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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

春に舞うもの

2016年03月22日
南アルプス国立公園 大石佳織

みなさん、こんにちは。
各地でソメイヨシノ開花のニュースが聞こえるようになってきましたね。
今日は少しひんやりしている南アルプス自然保護官事務所ですが、陽ざしは
すっかり春です。

先週3月14日は、夕方から雨が雪に変わり、予想に反して積もって驚きましたが、
翌15日のお昼前にはすっかり融けて、雪が積もったことを忘れそうになりました。
積もった雪の融ける早さにも春を感じます。
(朝だけ堪能できた銀世界。芦安から夜叉神峠方面。3月15日朝撮影)













さらに17日は、気温がぐんぐん上がったことと、よいお天気だったこともあり、
お昼には、事務所周辺であるものがたくさん舞っていました。

それは、花粉!ではなく、チョウです。(仁田自然保護官がくしゃみをして
いるので、花粉もたくさん舞っているようですが...。)

(梅の花とテングチョウ。3月17日撮影)













これはテングチョウ。天狗のように長い鼻*が特徴です!わかりやすさはダントツ。
(*実際は鼻ではなくて「下唇鬚(かしんしゅ)」という器官だそうです。)
チョウは(も?)見分けるのが難しい!と感じている私ですが、このチョウに関しては
シルエットで種類がわかるので、ありがたいです。

また、別の場所では、羽の擦り切れた少し大きめのチョウがいました。
(擦り切れた羽のチョウ。羽を広げた大きさは5cmくらい。3月17日撮影)













これはヒオドシチョウと言うそうで、成虫のまま冬を越すということでした。
擦り切れた羽は厳しい冬を耐えてきた証なのでしょうか。
ちなみに、戦国時代の武具「緋縅(ひおどし)」が名前の由来になっているそうです。

厳しい環境を生きのびて、自然の中を自由に舞うチョウの姿はとても綺麗だなと感じます。
南アルプスの山々はまだまだ雪の世界ですが、これからの季節、南アルプス国立公園周辺では
さまざまな生きものが活発になっていきます。
自然の中で懸命に生きる生きものを見かけたら、そっと見守ってあげてくださいね。