関東地域のアイコン

関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

雪が残る地蔵ヶ岳へ

2019年05月21日
南アルプス

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

4月下旬に鳳凰三山へ行ってきました。鳳凰三山は地蔵ヶ岳(2,764m)、観音岳(2,841m)、薬師岳(2,780m)の総称です。1泊2日で御座石温泉登山口のピストンコースです。4月上旬降雪があり、この時期にしてはかなり雪の多い山行となりました。日中も気温が低く、下山時には雪が舞い始めるほどでしたが、稜線ではとても素敵な景色を見ることができました。山行のようすを紹介したいと思います。

御座石温泉登山口から本日のお宿、鳳凰小屋まではおよそ6時間。道中は急登やアップダウンが多くあります。小屋までは樹林帯が続きます。道中では北アルプスやお隣の甲斐駒ヶ岳がお出迎えしてくれます。

無積雪期の地蔵ヶ岳の直下は砂地になっており、アリ地獄のようになります。積雪のおかげで少しは歩きやすいですが、傾斜が強すぎてオベリスクの頭も見えません...。

△ストックがあると登りやすいです

午後に登ったので、雪質はかなりぐずぐずになっていましたが、何度か立ち止まりながらも無事、地蔵ヶ岳山頂に着きました!!この日は「環水平アーク」という珍しい気象現象が見ることができました。(残念ながら写真はありません。)稜線からは南アルプス北部・南部や八ヶ岳、富士山はもちろんのこと、北アルプスや谷川岳などの山域も見ることができました!

  

別角度からになっていますが、昨年度と同じ時期の比較です。どれだけ雪が多いか、一目瞭然ですね。今年は山梨百名山の記載がある標柱が途中まで埋まっていました。雪があるとないとでは雰囲気が違いますね!

△「子授け地蔵」と南アルプスの名峰たち

地蔵ヶ岳山頂直下にある「子授け地蔵」のみなさんです。足元が少し埋もれているお地蔵さんもあり、少し寒そうでした。後ろに見えるのは左が北岳、右が甲斐駒ヶ岳です。どちら雪で白いですね。北岳の真っ白な部分は大樺沢の左俣ルート方面です。毎年開山してからもしばらく雪が残る場所です。これだけ雪が多いので、今年は夏場でも雪を見ることができるかもしれませんね!

雪がまだまだ残っている南アルプスの山々ですが、積雪のない登山道では春らしさを感じました。


△咲き始めのニリンソウ

ニリンソウです。5月上旬に咲く綺麗なお花です。ミツバツツジやダンコウバイが咲いていました。夏季には御座石温泉ルートにもたくさんの花が咲きます。急登続きのルートではありますが、お花を見ながらゆっくり登るのもいいですね。

■ 鳳凰三山の登山計画をされている方へ

4月下旬のようすのため、現在では若干雪解けが進んでいると思われます。御座石温泉登山口、夜叉神峠登山口のいずれにしても、長く樹林帯が続き、樹林帯では凍結している場所があります。軽アイゼンもしくはチェーンスパイクを携帯し、下山時は十分に気をつけてください。鳳凰山系の山小屋は6月下旬までの間は変則営業となっています。小屋に宿泊しての登山をお考えの方は、必ず各山小屋へ確認するようにしてください。街では夏日になったり、時折暑さも感じられますが、南アルプスではまだ積雪もあり、寒いです。標高が高い場所に適した準備をしっかりして登山してください。