つとして、「カモシカをたくさん見つけること」です・・・♪