アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
#STAYHOME ニホンジカ被害状況確認 in 夜叉神峠
2020年05月07日みなさん、こんにちは。
南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
今回は先日の夜叉神峠巡視で確認したニホンジカの被害をお伝えします。普段の巡視はわたし一人ですが、今回は生態系保全等専門員の金丸さんと。専門的な知識をお持ちの金丸さんと巡視できることはとても心強いです。
登山道を歩き始めてすぐに新芽の食害を確認。状況把握のため、登山道を少し外れてみるとあちこちに糞を見つけ、金丸さんがニホンジカを発見!かなり遠くにいたので撮影はできませんでしたが、「ピィー、ピィー」と警戒音を出していました。
再び歩き始めると状況がかなりひどい樹皮剥ぎを見つけました。樹皮剥ぎをするのはだいたいクマかニホンジカのどちらかです。クマ剥ぎかシカ剥ぎかを見分けるポイントがあります。
●クマ剥ぎ
剥いだ樹皮と樹木が繋がっていること、樹木に残っている跡が垂直
●シカ剥ぎ
(今回発見した樹皮剥ぎ)
剥いだ樹皮が地面に散らばっている、いろんな方向に剥がれている、つるつるしている
南アルプス山域でよく見られるのはシカ剥ぎです。森や山に入るとき、探してみてください。
今回夜叉神峠の感想を金丸さんに聞いてみました。
今年は暖冬で雪が少ないと言われており、暖かい日が続いているので高山での残雪量が気になるところです。残雪量が少ないと植物の開花が早くなります。そして、ニホンジカが高山へ登っていく時期も早くなります。そうなると、ニホンジカに植物が食べられてしまう割合が多くなるかもしれません。場所によっては防鹿柵の設置も行っていますが、人間による作業のため、安全確保ができていないと作業が実施できません。大きな課題です。残雪量が少なくても高山へは登らず、里山でのんびりしていて欲しいものです。
◇ ◇ ◇ 芦安ニュースレターに掲載されました! ◇ ◇ ◇
芦安地域おこし協力隊の佐藤さんと芦安集落支援員の加賀美さんが作成しているこの芦安ニュースレター。芦安地域のイベントや地域おこし協力隊の活動についてなど芦安の情報がたっぷり詰まっています。4月号に南アルプス自然保護官事務所の職員や仕事内容について掲載していただきました。あまり人に直接会えない状況の中での地域おこし隊就任となったため、せめて紙面で地域の方に情報を発信したいという想いで今回作成されたそうです。
(クリックすると大きい画面で見られます♪)
南アルプスの山々への玄関口に位置する芦安の住民はこうした情報を知っておくべきだと感じたので、なるべく図や写真を多くしてわかりやすく表現することを心がけて作成されたそうです。説明がなかなか難しい国立公園の¨保護¨と¨利用¨についてとても分かりやすいですね!他にも2代目芦安地域おこし協力隊の佐藤さんの紹介や手作りマスクの作り方などが掲載されていますので、ぜひご覧ください。2020年4月 芦安ニュースレターはこちら!(容量が大きいのでご注意ください)